ミスしてもみんなでカバ-できるチ-ムを作る

令和5年6月4日
豊中ラグビースクール 校長 村上 良


 日頃はラグビースクールの活動に尽力いただきありがとうございます。
本年度はコロナ禍で活動を制限しておりました3年間から動き出し始め、 本格的な活動に移行する大事な1年となると思っております。 引き続きよろしくお願いいたします。
 さて先日の開校式の際に話させていただいたことを覚えていらっしゃいますでしょうか。 この1年間いろいろな学年の試合を見せて頂き、ひとつ気になっていることは、仲間がミスをした際に 「なんでミスしたんや」とか「そうじゃない」とかの言葉が出ていたことです。
 ここで考えてもらいたいのが、 決してその選手は 『わざとミスをした』 わけでなく、たまたまミスをしてしまったのであり、ことによってはボールを落としてしまったのはパスをした方のせいかもしれないのです。
 本年度の目標として『ミスしてもみんなでカバーできるチームを作る』としませんか?
選手も指導員もそして保護者も心掛けませんか? 皆でそんなラグビースクールを目指したいと考えています。

 先日日本協会より通知のあった U-15 U-12 のルール改正の中でも明文化されています。『試合中コーチは定められた区域内に位置し、子供の自主性、判断力養成の観点から人格を尊重した言葉で指導を行う事。又レフリーの判定に異議を唱えたりしてはならない』と書かれています。最悪そのコーチを退場させることが 出来、主催者にその旨を報告するとの事です。
 決してルールになったからそうしようとの考えではありません。 昨年度1年間各学年の試合を見ていて感じたことです。当スクールとして手始めに指導員が試合中なるべく声を出さないことを目標としたいと思います。出すのは褒めるなどホジティブな言葉のみ。 学年によっては難しいかと思われますが簡単な指示は良いですが「肯定的な言葉」で指導してあげてはどうでしょうか。
以上、よろしくお願いいたします。

≪為参考≫
指導員に必要な心掛けの頭文字をとったものに 『PATROL』というものがあります。
・「P」→Process 試合や練習で起きた結果より、 それまでに経験した努力を重視する。
・「A」→Acknowledgment 子供の意思を尊重し、むしろその行動や言動を褒めてあげる。
・「T」→Together 信頼関係が生まれてモチベーションの向上につながります。
・「R」→Respect 年齢や性別に関係なく全員の個性を尊重する。
・「O」→Observation 子供は誰かに見られていることで安心感を覚えやすい。
・「L」→Listening あくまでもメインは子供であって指導者ではありません。

本年度の目標を『ミスしてもみんなでカバ-できるチ-ムを作る』

昨日(4日)、マルチグランドでの練習後、指導者講習の前段で指導員に対して、村上校長から以下の指導に際しての「基本的な指導の姿勢」についての文章が示され、その説明がなされました。

特に、今年度の目標を「ミスしてもみんなでカバーできるチームづくり」に置くこととして、ミスをなじるのでなく、生徒に対するポジティブな言葉で導くようにしていきたいと述べられました。指導員の皆さんのご理解とご協力をお願いします。

6/3 6年生 箕面RSと合同練習!

6月3日(日)は快晴の天気のもと青々とした天然芝のマルチグラウンドで箕面RSさんと合同練習をおこないました。(豊中参加:生徒21名、指導員5名)

確か昨年の夏と今年の2月も箕面RSさんとは合同練習をおこなっていて、生徒さんの間では「旧知の仲!」という雰囲気がでておりました。そこでもっと仲良くなってもらおうと今日の練習がスタートしました。まずは箕面RSさん3名、豊中RS3名で6人1グループを作り、会社のセミナーなどで使う「アイスブレイク」(自己紹介)をグループ内でおこなってもらいました。例えば「私は年齢56歳、C級コーチでC級&ミニレフリーとセーフティーアシスタントの資格を持っていて、AED講習も受講したサラリーマンです!」というように! 自分について説明してもらいました。これでグループ内のギクシャクを取り除きます。次にフィールドの外をグループで走ってもらう(1列に並んでボールを後ろに送り、最後の選手がボールを持って先頭に出てまたボールを後ろに回す。これにてアップ完了!

