カテゴリー: '16-6年生チーム

三年生の『負けかたの極意』

晴男チームキャプテン二人のおかげか、心配された雨もほんの少しぱらついただけの曇天となり、広大な施設の人工芝でスケジュール通り堺RSさんとの交流戦が無事終了しました。戦績は5勝1敗。生徒達28人はそれぞれの持ち場でオールアウトできたようです。幼年から全く歯が立たなかったスクールさんにも初めて1勝をあげることができました。明暗を分けた6試合を振り返ってみたいと思います。

第一試合:アナキン・スカイウォーカーズ(Y5、H6、K8、H9、H13、S14、S25)vs高槻RS

強豪の強さを初めて体験した生徒もいましたが、その生徒の中でS25が果敢に前に出ます。ハイタックルこそ取られましたが、前に出るという気持ちの伝わるプレーでした。スクラムハーフとしてバックスに伸びのあるボールも供給できていました(MOM)。フォワードはキックオフ後のラックではオーバーができていましたが、相手の猛攻に徐々に高くなり、何度もターンオーバーされました。前半は1分毎にトライを奪われるような勢いで0-9。後半も同じメンバーで臨み巻き返しを図りましたが、K8の負傷退場(J22に交替)、さらにはチームキャプテンH13が目を叩かれたのか自ら白旗をあげ、K20が威勢良く交替。そんな中、H9が自陣から抜け出て相手ゴール前まで大きくゲイン(MOM)。1点が欲しいところでしたが、堅いディフェンスに阻まれ0-15と痛恨の零封負け。チーム名が良くなかったか、初戦から暗黒面へまっしぐら。

第二試合:レッドドラゴンズ(S1、T2、S10、R15、Y17、T18、M19、J22)vs堺RS

堺さんは6名参加のため前後半各1名(前半はゲームキャプテンR21、後半はチームキャプテンH7)を加えてキックオフ。開始30秒、1分と立て続けにゲームキャプテンT18、チームキャプテンR15が巧みなステップでトライ連取。3分にはY17がトライ。Y17は大きい相手に果敢に低いタックルを決めたり、タックルを受けた後のロングプレイスがよくできていた他、ラックのオーバーも力強く、GCが決めたフライハーフのポジションもそつなくこなしていました(MOM)。S10、T2、M19と6人違う選手がトライという偶然が生まれ、あとはS1というところで、3分早くハーフタイムの笛。全員トライという珍記録ならず残念でした(7-0)。後半はS1に代わってJ22登場。3分・5分にトライを決めるなど猛攻はさらに激しさを増して16-0でフルタイム。切れ味鋭いステップでの3トライだけでなく、イーブンボールへの働きかけが早かったT2がMOM受賞。

第三試合:ルーク・スカイウォーカーズ(前半Y3、K4、H7、A11、M23、R24、K27。後半K16、K20、R21、R26、H29、T30)vs八尾RS

開始1分、相手にトライを献上後、K4がカウンターの2連続トライで逆転。しかし、スクラムサイドをスピード感ある走りでトライした相手エースに同点とされ重苦しい空気が立ち込める中、均衡を破ったのは初めてのゲームキャプテン指名を受け思うところがあった様子のA11。大股で2トライをがっぽがっぽ(MOM)。相手の巨漢FWDコンビに3トライされながらも同点で後半メンバーにバトンタッチ。後半はK4が2トライの活躍で再逆転。R21のキックオフでのドロップゴール(言われなくても練習してきたのは流石ゲームキャプテンの自覚!)もばっちり。2点差ながら追い込まれ苦しい展開の中盤、K16は男の子をちぎっては投げ、ちぎっては投げの大活躍。新人ラガールH29に身をもってラグビーのタックルを実技指導していました(WOM)。H29は飛んで来たボールを初キャッチし相手の猛攻によく耐えモールパイルアップで抑えることができました。その後のラックではノットリリースザボールを取られ、モールとラックの違いがわかったことでしょう。また日記に書いて来るかな。R26は相手を引きつけてK4にラストパスができました。終盤は、GCのR21が40M独走、K20も50M独走で連続トライ(二人ともスライディングが決まっていました)しノーサイド(11-6)。

