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二年生のうちに知っておきたい『賢い身体バカな身体』

二週間練習が無かった間にすっかり季節が晩秋めいてきました。グランドへ向かう箕面の並木道が紅葉に変わり、落ち葉が風に舞っていました。しかし、季節が変わっても変わらないのは二年生の早出(24人出席)。今日も練習開始1時間前から集まったS6、Y5、K4、H9、R15、R27が黒ビブスを装着していました。40分程NZ式タッチラグビーで寒さをふっとばした後、ある色紙に寄せ書きを行いました。

練習開始の前に生徒を集め、宿題の自分の得意なことについて、ずっと飽きずに続けられるものという尺度で聞いてみました。「ずっと寝ていられる」(A11)とかゲーム、漫画というのもありましたが、「ラグビー(T18)」という回答もありました。コーチのようにずっと飽きずに続けてね。今週はゴールデン・オールディーズ・ワールド・フェスティバルという世界大会が日本で開催されました。元ジャパンの元木、大畑選手も参加するアジア初開催の一大イベントにコーチも選手として参加してきました。NZや豪州、アルゼンチン、ロシアなど世界中のラグビー選手と試合しアフターマッチファンクションでラグビー談義をするという楽しいひとときでした。参加者には35歳から80代現役プレーヤーまでおり、ラグビーはまさに生涯スポーツと実感しました。試合相手にいた70代のシドニー出身の選手にファンクションで聞いてみました。なぜそんなに元気かと。曰く、「ラグビーが好きだから、60年以上続けているよ」。

今日のテーマは前回の「続けられるもの」から派生して「流れ」。生徒に流れているものにはどんなものがあるか質問してみました。たくさん手が挙がります。誰もが「川!」と答え、他にはと聞いたところ、R15は間髪を容れず「桃!」。子供たちの自由な発想にコーチ一同大笑いしてしましました。(桃のようには流されない生き方で行こう!) では、身体の中で流れているものは?「血」、「血液(S25)」と期待通りの答えもあれば、尾籠ネタもありました(そうだね、『動的平衡』の福岡先生も人間の消化管は、いわば、ちくわの穴のようなものとおっしゃっているように流れているね)。血の流れが止まったら二年生もどうなるかよくわかっています。

では、ラグビーで流れが止まる時ってどんな時?S14から「相手にボールを取られた時」と即答が帰ってきます。じゃあ、流れを止めると負けちゃうね。優秀な二年生を前に「流れ」についてもっと突っ込んだ議論ができそうでしたが、冷えるといけないので流れを体感する練習からスタートしました。以前やったことのあるインパルス(電流)です。12人が手を繋ぎ円になって左隣の人の手を握り、信号を早く一周させる競争です。黒ビブスチームはどうもふざけて集中できていませんでした。流れが悪いと勝てないね。

稀代の麻雀勝負師と呼ばれる桜井章一氏は、古武術研究家の甲野善紀氏との対談で「流れ」の感覚が非常に大事とした上で次のように語っています。

「流れの中に起きてくるある動きや現象なんてものは、当然ながらそれだけで独立しているわけではないんですが、人の目や思考はそのひとつひとつにとらわれるんですね。だから、『ひとつやったらおしまい』みたいな人がたくさんいる。たとえば、『悪い、タバコくれる?』っていうと、タバコだけ持ってくる人もいるし、『タバコ』って言ったら、ライター持ってくる人もいるし、灰皿も持って来る完璧な人もいる。つまり、流れっていうのは、『ひとつやったらおしまい』の感覚だとそこで切れてしまうわけです。そういう人には流れは来ないし、流れをつかむこともできません。流れをつかんでいる人は、ひとつやったら次のことがもう始まっています。そういう感覚で、スッスッスッと連続していく。それが流れになるわけですが、日常をこの感覚でやっている人は身体の使い方も違ってくるんじゃないでしょうか。」

もう少しすれば中学年(三年生)になる二年生がこれからの練習で身につけたいのは、パスしておしまい、タックルできた、やったーで終わりではなくて、次にサポート、あるいはボールの獲得といった行動が自然にできるようになることです。そのためには、「流れ」を意識した練習が必要です。かといって、パスをやったら次フォローして、それから、こうして、、、といったマニュアルを叩き込むのではなく、賢い身体の使い方を学んで、身体自体のネットワークを総動員して次のプレーに自然に移行できるようになりたいと思います。スターウォーズのヨーダかブルース・リーではないですが、「考えるな。感じろ!」でしょうか。考えるほど迷いが生じ、選択肢が増えてきます。逆に感じる力(フォース)が強くなってくると、無駄な思考(バカな身体)はなくなってくる。その境地に至るまで60年あっても足りないかもしれませんが。。。

