11月というのに夏日のような曇天下、朝一番から夕方まで花園の長い一日が終わりました。スクール大会としての結果は1勝3敗でしたが、我が一年生にとっては4つのチームで8試合を戦いましたので、その結果は3勝4敗1分でした。8試合で生徒達が「いま」をどう生きたかを以下に記します。
①9:00~チームYou vs 大工
集合時間から20分後の試合ということもあり、エンジンのかからないまま0-4で次のチームHaruhitoにバトンタッチ。日本男児が次々とタックルをはずされる中、一人ディフェンスで輝いていた女神K16は相手のトライかと思われた瞬間、2度の追いタックルでノッコンを誘いました。勿論、K16がWoman of the Match2度目の受賞。(0-4)
②9:10~チームHaruhito vs 大工
相手の先制トライで始まったこの試合、8時前から集合しテンションの高かったM19が相手ボールを奪い同点トライかと思われましたが、青々とした深い天然芝の露でスリップダウンしインゴールノッコン。しかし、この程度で落ち込むムードメーカーではありません。2分、R27が相手スペースを抜こうとしたところでM19がオフロードでもぎとりそのまま広いスペースに回り込んで初トライ。これに呼応し、主将も相手ディフェンスラインの裏に抜け、フォローについていたR27にパスが通り、大股でそのままトライ。コーチには、オールブラックス相手にきっとこのような突進をされたであろうジャパンの名ロックである御祖父さんの姿がだぶりました。この勢いは公式戦初出場のS25まで波及し、入部間もないため教えていなかったタックルというものを見よう見まねで敢行。相手のトライを寸でのところで阻止しました。それまでも何回か自陣インゴールまで相手を止めようとしていた姿勢には初陣にふさわしい清々しさがありました。さらに、K20もボールを持って大きくゲインし左隅にあわやトライかというシーンがありました。R21もモールの中で頑張ってトライに繋げようとしていました。3-4の1点差で「試合を終了してください」の放送。ここであきらめなかった主将は自ら相手ギャップを見抜き右隅に同点トライでノーサイド。Man of the Matchはこれまでの親子自主トレで見事花開いたS27。初受賞おめでとう!(4-4)
③11:40~チームRyu vs 八尾
キャプテンも初であれば、対戦相手も未知数。朝の集合時間から3時間待たされた試合でしたが、コーチの指定する集合時間より早く生徒達が集り練習試合を始めていたくらい、生徒間のコミュニケーションが取れている様子でした。これは4枚目のお札に期待がかかります。試合開始1分、K4がスクラムから出たボールを取ってそのままトライ。ここからK4のトライショーの幕開けです。このショーは、J22の相手キックオフ後の素早い正面タックル、T18の逆サイドから襲いかかるタックル、キャプテンR15の身を挺したタックルがあってこその5トライ。ショーのフィナーレは寝起きから股関節痛で弱気になっていたY3が痛みを堪えて右隅に飛び込んでトライ。試合後K4は、「チームみんなでトライするんやろ」と信じられないコメントをぼそり。For the Teamの精神が分かり始めたようでコーチは耳を疑うより嬉しさがこみあげました。難しかったMan of the Match選考はこのK4のコメントが効きました。K4、チームの一員としての自覚で獲得した受賞おめでとう!(7-0)
④11:50~チームYousuke vs 八尾
こちらも初キャプテンとしての初陣。これまでの歴代キャプテン3人に支えられよくボールを繋いでいました。特にタックルされた後のダウンボールが正確にできていました。3分で3トライの猛攻(S10、S6、H9)。大舞台でファイトを見せていたH7から襷を受けたスーパーサブT2は、ラックからピックしたボールを韋駄天の如く相手インゴールまで持込みトライ。圧巻はあわやトライかと思われたところでゴールラインと平行に低いタックルに入り相手ラガールをタッチに押し出すところまで足を掻き続けていました。これまでタックルした後ズルズルと両足を引きずっていた姿はそこにありませんでした。この成長を確認しMan of the MatchはT2に決定。キャプテンのトライで大団円となりました。(7-0)