第四試合:レッドドラゴンズvs高槻RS

試合前から円陣を組んで入念に意思疎通を図り、アナキンチームが大敗した相手に再挑戦です。開始3分までに相手エースの2連続トライで苦しい立ち上がりでしたが、相手の2連続ペナルティから執拗な縦攻撃でS10が飛び込んでトライ。ここから我慢のラグビーが4分近く続きます。自陣ゴール前のピンチを何度も凌いでゴールを全員で死守。8分、わずかな隙をついてS10(MOM)がY17にオフロードパスでゴール前の呪縛から解かれ、最後はノリノリのJ22が右隅に飛び込んで同点トライし、後半に望みを託します(2-2)。後半は、体調不良の中T18が出場志願。その男意気を買って行けるところまで行ってみろとばかり送り出しました。3分、ゲームキャプテンが飛び出し、S10にパスし、これまでの対戦で初めての逆転トライに成功。ノリノリ君J22が中央突破で鷲掴みトライしたところで、「もしや」の思いが浮かびます。しかし、相手エースのトライで1点差まで詰め寄られたラスト3分はどちらが勝ってもおかしくない戦況でした。レフリーも含め見ている大人たちがワクワクしたんではないでしょうか。勝ち負けを通り越したボールの見えるわかりやすいラグビー。そんな名勝負は小さな巨人M19のトライ(果敢なタックルも含めMOM)により5-3で高らかなホイッスル。ウェールズ来日を記念する大勝利でした。

第五試合:ルークスカイウォーカーズvs堺RS

八尾RSさんに勝った前回からメンバー構成を入れ替えて前後半を戦いました。ゲームキャプテンA11がタックルを見せるも2トライを早々に奪われる苦しい立ち上がりでしたが、救世主かもしれない新人K27のタックルで流れが変わったか、A11のオフロードパスがK4に繋がりトライ。A11はさらに相手ラックのボールをターンオーバーしK4が同点トライ。R21が猛追しタックルを敢行するも逆転トライ献上。ここで引き下がらないのがゲームキャプテンR21(MOM。今思えば前半に二人ゲームキャプテンがいました)。ラックでボールを味方に見せてK4(MOM)の同点トライに繋げました(3-3)。後半2分、相手の逆転トライの後、新人T30の負傷退場のアクシデントでM23が交替し、劣勢を翻すトライで追いつき、最後はR21のトライラインを越え6-5でノーサイド。