そして次に6人グループで競争をおこないました。ゲームは6人が肘と肘で腕を組んで輪になります。そして10m先に立っているコーチのところまで行って戻ってくるというゲームです。腕が離れたり、手と手だけつなぐのはNGです。最下位チームは罰ゲームがあります。これをまずは全員内向きで1レース、次に全員外向きで1レース、最後は5mのところにもコーチに立ってもらい、2カ所のポイントをジグザグで往復するレースをおこないました。6人が同じペースで速く走れれば転倒せずに走れますが、ところどころで転倒し、さらに罰ゲームという悲劇的な結果になるグループもいました。転倒せずに走るためにすぐにみんなで考えて対応できるか?できないか?ラグビーの試合と同じですね?

次に、タックルです。先月日本協会からタックルについてかなり厳しいルール改正がありました。指導員にとっては「恐らくラグビー人生で一番困難な指導だと思います。」強いラガーマン&ラガールになってもらうため、ここは指導員が「汗」をかいて子供たちを安全に正しいスキルを教えていけるよう練習方法を考えていく必要がでてきました。

今回は危険と言われる「逆ヘッドタックル」にならない練習をおこないました。2人1組で縦1列になり同じ方向を向きます。コーチの合図で先頭の選手が一回転して「足じゃんけんのチョキ」の形で対面します。後ろの選手はどっちの足が前に出ているか?をすぐ(0.1秒位で)判断して逆ヘッドにならないようにタックルします。(今回は肩をあてるだけで相手を倒しません) 普段の練習では最初からタックルする肩を決めてタックルするからコーチから「ナイスタックル」と褒められて良い気分になっている生徒さんも今回は直前までどっちかわからない場合は判断が遅れてへなちょこなタックルをしていました。さらに判断を速くさせるため、最初の合図から1秒後にもう一度笛を吹き!その笛の後でタックルした選手はペナルティーを与えます。「目で見て、脳が判断と指令、そしてタックル」この動作を0.1秒で判断するように追い込みました。ラグビーの試合では相手はステップも切ってどっちにいくかわかりません。どっちにステップを切っても「逆ヘッド」にならないように対応できる反射神経を鍛えてください。

次にこの流れで「一番私がしたかったこと!」 “ヒット&リップ” をおこないました。豊中のモール&ラックはちゃんと人数をかけているのに相手に負ける、しかも相手は少ない人数なのに押し返される。これは「入り方が悪い」からです。原因は逆ヘッド対策の練習でもあった「得意な肩」で押すことが原因です。日本人はほとんどが「右利き」のため得意な肩も右肩になる。右、右、右と入ると押し込む中心線が右にズレて押せなくなっていました。今回はコンタクトバックを持った指導員に1人目がヒット! そのヒットした肩がどっちか瞬時に判断して逆の方でリップするという練習です。今日は指導員さんも大勢いますので8カ所ポイントを作り、“待ち時間0” にしてとにかく生徒さんたちに沢山ヒット&リップをしてもらいました。

最後は1時間ほど練習試合をおこないました。本日教えた「逆ヘッドしないでタックル」「ヒット&リップ」も正しく瞬時に判断しているか?を見ました。今のところ「ちゃんとタックルができている選手」「受け止めるタックルができている選手」は豊中は全23人中新人D23を含めて9名ぐらいと以前の3名から大幅に増えてきました。9名以外の選手は今回の試合で相手にトライされた時、その直前に「ここで俺、私がタックルしてればトライされなかった!」という場面を思った選手がたくさんあったと思います。

タックルは「しっかりと目を見開いて相手のお腹を見続けて、あと一歩踏み出せば」(スーパータックルは2歩)間違いなく「タックルスキルを習得」することができます。

今の6年生で14名の皆さんをポケモンカードに例えると「進化する」、蛇やカエルでいうと「脱皮」、蝶々でいうと「サナギから成虫」へという時期です。新ルールで「ハイタックルの反則」の基準も厳しくなり、以前から言ってたとおり「タックルはお腹」以外できなくなりました。これからもタックルの練習はしていきますので卒業までに23名全員タックルできるようにがんばりましょう!

最後に本日練習に参加していただいた箕面RSの生徒さん、指導員、保護者の皆様ありがとうございました。来週豊中6年生は体力測定です。俊敏性のタイムをあげるには「なわとび」が良いらしいです。あと30m走は足を真下におろすあのYou Tube 和田賢一さん「走りの学校」の動画を参考に!https://youtu.be/gm3o-Ps-R7M 好タイムをだしてください!