⑤14:00~チームHaruhito vs 港
この試合も新人S25がフェイントや相手の前でくるりくるりと回転して複数の相手を抜こうとする動きやリーグラグビーのような体当たりタックルで見せ場を作りました。やはりこの試合もムードメーカーM19が相手ボールをもぎとって2トライ。タックルミスが残念な試合でした。Man of the Matchは何と本日初出場のS25が早くも初受賞。Congratulations!(2-4)
⑥14:10~チームYou vs 港
この試合はK20、K16、K12の3Kトリオのタックルなどで両者譲らず0-0の膠着状態が続きました。A11は今日こそトライかと思わせるサイド攻撃がありましたがあと一歩及ばず。この日はモールの押しやタックルでいつもと違う闘志を見せるK12から女神K16へと繋がった値千金のパスが惜しくもトライに繋がらず引き分けかと思われましたが、最後は相手ボールをもぎ取ったS1が均衡を破るトライでノーサイド。Man of the MatchはK12が初受賞。おめでとう!(1-0)
⑦14:40~チームyousuke vs 高槻
トーナメント一回戦八尾に勝利し、今月下旬に照準を合わせて来た高槻戦の前哨戦となりました。どこまで我が一年生が強敵に近づいたかを知るまたとない機会です。相手KOから素晴らしいキャプテンシーを誇るS10が思いの全てをぶつけるかのような身体を張ったタックルで相手をひるませながらも、モールサイドを難なく破られ先制点献上。しかし、相手オフサイドのペナルティからキャプテンY17→S6→H9と繋がったトライで同点。お次はT18がハーフウェイから中央突破を敢行しあわやトライかと思われましたが相手の分厚いディフェンスに阻まれ憤死。ここはK4が自ら助っ人を名乗り出てチームを助けます。わずかな間隙を抜けてS6が右タッチライン沿いを快走。トライと誰もが疑わなかった瞬間、逆サイドから相手のエースが追いタックルで激しく押し出し、S6も起き上がれず、もう一人のR15がスクランブル発進。しかし、あのタックルで勢いに乗ったエースの連続トライで折り返し。後半戦に微かな希を託します。Man of the Matchは唯一のトライと幻のトライに終わった2トライで気を覇いたH9が初受賞。コーチも初とは思っていませんでした。おめでとう!(1-4)
⑧14:50~チームRyu vs 高槻
泣いても笑っても残り8分。S14が気合いの入った突進で大きくゲイン。J22も何度も低いタックルで食い下がり緊迫した試合展開となりました。相手エースが自陣から抜け出しトライ献上かと思われたシーンでキャプテンR15がよく追いつきタックルで阻止。これは次に繋がる貴重なビッグプレーでした。このプレーでMan of the MatchはキャプテンR15に決定。S14の嗚咽がこだまする中での悔し涙の受賞となりました。(0-2)
8試合を終え、生徒を集めて伝えたことは、「何度負けてもいいじゃないか。勝つまであきらめないことが大事なんだ。(ちょうど弟の試合を見に来ていた中一年生を例に)彼らは6年生の最期の試合で(これまで全く歯が立たなかった)京都と兵庫で一番強いと言われる2つのスクールに勝った。君たちにも必ず勝てる日が来る」ということでした。
といいながらも帰宅途中のコーチの頭の中では「リベンジ」という単語が浮かんでは消えていました。しかし、リベンジの気持ちだけで本当にいいのだろうかと思い返しました。リベンジとは自分が正しく相手が悪いという思考法から来るものです。自らを正しい人間であると自己正当化したり、自分は弱い人間だと自己卑下することで今この時を浪費することに何の意味があるのか。そうではなく、こんな貴重な試練を与えられたことに感謝して、高い目標に向けて今精一杯できる限りの努力を続けるべきではないかと。
我が一年生には、細胞が毎日生まれ変わるように、新人S25君の初心を思い出して頑張るように指導して行きたいと思います。さあ次なる試練に向けて関係者皆様には、こんな「今」を一歩一歩着実に歩んでいる一年生に一層の惜しみない支援をお願いします。