今日の練習は、まず体幹トレーニングで自分の身体の左右の筋力差などインバランスを体感して貰った上で、自分の軸(安定して力の入る場所)はどこなのかを感じる練習を行いました。ちょうど、ラグビーマガジン12月号にスキルアップ講座として掲載されていましたので参考にさせていただきました。ジャパンの練習を二年生もちゃんとできるのは、ラグビーあるいはスポーツというものは経験とか先入観がないほうが自然の動きができるということかもしれません。

翌日は、豊中ラグビーユニオン主催のタグラグビーがありました。市内の二、三年生数人も参加してくれて、初めてのラグビーボール、タグに最初は戸惑いながらも、ボールを持ったら自然に前進してナイスプレーを連発していました。これを機会にラグビーを初めて欲しいものです。もちろん我が二年生も四年生相手に引き分けという好勝負を観せてくれました。まさに流れのよいタグラグビーでした。タグをラグビーに活用できる点は、タグを取られた瞬間に次のプレーが始まっていることだと思います。既に二年生はわかっているから凄い!中学生も今日の試合は流れを感じさせる連続プレーで大勝でした。両二年生に癒された一日でした、ありがとう。

さあ、今年の目標まであと数回の練習となりました。試合数がたっぷり組まれています。全員が一つになって手強い相手にどこまでやれるか、思わず力んでしまいそうですが、力んでタメを作ったりせず、相手にこれからこう動くという予測を立てさせないことが重要です。魚の群れのように二年生が一斉にさっと動くような試合に期待したいと思います。

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4 thoughts on “二年生のうちに知っておきたい『賢い身体バカな身体』

  1. コーチの皆様、いつもありがとうございます。
    今回は顔を出せませんでしたし、このあともしばらく行けそうにもありません(>__<)
    なにはともあれ2年生達には感じる力がすごくあると思います。ますます伸ばしていって欲しいと思います。
    まずは花園での大暴れを期待!!(^_^)/

    • なぜか最初と最後だけになってしまい、間のコメントが全部飛んでしまいました。
      しんどいのでまた元気な時にコメントします(*^_^)

      • コメント、リベンジです!(^_^)
        コーチの皆様、いつもありがとうございます。
        今回は顔を出せませんでしたし、このあともしばらく行けそうにもありません(>_<)
        が、花園の試合は何があろうと参加したいと思います!(^^)v

        「流れるもの」=「桃」
        親としては笑っていていいものか相変わらずの変人ぶりを発揮しておりますが、笑いを狙っての答えだったのであれば褒めてやろうかと(^_^;)
        機会があれば何を思っての答えだったか聞いてみます(*^_^*)

        「感じろ!」
        最近学生に口うるさく言っている言葉です。
        「最近の・・・」という表現が正しいかどうかはおいておいて、感じるどころか、考えすらしていないのではという選手が多く見られます。言われたことを淡々とやって、ちょっと違う状況になるともう対応できない。
        「こういうときにはこうする」という基本はもちろんありますが、全く同じ状況などありえない。同じ練習メニューの中でも、毎回のセットで全く同じ状況になることはなく、その少しずつの違いを感じて対応していく。そして、その少しずつ違う状況への対応を経験値として蓄積していき、だんだんと感じると同時に瞬時に自然と反応できるようになっていく。そのためにあるのが練習。。。

        なにはともあれ2年生達には感じる力がすごくあると思います。この時期からこういった経験を重ねていけることは、かなりの経験値が蓄積されることでしょうし、感じる力もますます磨かれていくでしょう。 「感じる力×経験値」の相乗効果によりすごい選手たちに成長していくのが非常に楽しみです。

        まずは花園での大暴れを期待!!(^_^)/

        • R15父さん、

          投稿ご苦労さまでした。なんで部分削除されるんでしょうね。

          桃発言は彼らしく感じたまま口から飛び出していました。桃太郎の挿絵がひらめいたんでしょうね。ほんとうにナチュラルな感性ですぐにでもジェダイの騎士になれそうです。

          二年生の感じる力と経験値のシナジー効果は計り知れないものがありますね。ゴールデンエイジを間もなく迎える生徒たちには、とにかく沢山のメニューを用意して実際にやってみて貰おうと思っています。

          今週末は2日間も生徒たちと一緒にラグビーに打ち込めるので一層楽しみです。

          大学生たちもそろそろ練習の成果が現れると思いますよ。お互い焦らず指導して行きましょう!