カテゴリー: '16-6年生チーム

四年生が今日から変わる『クリエイティブマインドセット』

暑さ寒さも彼岸までとは言うものの、30度超えは堪えました。そんな残暑厳しい中で四年生はラグビーゲームでの生死の海を渡って到達する悟りの世界(彼岸)が少し見えたようです。伝統の一戦が、チームに新たなマインドセット(人やチームの行動を決める考え方)を呼び起こしたよい試練となりました。

最古の定期戦は、6年生のクリエイティブなチームプレーでが印象的でした。フォワードの素早い集散とブレイクダウンでの高いマイボールキープ率、バックスの固いディフェンスは小さなフルバックの献身的なタックルから生まれていました。何よりも素晴らしかったのは皆声が出ていたこと。主任コーチが6年間言い続けたことがチームに浸透したのか。コーチ冥利につきる試合となったことでしょう。

一方、発展途上の四年生。朝これだけをやろうといった、「レフリーに君たちうるさすぎといわれるまで声を出す」、「オーバーで負けない」、「ふくらはぎを意識したタックル」のどれもできないまま茨木Aチームに完膚なきまで叩きのめされました。反対に真摯な姿勢でチーム一丸となってひたすらトライを目指す相手チームは素晴らしい戦いぶりでした。

第一試合 茨木A VS  チーム・テイカ―

マイボールキックオフからの相手カウンター攻撃をS25がタックルでタッチに押し出し、まずまずの出だしかと思いきや、自陣ゴール前からのK4キックが中央に位置する相手フルバックの胸に吸い込まれ逆襲トライ。消極的なキック策が裏目に出ました。さらに攻め込まれ1-2で折り返し。後半は、修正できたラックのオーバーでゲームキャプテンM19が抜け出しノーホイッスルトライ。ここで勢いに乗りたかったところながら、相手の波状攻撃に高いタックルで防戦していては相手の思う壺。アタックまで姿勢が高い悪い癖でゲインラインを一度も割れないままノーサイド(1-5)。

第二試合 茨木A VS チーム・ギバー

開始2分、3つのサインプレーの一つが決まりS6のトライで先制。献身的なチームプレーに定評あるY3が立て続けに2本のタックルでゴール死守。しかし4分、相手スクラムからモールを形成する相手にそのまま押し込まれ同点に。ここで、チームキャプテンS14が前に出ながらタックルを受けつつ練習通りのリフトしたボールをS6が好捕しトライし再逆転。7分もラックを連取しS6がトライし3-1で後半へ。今度は後半早々、相手フォワードの力強いオーバーからラック連取でふりだしに戻る苦しい立ち上がりで空気は完全に相手ペース。T18の激しさを増すタックルも相手の姿勢が低いことからハイタックルで何度もぺナライズされたのも力の差か。後半は1点も取れないまま3-6で試合終了のホイッスル。

第三試合 徳島 VS チーム・マッチャ―

まさかの2連敗という伝統の定期戦を終え、3タテは避けたい第三試合。なぜかゲームキャプテンY5は余裕の表情。相手ボールキックオフの前半、初選出のイメージキャプテンK35からY5に繋がったボールはK12へと渡りトライ。ここから勢いは最後まで続き、前半はS10、R26の連続トライ、間にH32がモールからボールを出すプレーもあり、ペナルティからM23が抜け出しトライで折り返し(4-0)。後半はまたもH32が右に抜けR26にパスが通りトライ。S10のトライの後は、相手ウィンガ―のタッチ際の快走を2度止められず、ここは反省点。点差関係なく止めるところは責任を持って止めることが大事。最後はR24の中央突破で7-2の本日初勝利。

第四試合 茨木B VS チーム・ギバー

 茨木さんはメンバーが入れ替わってもチームで基本プレーが徹底されており、前半は苦戦を強いられました。開始1分で早くもトライ献上。5分に漸くY17が左隅に飛び込んで同点後、ゲームキャプテンとして成長著しいT18がきっちり修正した地を這うタックルでこぼれた球をY17がトライし折り返し(2-1)。正午を回って漸くリズムを取り戻したかのように後半はトライのラッシュアワー。A11の力強さの増す縦突進からT18トライ、黄金のバックスラインT18→S6→R15のパス回しがもっと早い段階で見たかったトライ。T18のオフロードパスからS6トライ。R15、S6、T18トライでノーサイド(8-1)。K16は初めてのハーフ役をありのままでこなし、E28もブレイクダウンで縁の下の力持ちぶりを発揮しました(まだ上手い仲間に遠慮があるな)。今日はトライの無かったS1も倒れないことを目標によく頑張った。
第五試合 徳島 VS チーム・テイカ―
 第一試合の大敗から気を取り直して臨んだ最終試合。やはり最初のトライは小さな巨人M19から。しかし、2分に簡単に抜かれ同点に。悪い空気を浄化させたのは、チームキャプテンK4。S25がモールからもぎ取ったボールを受けゴールに一目散。H13もシエスタからのお目覚めトライ。最後もK4の空クロスからのトライで折り返し(4-1)。後半もM19のトライから、今日は怪我が気になっているのか元気のないJ22がやっとトライでチームに貢献。S25のトライの後、締めはJ22のトライで本日全日程終了。(8-3)
解散前のコーチ陣からのコメントで、コーチが全員思っていることとして、仲間のプレーへのフォローが少ないという点と、試合に出ていない生徒の態度が強いチームとは違うという点の指摘がありました。
「全世界は、一つのとるに足りない例外を除いて、他者で成り立っていることを忘れてはならない」とは米国元上院・下院議員の言葉とか。先週の本でも、「自分の利益を大きくするために、ほかの人から知力、エネルギー、能力を奪うテイカ―に対し、自分の知力を使ってほかの人々の知性や能力を増幅して、ひらめきを引き起こし、アイデアを生み出し、問題を解決させるギバーが成功に影響を及ぼすといいます。
表題の本でも、「自分は周囲の世界を変えられる」と信じている人の方が、目標を実現できる可能性が高く、こういう確信を持つ人々は、そうでない人と比べて、目標が高く、懸命に努力をし、失敗しても立ち直りが早いと力説しています。
伝統の定期戦を終え、これではいけない、今日から、自分中心の世界を離脱し、他者志向性の中で生きる生き方に変えなくてはと思った生徒は少なからずいると思います。「自分は周囲の世界を変えられる」と信じること、すなわち自分の創造力を信じることこそが、変化していくために今必要なことではないかと痛感させられた定期戦となりました。
失敗に対する恐怖は、あらゆるスキルを学んだり、リスクを冒したり、新しい課題に挑戦したりする妨げになる。創造力に対する自信を手に入れるには、失敗に対する恐怖を克服する必要がある。確かにボールは落とすし、間違いは犯すし、1回や2回は方向性を誤ることもあるだろう。しかし、それも学習のうちだと認められるようになる。そうすることで、たとえ失敗しても前に進んでいるという自信を保つことができるのだ。(トム・ケリー&デイヴィッド・ケリー著『クリエイティブマインドセット』)
 
 
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