三年生全員が貫くたったひとつの原則『100%』

天気予報通り雨も止んで聖地「花園」でのカーニバルが予定通り行われました。スケジュールだけでなく、四戦全勝での優勝も生徒全員が試合前に予定した通りの結果でした。2年越しのグランドスラム達成にカーニバルの起源と同じく、春の豊作を祝う陶酔の一日となりました。

『7つの習慣』で有名なフランクリン・コヴィー・ジャパンの元会長ジェームス・スキナーはコーチが最も影響を受けた人の一人ですが、近著で、すべての夢を叶えてくれるたったひとつの原則を「100%の行動」だと言い切ります。

・・・けっきょくのところ、人生の生き方は、ふたつしかない。好きなことをすべてやって、ほしい結果をひとつも手に入れないという生き方と、必要なことをすべてやって、ほしい結果をすべて手に入れるという生き方のふたつである。・・・

三年生が選択する人生はもちろん後者の人生。普段の練習で複雑なことは何もせず、珍しい戦略もなく、ただ生徒たちに100%出し切ることを要求しているだけ。練習であっても、本番であっても、そのプレーにおいて、ボールを持っていようがいまいが、1プレー1プレー、自分の100%を出すように要求してきた2年間だったと思います。コーチの100%の要求に100%の結果で返してくれた28人(登録選手100%出席)には教えられました。相手チームが初めての7人制で戸惑いレフリーに並び方を何度も注意される中、我がチームは誰に言われるでもなくきちんと隊列を整えていました。今朝試合前にコーチから説明した3つのポイントを忠実にもプレーで表現していました。今日人生で初めてラグビーの試合をした生徒も含めて。

原因があって結果があるとは普遍の真理と言われます。でも「たまたま」もあるのではと。コーチも今日生徒達の100%の行動を目撃するまでは、この真理に懐疑的でした。しかし、もう疑うことはやめます。そして、「今年こそダイエットをやるぞ!」と同じように「今日は絶対勝つぞ!」と、結果に対して決意することに重もきを置きません。結果は嫌でもついてくるものなんですね。これからは結果ではなく、原因に対して決意をしていきます。「完璧な練習によって完璧になる」を実践していきます。失敗を恐れて条件が全て揃わないとやらない完璧主義ではなく、自分の今のベストを尽くすのみ。

この2年間の原因がどんな試合結果に繋がったのかの後講釈はこの辺にしておき、以下に試合結果を簡記します。

①チーム・ラブ、チーム・タイガーvs八尾RS:14-0 (前半7-0、後半7-0)

R15のマイボールキックオフ(?)。彼のドロップキックなど練習で見た記憶がないにもかかわらず、全てのキックが絶妙で2試合ともこのキックのお陰で大勝利に繋がったと言えます。意外性のスーパーブーツ登場でした(お父さんはFWDだし、誰から習ったんでしょうか?)。R15自らのトライから怒涛のラッシュアワー突入。蝶のように羽ばたいているとしか見えないのにいとも簡単にトライする不思議君M23が3トライと要所のタックルでMOM受賞。試合前の練習時、何度もアタックのやり直しを命じられて目覚めたイメージキャプテンA11の相手ゴール前オフロードパスもお見事。

後半は、チームキャプテンT18の激しいタックルを相手ラガールが2発被弾。相手コーチ陣からなんと「ナイスタックル!」と感嘆の声も。T18のタックルに間髪を入れず、ゲームキャプテンT2(MOM受賞)の相手ジャッカルに低く突き刺さるオーバーでおもしろいようにクリーンなボールがバックスに供給され、ラッシュアワーはノーサイドまで続きました。初ラグビーでフライハーフをやり、パスあり、スペースへの突進ありのプレーができるKaito君はいったい何者?強力な救世主登場です(MOM初受賞おめでとう)。Y5も負けじと大きな相手にタックルを敢行、最後はモールサイドの隙をついてトライしノーサイド。

