一年生、まず親を超えなさい!

先週の高槻ラグビー祭9連戦という厳しい試練を乗り越えた一年生は今日、ここまで逞しく育てていただいたお父さん・お母さんに感謝の意味を込め、タグラグビーを行いました。

今日は24名出席(1名欠席)と出席率が高い中、最初に先週途中で早引けのY17をMan of the Match賞として表彰しました。この他、ワイルドナイツ・セレクトの主将を務めたS6に、高槻戦について、できたこと、できなかったこと、ワイルドナイツ・プレミアの試合を見て気付いたこと(下のボールを早く取っていた点)を描いたマインドマップについて説明して貰いました。パナソニックのエスコートキッズを務めてから一層、気持が高ぶっている様子でした。これからの成長が楽しみです。次回のプレゼンはプレミアキャプテンのS10にお願いします。

タグラグビー前にウォーミングアップとして、「くっつき鬼」からスタートです。鬼一人対11人での追っかけっこで、鬼は2人ペアを作っている相手以外にタッチすれば交替できます。ペアになれず余った人はペアの横に立てば反対の端の人がペアから外に出ないといけないルールです。これはスリリングで生徒も楽しんでいました。次に「大車輪」。6人一組で車輪のように放射状に並んで座り、コーチが指名した列の最後尾の人が鬼となり、車輪の外側を回り、他の6人の最後尾にボールを置いて車輪の弧を一周します。ボールを置かれた列の6人は鬼の逃げた方向とは反対の後方を回って元の位置に戻ります。これでいちばん遅れた人が鬼になるルールです。これもドキドキ感を楽しめました。この他、とかげのしっぽ(3人が前の人の腰を捕まえて並び、前方の鬼が最後尾の人にタッチしたら交替)を行いました。

水休憩の後、大人と子供のリレー対決を行いました。ボールアップ&アンダー、ライト・レフトで競争です。流石に手の長さの違いで大人の勝利でした。しかし、その後の「ピラミッド」(ボールを前方に3M毎積み上げていくリレー)では、大人に勝ったチームも出ました。スピードでは既に負けていません。

さあいよいよタグの開始です。一年生は先週の4チームに分かれ、2コートでゲーム開始です。試合前、プレミアのR15は「勝てるわけない」と戦わずしてしょげていました。気持で受けてしまったプレミアは緒戦敗退。やはりストレス過多(?)の保護者はひとたびボールを持つと、ここぞとばかり我を忘れて本気モードで走り、一年生ではまだ無理かと思いました。ところが、次のセレクトは違いました。キャプテンを中心に果敢に縦攻撃を繰り返し、4回目のタグでトライに繋げていました。一年生はタグを取られても3秒ルール内でパスをすれば継続できるとわかりました。これは大きな収穫でした。この試合を見ていたプレミアも同じ戦法で強敵に挑み、今度は勝利を収めました。一年生はパスの意味がタグでわかったようです。

最後はフルコートで一年生24人と大人が対決しました。これは圧巻でした。この戦いでも一年生は攻撃を繰り返し勝利しました。

まさかこんな早くに親を超える日が来るとはコーチも意外でした。6年生くらいでいい勝負になるものなのですが。やはり一年生達はただものではないです。

発達心理学では、子供が大人になってから無意識に下す行動の8割強は親の物真似だそうです。つまり無意識での判断は親の刷り込みによるところが大部分を占めるようです。ほとんどの人が親を超えられないまま成人し、本当はもっとすごい潜在能力を秘めている本来の自分より低いセルフイメージで生きて行くようです。

しかし、今日親を超えた一年生は、さらに高いセルフイメージで行動し、いい結果が生まれるたびに、マインドを変え、自分の基準をより高いところに設定しなおす生き方ができるでしょう。

先週の高槻戦前、ある親子の対話も親を超えた生徒の一例でしょう。このエピソードはコーチにとって今年いちばんの「いい話」となりました。御父上に了解いただきましたのでここにご披露させていただきます。

父:「次は相手をやっつけような!」

息子:「お父さん、やっつけるという言い方はおかしい。勝ちたいとは思っているけど、やっつけたいなんて思っていない。」

この生徒は非常にモチベーションの高い生徒ですが、モチベーションにも二種類あります。建設的なモチベーションと制限的なモチベーションです。建設的なモチベーションは、「~したい」という気持から行動を起こし、制限的なモチベーションは、「~しなければならない」という気持で行動し、結果を楽しむために行動を起こすことはありません。彼は、「勝ちたい」という建設的なモチベーションで一生懸命プレーしていたんだと思い、感銘しました。一方で、コーチは「○○スクールをやっつけよう!」とこれまで何度も生徒に話していましたので猛省のしようもありません。これからやっつけるのは、野菜増し増し特盛りのつけめんだけにします。

これから筋肉痛が待っている保護者の皆様、本当にお疲れ様でした。来年3月に再戦の機会を設けます。お楽しみに。