第六試合:アナキンスカイウォーカーズvs堺RS

 第一試合は「死んだふり」だったのかと思わせるような各個人スキルを十二分に発揮した最終試合となりました。相手チームには前半イメージキャプテンJ22、後半はチームキャプテンを派遣したので、タイトな試合が予想されましたが、前半はJ22を振り切る連続トライで7-2(2点はJ22のトライ)。後半もタックルでは定評のあるR15を巧みなステップワークで抜き去りK8がトライ(MOM)。自陣ゴール前マイボールスクラムでは、フライハーフS14がウィングに目配せし何かを企んでいる様子。なんと、スーパーラグビーの見過ぎか、ウィングに向かってキックパスを敢行。それがまたいいところに飛んでいくからあわやキャッチして独走トライかと思わせました。アイコンタクトでできてしまう三年生おそるべしです。最後はS25までR15をフェイントパスで抜き去りトライ。続々と金太郎飴が量産された長い一日が終わりました。第一試合の大敗を払拭する各個人のスキルをもって、ダークサイド(暗黒面)に誘われることなくアナキン軍団は、銀河帝国から反乱同盟軍に転向できました。
南海が「死んだふり」と揶揄されながらも1973年プロ野球パ・リーグプレーオフで優勝したことは、当時V9巨人に勝るとも劣らないと言われた最強軍団阪急の牙城をいかに崩すかを綿密な計画で実現した一例でしょう。当時の野村監督が最近著した本にその秘策は事細かく説明されています。野村監督がプレーオフで立てた戦略は「二戦重視」。
「戦力で劣るチームは、三連勝あるいは四連勝を狙っては絶対に勝てない。負けをうまく利用しながら、足りない戦力を有効かつ最大限に活用していく必要が生じるわけである。(中略)二戦重視の理由は、第一に、初戦は相手の手の内を探り、各バッターやピッチャーの情報を得ることに費やすためだ。」
野村監督は、最近のスポーツ指導者が「負けよりも、勝つことから得るものの方が多い」という考え方に一石を投じています。勝つことで自信が生まれるというのは非常に大切なこととしながら、だからといって敗因を分析せず、修正もしなければ、同じ失敗を繰り返すことになると。監督の「勝ちに不思議の勝ちあり、負けに不思議の負けなし」の名文句は、負けには、必ず負けにいたった理由があり、たとえ偶然や不運のように見えても、突き詰めれば必ずそれを招いた原因があるはずなのだという野村流「敗北力*」の考え方を端的に表しています。
今日の大勝利はもう済んだこと。相手は今日の敗因を分析してさらに強いチームになることでしょう。わが豊中三年生も決して奢ることなく、「小事が大事を生む」練習をこころがけて行きたいものです。
*敗北力=つねに最悪の状況を想定し、そういう事態に陥らないためにどうするか、さらにそうなったときにはどうするかという「そなえ」―ただ漠然と毎日を過ごすのではなく、あらかじめ感じ(予感)、あらかじめ想い(予想)、あらかじめ測り(予測)、あらかじめ防ぐ(予防)という姿勢を怠らない心構えを持つと同時に、負けや失敗から学び、それを勝ちや成功につなげる力

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三年生の『負けかたの極意』” への7件のコメント

  1. コーチの皆様、保護者の皆様、中途半端な天候の中お疲れ様でした。
    雨に油断して日焼け止め対策を忘れエライことになってしまいました(^_^;)

    昨日はほぼ全メンバーのプレーを見ることができ、久々にプレーを見るメンバーもいましたが、今までに見られなかった個人技や連携プレーなどが多数出てきていて誰ということなく全員が着実に成長しているなぁと感じました。本当にこの先楽しみだらけの金太郎飴軍団ですね(^_^)

    念願の大勝利にTCを務めさせていただいたR15ですが、表現がヘタなのかTCの重責(感じてた??)から解放された安堵感なのか分かりませんが、なにか喜びを爆発させないイマイチの反応だったような気が;^_^)(心の中ではごっつ喜んでる??)
    オヤジもビデオカメラを通してのため臨場感が半減。。。
    我が家で一番興奮していたのは母だったようです(*^^*)

    試合が終わりレッドドラゴンズのメンバーが「なんで(アナキン・スカイウォーカーズが)負けたのに俺らが勝てたんやろ?」と口々に言っていたようです。
    正直一つ一つのプレーを比べるとまだまだ差があるのは一目瞭然ですが、初戦の大勝と開始早々の連続トライで少なからず油断した相手チームとリベンジを誓い必死に食らいつくチームとの「その試合における気持ち・必死さ」の差がこの結果を生んだのかなぁと思います。相手チームのコーチも(たまたま横にいました)「前に出る気持ちが足りなかったんじゃないか」とおっしゃっておられましたが、気持ちの持ちようひとつで展開がガラッと変わるのもラグビー(スポーツ)の面白いところですね。
    あくまで個人的な見解ですので不適切な表現がございましたらご容赦ください。

    なにはともあれ3年生にしてこんなことを経験、体現できる子供たちがたくましく感じるとともに羨ましくてたまらないオヤジです(^_^;)
    DVD鑑賞会盛り上がりましょう!!(*^o^*)

    • R15父さん、
      TCの重責を見事に果たしましたね。TC自らよく前に出てプレッシャーをかけていました。何をしないといけないかを感じながらプレーしていました。影のMOMでした。本人はおそらくもっとできたのにという思いがあったのかもしれませんね。

      初戦と第二戦では、おっしゃる通り、必死さの違いを感じました。相手も同じ条件と言いながらも、初戦は熱中症対策指導の話が伸びてほとんどアップができず、受身のまま終わってしまったのが残念でした。試合前の持って行き方も大事ですね。

