北摂大会を一週間後に控え、ふかふかの芝での練習開始前、生徒にラグビーの歴史から生まれた基本的なプレーの流れについて写真や絵を用いて説明しました。
1823年イングランドのラグビー校でフットボール(当時のフットボールは現在のサッカーとは異なり、ボールキャッチとキックは許されていたが、ボールを持って走ることは禁止されていた)の試合中、エリスという少年がボールをキャッチし、そのままゴールを目指して走り出したことが、ラグビーの始まりと言われていること。4年に一度開催されるラグビーワールドカップの優勝国に「ウェッブ・エリス・トロフィー」が与えられること。今年は、ニュージーランドという国(世界地図の中で示しました)で行われ、世界ランキング13位(5月2日現在)の日本も出場すること。6年後は女子ラグビーがオリンピックで初めて開催されること(1年生には1名候補がいます)。8年後は日本で開催されること(いずれもちょっと間に合わないか)。
この歴史からわかることは、ラグビーはボールを持ってゴールを目指すというスポーツ観が根底にあることです。ボールを持ったらゴールを目指し走ることを楽しめる、それこそが、およそ200年の間に世界120カ国以上の国々に広がった所以でしょうか。四半世紀前、英国のラグビーがキックを多用するスタイルの中で、ジャパン遠征チームが魅せた華麗なランニングラグビーや、フランスのシャンパンラグビーが一世を風靡したことがその証左かもしれません。
この原点に立ち返るとミニラグビーの目指すところも、ボールを持ってゴールを目指す喜びをプレーヤー全てが感じることではないかと思います。この原点をわかっていながら、「死んでもボールを離すな」式でボール至上主義に陥ってしまいがちな大人のラグビーの世界とは全く違うということをコーチは忘れてはならないと思います。ラグビーボールのためにプレーしているのでは決してなく、生徒を主体と位置づけ、そのためにミニラグビーはボールの処理よりもお互いの安全が何よりも最優先されるのです。
こう考えると、ボールを持って誰にも触られることなくトライすることが理想ですが、狭いピッチの中ではどうしても接触プレーが生じます。この接触がタックルであればラックの成立について、相手が立ったまま捕まるのであればモールの成立について写真とイラストで説明しました。ラック、モールを認めることでプレーが中断されず、流れのあるスポーツとなったわけです。
歴史を振り返ったところで早速、フットボールとラグビーの違いを実際に体験して貰いました。まずはフットボール体験です。生徒が5メートル前に向き合ったコーチに対してボールをキックし、キャッチしたコーチを捕まえさせてみました。皆1年生とは思えない正確なキックでコーチまでボールが届きましたが、誰一人コーチに触ることができませんでした。次にラグビーに戻り、生徒がボールを持ってコーチを抜けるかやってみました。今度は、殆どの生徒がコーチに捕まらずに抜けられました。フットボールとラグビーを比較体験してみて、生徒はキックによって相手に逆に攻め込まれるつまらなさを感じたようです。
1対1で5メートルの距離を置いて敵同士向かい合った場合、殆ど抜かれてしまうことが分かったのですが、ではどうすれば抜かれないか実際に生徒に実演して貰いました。最初にディフェンスが静止した状態で相手が左右のどちらかに動き出したら止めに行く方法を、次に、アタックの生徒がコーチからパスされたボールを取ろうとしたところで、ディフェンスが素早く前に出る方法の両方をやってみました。そうすると、早く前進してディフェンスした方が捕まる確率が高いことに気付きました。
では、どこまで敵(アタックの生徒)に近づけばよいでしょうか。一辺2メートルの正方形の対角線上でボールを持った生徒とコーチが向き合って、生徒にコーチを抜くように指示しました。結果は、この正方形の中に入り込んだ生徒は確実に捕まり、この正方形に入らず外を早く走った生徒が捕まりませんでした。生徒は何となくディフェンスの前方90度の範囲には近づかないようにすると抜けられそうだとイメージした様子でした。
しかし、狭いピッチで常に90度の範囲に入らずに攻撃できるチャンスは少ないため、抜こうとした際にタックルされた場合の受け身、ボールの処理について説明しました。
1年生では安全優先のため真直ぐに当たりに行かせず、ディフェンスとタッチラインの間をタッチライン方向に突き進むイメージでタックルを受けるよう指導しました。そうすると遠心力でタックルを受けた身体が自然と内側(タッチラインと反対の側)に振られながら倒れることができます。実際に生徒が行ってみてもそうなりました。この時に倒された人はエビのように身体をくねらせて、抱えていたボールを後方に伸ばして手で押さえておくところまでできる生徒が多かったのには驚きました。
