今年いちばんの寒さとなりましたが、風の子一年生は元気よく2011年最後の試合を6勝3敗で締めくくることができました。4チーム編成四部作のコーチ採点として、生徒には全試合で獲得したトライ数の合計と同じ97点という合格点を与えたいと思います。春、ぴかぴかの一年生でデビューした彼らもこの8カ月近くで大きく成長し、ジャージー、パンツが様になって頼もしくなってきました。一年生として目標としてきたゴールが垣間見えた試合もありました。
はらぺこあおむし野武士軍団が奏でた四部作の発表会をここで簡単にオムニバス形式にてレビューしようと思います。
第一部:デラックス編(1勝1敗)
前回、八尾との2試合を制したデラックス軍は、島本を2試合とも制することができるかがポイントです。
1試合目:vs島本。8-4。Man of the Matchが2人出ました。一人目は、25人衆の取りを務めたR21。よく走りゲームを決めるトライをしました。春から首を長くして待った初受賞でしたので、サプライズは合宿でお世話になった留学生3人(フィジー、ブラジル、ケニア)が母国語で書いたメッセージ「おめでとう!」付き世界地図。これで社会科は得意科目になるね。そしてもう一人はY5。お兄ちゃんから「お情け」とまで揶揄された前回M.O.M.を今日はタックル賞(タックル4本とも成功)という副賞付きで堂々の受賞。これで鼻をあかせるね。前回に続いてキャプテンを務めたR27も落ち着いた采配でチームを引っ張りました。なでしこK16もピンチをタックルでよく凌ぎました。
2試合目:vs島本。6-7。Man of the Matchはまた2人出ました。一人目はY3。一試合目の先制トライなどに続いて、逆転トライ、タックルとここという局面に大活躍でした。二人目は、燃える闘志を内に秘めたH7。彼は試合に出たいというサインを示さない男ですが、ひとたびピッチに立てば、チームの要となって攻守で活躍します。今日もピンチをチャンスに変えるビッグゲインがありました。
第二部:アドバンス編(2勝)
ラグビーとは、針(ピン)の落ちる音も聞こえるとジョークで言われるボーリングと正反対のスポーツかと思わせる程、このメンバーはもの静かです。意図的に集めたわけではありません。どの生徒もトライの取れるプレイヤーに大きく成長しましたので、今日はトライ量産に期待がかかります。
1試合目:vs島本。17-5。Man of the Matchはこのチームでも2人出ました。一人目は、8本のトライで試合を決めたS1。そしてもう一人は自陣ゴール前の最後の砦として目の覚めるタックルを3本も成功したS25。試合後、観戦していた他の一年生が勝った要因について口を揃え、S25のタックルだと言っていました。その通りの活躍でした。
2試合目:vsさぬき。13-1。Man of the Matchはまたも2人出ました。一人目は、6本のトライでゲームを決めたY17(早引けでしたので、来週、賞状授与式行います)。そしてもう一人は4本のタックルで相手をなぎ倒したK12。一試合目で止めるべきところでタックルできていなかったことを指摘した次の試合で修正し結果を残すとはあっぱれでした。この他、T8がS1に繋げトライとなったパスは自宅での練習が奏功したものと思います。前回M.O.M初受賞のK20もジンクス通り、3本もトライを獲得。これからの活躍が益々楽しみになってきました。
第三部:セレクト編(1勝1敗)
五・六年生になれば遠征してお世話になるさぬきRSさんとの初対戦。近年高学年の強化が著しく、今のうちにウィニングカルチャーを定着させたい一戦に続き、高槻にどこまで食い下がり、プレミアにバトンを託せるかが鍵です。
1試合目:vsさぬき。18-1。Man of the Matchは、今朝の練習から気合いの入っていたM19。ピンチを防いだ激しい追いタックルと路地裏を饂飩のようにつるつるっと抜ける持ち前のアジリティでトライも量産しました。キャプテンS6、H9のタックル→トライのハーモニーもピカイチでした。S14もラックでのボールキープ力と前に出てタックルをする姿勢は見ていて安心感があります。
2試合目:vs高槻。6-19。Man of the Matchは、前半で目頭を熱くしていた主将でしたが、後半だけ見れば5-8と3点差まで詰め寄る貢献を随所で見せ、プレミアに最高のバトンタッチができました。
第四部:プレミア編(2勝1敗)
兵庫県下でも有数の強豪スクールとの初対戦。北摂おしとやかラグビーがどこまで通じるか。一方、同じ北摂でも大阪府下どこを探しても見つかりそうもない強敵高槻に4度目の挑戦。次に繋がる何かを得て越年したい天下分け目の合戦です。
1試合目:vs尼崎。9-6。Man of the Matchは、5本のトライ(2人をハンドオフで弾き飛ばしてのトライは大人顔負け)とどんなことをしてでも止めようした姿勢を高く評価しK4。R15も負けておらず、ショートサイドや中央突破を力強く抜ける走り、ピンチを確実に摘むタックル、さらにブレークダウンでのターンオーバーで活躍していました。
2試合目:vsとりみ。16-4。Man of the Matchは、後半終盤にタックルでお腹を痛打しH9と交替こそしましたが、1試合目から激しいタックルを繰り返しながらもガス欠することなくよく頑張りました。ここというときにチームメイトにはげましの声をかけキャプテンシーを見せるS10もトライ、タックルで頑張りました。
3試合目:vs高槻。4-8。Man of the Matchは、これまで着実に走力を身につけて来たH13。前半同点に追いつく貴重なトライを右隅にあげました(見過ごしたお父さんに見せてあげたかった)。彼にとっては未体験ゾーンの世界だったと思います。試合終了後初めて見せた悔し涙がこれからの成長に繋がるのは間違いなさそうです。この試合のハイライトは後半の激しい攻防戦でした。後半だけ見れば3-4。初めて1点差まで詰め寄った見ごたえ120%の試合でした。さぬきRSのレフリーもこれが一年生?と舌をまいていました。最後のR15の左サイド激走を2人がかりのタックル止めた相手も必死でした。
これまで数多くの試合を短期間に経験した中で、一年生は全員どこで切り取っても同じように高いパフォーマンスを発揮できるようになりました。25人全てが我がチームの財産です。そんな大所帯の一年生がこれから高めていかなければならないのは「戦略力」であると思います。航海に例えれば、戦略とは海図と言えます。海図がなければ航海などできるわけはありません。一年生もそろそろ海図を持つべき時期に差し掛かったようです。戦略には少なくとも3つの要素が含まれます。将来のあるべき姿(目指すべき目標)、現状の正しい認識、戦い方の明確化。生徒達はマインドマップで個人のめざすべき目標、現在の自分、これから強化していくことなどを描き始めました。これからはチームとして何を目指し、そのために今何が足りなくて、何をしないといけないのかをじっくり突きつめたいと思います。
来週は、保護者と生徒でタグラグビーを行い、激動の2011年を締めくくります。一年生の成長を肌で実感していただけることと思いますので、奮ってご参加ください。明日から軽い走り込みはお願いします。