      三年生でこのような素晴らしい好敵手に恵まれ、何度も対戦でき、お互いを高められるという環境が有難いです。合宿で特に心の部分を鍛え上げて秋の再戦に臨みたいと思います。

  2. ご関係の皆さま、先週末の堺RSとの交流戦で は大変お疲れさまでした。 特に、天候の行方が読めない中、さりげなく 屋根の下の特等席を押さえてくださった、お 世話係のT18お父様はじめ保護者の皆さま、 本当にありがとうございましたm(__)m
    さて、今回は何と言っても、レッドドラゴンズの活躍ぶりに目を見張りました!
    あまりにも突然に「勝ち」はやって来たように見えますが、コーチの皆さまの日々の用意周到なご指導があってこそだと思っております。
    息子S25は、若き日のアナキン・スカイ ウォーカーのようなジュダイ最強の戦いっぷりとまではいきませんでしたが、いつもより少しだけ 「前に出るという気持ちの伝わるプレー」を披露できたおかげで、ありがたくも第1戦のMOMをちょうだいすることができました。
    ラグビーにおける「前に出る」ということは、まさに「言うは易く行うは難し」の典型でしょうが、少しずつでも意識を高めていけるよ
    う、S25を鼓舞し続けようと思います。
    と書きつつ、今週末土曜日の練習には、父は参加できません…。

    • S25父さん、
      開始早々目を見張る気持の入ったプレーでした。堂々のMOM受賞です。本当に行うは難しですが、あの気持を試合中のインプレーの間、維持し続けて欲しいですね。あとは、考え方(固定観念)を変えるだけだと思います。もう立派なジェダイ、いやラガーマンに成長しています。幼年からラグビーをしている仲間とは違うんだという思い込みさえ変えれば。ヨーダも、小石と戦闘機の機体を動かすのとは全然違うと言い訳をするルークにこう言ってましたね。

      No! No different! Only different in your mind. You must unlearn what you have learned.(いいや、違わんぞ!おまえの心の中で違うと思い込んでいるだけだ。思い込みなど捨てるのじゃ)

  3. コーチの皆様、保護者の皆様、先日の堺RSとの交流戦お疲れ様でした。我が息子も高槻戦大敗という貴重な体験から改めて何が足りないかを振り返る良いきっかけに成りました。息子もこの悔しさを忘れずに今まで以上に頑張るそうなので、今後も厳しい御指導の程宜しくお願い致します。

    • S6父さん、
      スポーツの恐ろしさは常に結果がそこに存在することです。試合をすれば、勝つか負けるか、ディフェンダーを抜けるか抜けないか、タックルで止められるか止められないか、走れば早いか遅いか、これらの結果に言い訳できる選択肢はほとんどなく、できたかできなかったという厳しい現実を自分に突きつけられ、白日の下に晒される宿命にあるのがスポーツ、特にラグビーは高みを目指せば目指すほど、結果への評価は厳しくなります。
      息子さんは厳しい現実に対して、決して調子が悪かったとか、メンバーに恵まれなかったという安易な理由付けをせず、自分自身の足りない部分を考える機会としたことが彼のスポーツマンとしての強さだと改めて思いました。結果そのものよりも、その結果をどう捉えるかこそが今後の勝負の分かれ目になるでしょう。さらに情熱を持ってラグビーに取り組んで欲しいと思っています。
      荒川静香は金メダルを獲得する技すべてをマスターするのに19年かかったそうです。金メダルをとるまでに少なくとも2万回も容赦なく冷たい水面に尻餅をついたと言われています。彼のラグビー人生はまだ始まったばかりです。コーチも、彼の試合になったら「できない」を「できた」に変える練習を考えていきます。
      「スケートを対象とした研究で、一流選手でない人たちは自分がすでに「できる」ジャンプに多くの時間をつぎ込んでいることがわかった。一方、トップレベルの選手は自分が「できない」ジャンプにより多くの時間を費やしていた」(『究極の鍛錬』ジョフ・コルヴァン)