今週の長雨から五月晴れに変わった北摂大会。ラグビーが普段通りできることの喜びとラグビーにひたむきが故の口惜しさを味わった一年生でした。
TRS6年生キャプテンの素晴らしい選手宣誓の後、一年生は伝統ある大会のトロフィーを目の前に焼付け、これを持って帰るという思いを胸にピッチに向かいました。
全員でピッチをゆっくり周り、ラインについてコーチから質問を受けました。
敵ゴールラインの上にボールを置いたらトライか否や。タッチラインを踏んだらタッチか否や。次にタッチラインから30センチ離れて平行に全員並び、ひとりづつライン際を走ってみました。成長するにつれてピッチは拡大しますが、互角の相手同士が勝杯を分けるのは、ゴールライン、タッチラインぎりぎりのほんの狭い範囲の世界ことだったりするものです。わずか30センチの幅しかなくても皆タッチラインを踏まずに走れたように、最後まであきらめないことが大事なのです。
東北でラグビーをしたくてもできないスクールの子たちに今日頑張ったことが伝わるかどうか、バタフライ効果の例えで説明しました。地球の裏側で蝶が羽ばたきをすれば、台風を引き起こす可能性が科学的に証明されたように、一年生の皆が今日頑張ったことはきっと東北の生徒達に伝わるということを。
今日のテストマッチは6試合。各チーム(A1、A2、B)2試合行われ、A1は1勝1分(レフリーの判定ベース)、A2は2敗、B2敗の結果でした。北摂で伝統的に強くなる吹田、茨木に対し、1年目から豊中強しのイメージを刷り込んでおく当初の目的はほぼ達成できましたが、高槻、箕面軍団も決してあなどれない逸材が何人か確認でき、油断なりません。
個人目標として、シンプルに相手を抜く・タックルをする回数を決め取組みました。データラグビーだけに拘る気持はありませんが、生徒の長所を伸ばすための強みを見つける上で重要と捉えています。
相手を抜いてゲインラインを突破した回数は、A1=34回、A2=10回、B=15回、タックルは夫々49回、12回、9回(Bのみは捕まえて離さないでもOK)の実績でした。A1のゲインライン突破数はほぼ目標通りの一方、タックル数は目標の倍となりました。これだけ確実にタックルで仕留めた回数は大人でも聞いたことがありません。T18の20回が突出していましたが、その他のメンバーもタックルの意識レベルは総じて高いことがわかりました。A2は攻守ともにデータでは元気がなかったようですが、あと一歩さえ出られれば改善できます。Bはタックル目標を全員クリア!
今大会で印象に残ったことは各キャプテンのキャプテンシーでした。A1のH9は最後悔し涙を流しましたが、それもそのはず後半吹田Aの反撃で劣勢の中、常にボールに絡んで何とか流れを変えたいという思いが伝わってくる程でした。A2のM19も負けず劣らず、攻守ともにファイトを小さな全身で示してくれました。BのR27はキャプテンに選ばれた理由をプレーで表現してくれました。モールをくずそうとしてペナルティを取られましたが、本人はタックルで倒そうという気持ちだったと思います。午後の試合は自分から逸早くディフェンスラインを上げる動きが出てきました。あとは声を出して表現できれば素晴らしいキャプテンになれる!。
ラグビーは皆でやるものひとりだけのわがままはゆるされませんとはどこかの生徒の決まりで、個人プレー礼賛は戒めるべきものですが、トップリーグや世界のラグビーユニオンに習い、Man of the Match6名をコーチ陣で考え発表しました。
茨木A戦=T18、高槻A戦=M19、摂津B戦=Y3、箕面A戦=T2、東淀川B戦=K16(Woman of the Match)、吹田A1戦=K4の6名には、小さな表彰状(名前付)と海外のコイン(金・銀・銅)を贈呈しました。将来、世界を舞台に活躍して欲しい思いをコインに託しました。
冒頭のバタフライ効果は、小さな要素の組み合わせでも未来に大きな影響を与えるという例えでしたが、今回の試合で、普通なら無視できると思われるような極めて小さな差が、やがては無視できない大きな差となってくるということを感じました。戦略は細部に宿ると言われるように、今回の試合の反省点を踏まえ、強いTRS一年生を目指し、心の準備、身体の動かし方、ボールの取り方、ステップ、当たり方など細部に拘った練習を行っていきたいと思います。と言いながら来週は海外出張でお休みします。次回用のコインは探しておきます。