カテゴリー: 校長ノート

豊中ラグビースクール・ウェイを考える

2017年4月 中村夫左央

今年も多くの皆さんとラグビーを楽しむ1年が始まります。豊中ラグビースクールでは、シンプルでイージーな(わかりやすい)ラグビーをめざしてがんばりましょう。シンプルでイージーなラグビーとはプレイしている皆さんやコーチだけでなく、応援している人・お父さんお母さんもおじいちゃんもおばあちゃんも、初めてラグビーを見る人でも楽しいと思えるラグビーです。

スクールの皆さんがおこなうラグビーは、ミニラグビー・ジュニアラグビーといって、テレビに映るラグビーとは規則が異なります。ケガをしないように規則が工夫されています。むしろぶつかり合いもある鬼ごっこやバスケットボールと考えるとそれに近いイメージです。7人制ラグビーにも似て、まさにシンプルでイージーです。

2015年のワールドカップと2016年のオリンピックで活躍したラグビー日本代表は、ラグビーファンを増やしました。それ以降、豊中ラグビースクールの体験会にも多くの皆さんがおいでになり、新入生が入ってきております。この豊中ラグビースクールでもさらにたくさんのお友だちが増えることを歓迎しています。皆さんもお友だちをたくさん誘って楽しく過ごしてください

生徒の皆さんは試合に負けないように上手になろうと思ってくださいね。いろいろな能力を磨かなくてはなりませんよ。小学校から中学校の時期には、神経系が発達する子供の間に、ラグビーを通していろいろな基礎的な運動能力をつけて欲しいと思っています。

パスの能力、キックの能力、走る能力、相手の隙間を見抜いて走り抜ける能力、相手を捕まえるために先回りする能力、動体視力、倒れそうで倒れないバランスを維持する能力が良くなることです。自分から倒れない、タックルされても上手にケガをしないように倒れる、タックルする時にも頭を打たないようにすることも大切です。力が強くなって、相手をなぎ倒したり、ひきずって前進することは大人のラグビーには必要となりますが、ミニやジュニアのころに体の大きさに頼ったプレイをすることはかえって将来行き詰ることもあります。倒れる前に、余裕をもってボールを柔軟に扱い、しっかりと心のこもったパスをつなぎ続けることが、この時期はもっと大切です。

しかしスクールは週に1回です。少し物足りない場合もあるかもしれません。すべてが週1回でできるとは思っていませんので、日頃の心がけも必要です。小さな柔らかいボールで良いので、マイボールを持って、毎日ボールを触る、お父さんやお母さん、友だちとキャッチボールすることも良いことです。電車やバスに乗ったときは、立ったまま倒れないようにするのも、時間外の練習です。幼稚園から中学校までラグビースクールの時間以外でも、走る練習をしたりして、上手になるためにできることはたくさんあります。

さらに、勉強もしっかりしましょう。強くなるためには、考える能力・工夫する能力・コーチのいうことを理解する能力も必要であります。チャレンジ力、実行力、反省力、そのうえ自分だけでなくチームメイト・仲間のことを考えることができる思いやりのある優しい心も必要になります。かならず「ラグビーノート」を作ってきっちり記録を残す習慣もつくってください。

この豊中ラグビースクールでは、ラグビーが好きになってもらうことがスタート地点ですが、その先にある心技体の備わった良い人間・社会に役立つ良いひとづくりをめざしたいと思っています。基本的には、生徒の皆さんの成長を期待し、本人と家族は体験し、指導員は心を砕いてそれを楽しむスクールだと思っています。この豊中ウェイを通してまわりの大人の方も友好を深め、人間的に成長することを望んでいます。

もともとラグビーは、本来世界一や日本一を目指そうと強さのみを競うスポーツではありませんでした。友好の篤いチームと、お互いに強くなり、その時の最高の力を出し合って、お互いの健闘を讃えあい、友好を深めるスポーツでした。ラグビーにはそういう歴史があることを知っておいていただければと思います。そしてこの豊中ラグビースクールは、トッププレイヤー育成を目指すのではなくて、交流試合・練習を通して生徒の皆さんが、ケガすることなく、お互いを高めあおうというオーソドックスなことを基本としていますので、保護者・指導員の皆様もご理解のうえご協力いただけますようお願いいたします。

今年1年 このスクールに関わる全ての皆さんが成長できますように、楽しみにしてます。

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