一年生、イシューから始めよ

今朝、緑地公園を抜け金木犀の香りに10月の訪れを実感しました。ひんやりとした曇天下、一年生は今日も元気よくグラウンドにやってきました。先週のテストマッチ5連勝に少し誇りを感じているような「どや顔」も窺えました。

出席確認(20名出席)の後、先週の試合のレビューを行いました。キャプテンに選ばれた3名にキャプテンになってよかったか聞いたところ、初キャプテンY5は、目を輝かせて「次もキャプテンやりたい」とやる気を見せていました。もう一人初キャプテンのS6もスキルフルなプレーヤーというだけでなく、全体を見渡せるリーダーとして成長しそうです。そして、2度目の大役を務めたJ22は今日のミニゲームでも春の彼とは違った力強さを魅せてくれました。

先週の試合で、生徒ができたこととできなかったことを振り返りました。できたこととしてコーチが質問した生徒が答えてくれたように、生徒全員が「トライが取れ」るところまで前進できるようになっていること、プレーが継続していること(S10のダウンボールをピックアップしたS6がトライしたプレー)、サポートが徐々にできていることの3点を確認しました。

反対にできなかったこととして、前に出るディフェンス(プレッシャー)が出来ている生徒とできていない生徒のばらつきがあることを指摘しました。以上の反省を踏まえ、来週土曜日の伊丹戦では、前に出るプレッシャーを課題として強い兵庫県チームに挑むことと目標を明確にしました。

兵庫県などの強豪スクールは週に複数回練習をしていると聞きます。チームメイトとラグビーボールに触れている時間が長いほど結果はついてくれでしょう。しかし、豊中RSは長い歴史の中で週一回の練習方針を貫き、将来何事にもくじけない心と体を持ったスポーツマンを育成することを主眼としています。では、年間練習日数で劣後する豊中がどうしたら強豪スクールと亙り合うことができるのか。その答えは、「イシューから始める」ということにつきるのではないかと思います。イシューとは日本でも最近、ビジネスシーンで普通に使われる言葉となっていますが、つまり「根本にかかわる、白黒がはっきりしていない問題」のことです。今おかれている状況下、イシューが何かということを絞り込み、そのイシューにどこまで明確に答えを出せるかという思考から始め、効率よく行動に移すこと。これが強豪に対抗できる弱者の理論ではないかと思います。イシューを明確にし、限られた週2時間の練習で答えを出していくことで、小さな成功体験を重ね、だんだんとコツをつかみ、使える解を生み出す確率を高めていく。イシューを考えるには、ラグビーに対する抽象度を上げることが大事でしょう。つまりラグビーの原則に立ち返って考えるわけです。ラグビーが何故200年近くも世界で楽しまれて、こうしてワールドカップで観衆を虜にする素晴らしいプレーが生まれるのか、それはラグビーの4つの原則が根底にあるからでしょう。一年生も少しずつできるようになった「前進」、「継続」、「サポート」、そして課題の「プレッシャー」。これらの4原則が忠実に守られている国が決勝トーナメントの8強に名を連ねつつあることがそれを物語っています。わが一年生も今日の課題(プレッシャー)に対して取組みました。

まずは、力強く低く相手にヒットすることが大事ですので、コンタクトバッグを持ったコーチ2人がぴったり並んで前進するところに生徒2人が同時に前進してバッグに強く当たり両コーチを左右に引き裂くまで足をかくように指導しました。最初は遠慮がちでしたが、T18の激しい当たりを見て他の生徒も本気モードにスイッチが入ったようです。

ここで、来週の試合のメンバー発表を行いました。伊丹、吹田、茨木各1チームと今回は一本勝負の3試合だけ行われます。

伊丹戦:キャプテンT18(走攻守で全てをぶつけよう)、T2(茨木戦欠席の分、特に頑張って欲しい)、Y5(前回初キャプテンでやる気まんまん)、H9(プレッシャーのお手本に期待)、A11(絶対トライを取れる)、K12(よくここまで来た!)、J22(突き刺さるタックルを見たい)

吹田戦:キャプテンS10(合宿でのガッツでチームを引っ張ろう)、S1(前回のように流れを変えよう)、K4(練習ではふざけても試合でやってくれます)、H7(縁の下の力持ちだけどトライも取れるようになった)、Y17(今日の快走とオフロードパスが良かった!オールブラックスの現役ヘビー級ボクサー、ソニー・ビル・ウィリアムズを見たの?)、M19(今日ちょっと泣いちゃったけど、しつこく絡むプレーに期待)、R21(今朝一番に現れて自主練したね、合宿からラグビーが好きになってきている)、R27(同じく自主練から目つきが違ってきたぞ。またフェイント、ステップ、トライだ)

茨木戦:キャプテンS14(前回茨木戦での自分自身にリベンジ!)、K16(特急なでしこの本当の走りを)、今日欠席の生徒(参加の可否不明)。茨木戦は運動会と重なって欠席者が多いため、5人が揃わない事態も想定されます。よってキャプテンに伊丹・吹田戦に出た生徒から自分のオプションで3人選べることにしました。

チーム発表の後、ラックとタックルの練習をしました。ラックでは、相手より早いオーバーとボールを蹴らずに残す練習として、1対1で向き合い、攻撃側が中腰でボールを両手で押さえている両腕に素早く当たり、両手から離れたボールをオーバーすることを横一列になって行いました。タックルでは、2チームに分かれ、縦一列に座っているタックラーのタックルをうけた際、リフト、ダウンボール(味方に近いところに手を伸ばして押さえておく)を行いました。試合ではリフトによる継続プレーが見られるでしょう。

最後に伊丹・吹田チームに分かれてミニゲームを行いましたが、一年生とは思えぬ激しいタックルが随所に見られ、締った内容でした。新人まさき君もゲームではルールがわからないながら元気よくボールに絡んでいました。

次なるMan of the Matchは誰か。金太郎飴秋味の新作に乞うご期待。運動会の生徒から、かけっこで一番の結果報告を楽しみにしています。