②チーム・パフォーマンス、チーム・インクレディブルvs大中RS:12-0 (前半5-0、後半7-0)

遠くから眺めていましたが、終始相手陣深く釘付けの様子に大勝利を確信しました。ゲームキャプテンH9の開始早々の連続トライ(MOM)とM19のタックル&トライでペースを掴み、緑色スパイクも眩しいR21が近鉄電車張りの快速を飛ばしてトライ。チームキャプテンS1が最後は自らエンディングの調べをパフォーム。

後半も余勢をかってゲームキャプテンの連続トライに次いでインクレディブル・ハルトH7がナイスタックル。お次は走力トップティア三羽烏(S25、Y17、R26)の連続トライ。最後はS6のトライでノーサイド。MOMはよく声を出してチーム引っ張ったチームキャプテンS14。

③チーム・パフォーマンス、チーム・インクレディブルvs枚方RS:9-2 (前半3-1、後半6-1)

粘りの枚方に前半4分まで膠着状態が続きます。その均衡を破ったのは小さな巨人M19(MOM受賞)。先週の脚の怪我を払拭するタックルとトライで先攻。続いてH9、K4のトライで加点。前半終了1分前、左隅にK8が飛び込みボールを叩きつけるもノッコンの笛。幻のトライで後半へ。

後半は終始相手ゴール前に攻め込む展開。13分、S25が無理にトライせずオフロードでS6に繋ぐ心憎いプレーが惜しくもインゴールノッコン。それに動揺することなく、2分、S6(MOM受賞)が今度はきっちり飛び込んでトライ。スーパーブーツはここにもいました。相手がキックオフをプレースキックするのに対し、S14は滞空時間の長いドロップキックで確実に味方を優位に前進させます。R26は相手の強烈なライナー性のKOボールを落とさず胸でキャッチしただけでもお見事でしたが、そこから路地裏を春風のように走り抜けトライするという離れ技まで披露。先週の30M走王者の片鱗を見せつけました。最後はイメージキャプテンY17が走りきってトライしノーサイド。

④チーム・ラブ、チーム・タイガーvs茨木RS:13-2 (前半11-0、後半2-2)

枚方RSに圧勝した北摂の雄茨木との対戦。北摂大会や定期戦では接戦を演じるライバルで、緊張のマイボールキックオフ。しかし、R15の困惑を誘う回転のドロップキックに群がるラバーズは1分毎のノーホイッスルトライの嵐。今日はスクラムハーフを務めたH13が繋ぎ役に徹しながらトライもし、チームの勝利に大きく貢献しました。MOMはKO→キャッチ、タックル→トライの二重奏を奏でたR15&J22のダブル受賞。

後半も圧勝モードかと思いきや相手に先制される苦しい立ち上がり。それもつかの間2分、三年生が目指す全員ラグビーの萌芽が見られました。S10とK12が練習通りのタックル被弾後のジャックナイフ(身体を「く」の字にしてボールを味方に近づけるダウンボール)でボールが面白いようにバックスに供給されトライ。今日は声を出したり対面に指を指すことをちゃんとする生徒がMOMと予め説明の通り、K20がMOMをゲット。それだけでなく、ラックのオーバーが献身的でした。いよいよクライマックス。全員ラグビーのお手本のようなトライが生まれました。全員が3人1組で次々とラックをリサイクルしながら幾度もフェイズを重ね、最後は全員の気持を載せてチームキャプテンT18がトライしノーサイド。昨年から始めた早出練習で実戦的なタッチラグビーを続けた成果が出ました。

聖地で三年生は正しい決意を胸にスタートを切り始めました。今日眺めた花園第一グラウンドの芝の上で何人の生徒が将来、この原則を貫いて出場するのか楽しみはつきません。

勝つことは時々することではない。いつもすることだ。物事を正しく行うのは、時々することではない。いつもすることだ。勝つことは習慣である。(伝説のアメリカンフットボール・コーチ ヴィンス・ロンバルディ)