最後に試合直前のセレクションゲームを3チームにランダムに分けて3分1本勝ち残り方式で行いました。前回と同じくトライ1点、タックル1点のローカルールは継続です。
全体の練習終了後、皆を集めて北摂で力試しするテストマッチであること、中でも伝統的に強いチームを1年生から倒しておくことの意義を説明の上、来週のメンバーを発表しました。拝むように手を合わせて緊張した様子の生徒が何人かおり、コーチも悩みましたが、目的・目標を明確化し、それらに果敢にチャレンジして貰うことに決め、各チームの一日キャプテンも合わせ発表した次第です。
3チーム(A1・A2・B)の目的:全力を出して2強をやっつけること
個人の目標:アタックは相手を抜くこと。ディフェンスは前に出ることとし、数値目標を以下としました。
相手を抜いた回数/日 タックル(Bは捕まえて離さない)の回数/日 A1 5回 3回
A2 4回 2回
B 3回 1回
これまでの練習がかなり濃密な内容だったために消化不良ぎみとは思いますが、この一週間、毎日北摂大会のテストをイメージして生活して欲しいと願っています。生徒は全員、当日の朝「ラグビーに行って来ます!」を忘れずに言うそうですので、保護者の皆様大きな声を聞いてあげてください。
目的を明確にするということが、子供なりに理解し始めているように感じます。コーチの指導により、子供のなかで少しづつ意識が高まってきているのかもしれません。それぞれの子供によって、スイッチの入るタイミングは違うかもしれないですが、わが子の成長も楽しみではありますが、一人一人の成長も楽しみにしながら、これからも見守っていけることは、本当に幸せな事だと感じております。
コメントをいただきありがとうございました。漸く生徒の名前と顔が結びつくようになりました。どの子もわが子(いまどきの高校生)より可愛い存在になりつつあります。今回のキャプテン選出ではピッチでガッツを見せた生徒を重視しました。9番は北摂大会のA1キャプテンでチームを引っ張って貰います。A2のキャプテンに選ばれた19番も9番に負けない闘魂を見せてくれることは間違いありません。Bは27番にキャプテンとして頑張って貰います。この他スイッチONの生徒もいれば、保温状態の生徒もいますので、様子をよく見ながらボルテージを上げて行きます(古いか)。
DVD鑑賞会行ってきました。どんなだったかな~と気になっている方もいると思うので、ちょっとご報告を。
新地の真ん中に部室?!と思いましたよね。想像通りというか、4,5坪くらいのスナックの廃業跡を居抜きで借りたといえば分かりやすいでしょうか。酒好きが多ければ、会社帰りに集まって安く飲むいい方法ですよね。
福島コーチには、ずっとカウンターの中でお酒を出していただきました。ありがとうございました。
参加者は、6番父、10番父、14番父、15番父、16番父、17番父、18番父、27番父と福島コーチ、計9人でした。
DVDを観ながら話しをしました。北摂大会後にも鑑賞会があるようです。
ちょっと驚いたのは、発表されている個人の数値目標ですが、これは福島コーチが試合中に目を皿のようにして、本当に表につけるのだそうです。つけるための表も作ってあって、見せていただきました。てっきり子供の自己申告に任せるのかと思っていましたが、そうではなかったんですね。
それで目標が達成できなければ下げられるし、達成できていれば上がれるし、というような流動的なシステムにするようです。
保護者の意見も聞きたいと福島コーチはおっしゃっていました。どんな意見が出るかこわごわ書き込んでいるんですよ、とも。どんどん書き込みの方もよろしくお願いします。
DVDは通しで2回見てお開きとなりました。
先日は雨の中お集まりいただきありがとうございました。熱い父親が8人も集まって「雨夜の品定め」談議となり、貴重な意見をお聞かせいただきました。
説明が不十分でしたが、数値目標の達成度合いで次の大会のオーダーを決めるのではなくて、その日のうちに別のグループに参加し、なんとか達成して欲しいと思っています。オーダーは、出欠状況、直前練習の取組姿勢、年間目標の進捗状況から総合的に判断して決定します。
明日の6試合は、Man of the Matchを各1名選出し表彰します。コーチ陣が困る位のファインプレー続出を期待しています。