カテゴリー: '16-6年生チーム

未来をつくる四年生の『シンクロニシティ』

参加生徒31人全員(1人病気で応援、3人欠席)で挑んだ初めてのチャンピオンシップ。A1、A2ともに準優勝という結果もさることながら、チームが一つになろうとしていることをひしひしと感じることのできた貴重な大会となりました。

天気は昨年の降雨となった大会とはうって変って汗ばむほどの快晴に恵まれ、季節外れの熱中症が懸念されるほどの大会となりました。気候だけでなく、SMBC日本シリーズより熱いゲームの連続でした。

早朝の試合に弱いと定評のわが軍が初顔合わせの交野RSさんにどういうラグビーができるのか、コーチは生徒の思うようにプレーするよう送り出しました。

結果はA2の前半チームが5-1と最高のバトンを後半のメンバーに渡し、後半の総入れ替えしたメンバーが3-1でゴールするというジンクスを破る結果となりました。これまでの試合との違いはパスを連続して繋ぐプレーが出てきたことです。H13→R15→K20と繋がったパスはK20の怪我からの復帰戦を飾る目の覚めるトライでした。今日提出を受けた彼のノートには、「予想する」という意味がわかったと書いてあり、それを具現化したようなトライでした。これを呼び水にK4→R15→A11→Y5と小気味よいパスが繋がったトライを生み、マイボールスクラムから供給されたボールを持ってインゴールに鋭く飛び込んだゲームキャプテンR15や、相手キックを好捕しカウンタートライしたチームキャプテンK4、そして体重を活かして1試合複数トライしたY5のプレーに繋がりました。後半は、小刻みなパスで相手陣深くまで攻め込み、流麗そのもののステップでトライしたY3、ペナルティからの頭脳プレーでトライしたS10、彼のオフロードパスからトライしたY3と経験豊富なメンバーが目立ちますが、T30、D34などスターティングオーダーに名前を連ねるエマージング勢力も活躍していたのが印象的でした。

2試合目は、A1の初戦で、これも初顔合わせとなる東生野RSさんとの対戦でしたが、ふたを開けて見れば、ハーフウェイラインを一度も跨がせず、13-0で準決勝に駒を進めました。この試合も成長著しいR26のエッジの効いたトライを皮切りに、S6、Y17、T2、H9、J22、T18などほぼ全員トライとなった試合でした。

2試合目をクリアーしたA1に待つは準決勝の対戦相手高槻RSさん。幼年から毎年試合を重ね、お互いの手のうちを知り尽くした北摂ダービーで箕面RSさんを倒して勝ち上がり、また北摂のライバルと対戦とは因果なめぐり合わせです。

高槻さんキックオフで始まった1年ぶりの対戦。1勝9敗くらい負けの込んでいる相手に現状のベストメンバーがどこまでできるのかに注目が集まります。今大会は最初にトライする生徒が勝敗の鍵を握っているような感があり、その感覚通り、T18が思いの丈をすべて振り絞るかのようなノーホイッスルトライを敢行。しかし、相手もノーホイッスルのカウンタートライですぐさま同点とし、5分のウォーターブレイクまで息のつまる攻防が繰り広げられました。水分補給で息を先に吹き返したのはわが軍。全員で繋いだ怒涛の攻撃でS6が逆転トライ。さらにS6は前半終了間際にインゴールに飛び込み3-1で折り返し。後半は、数日前に高熱を出し、フラフラの状態で現れたJ22がコーチの休戦勧告を押しきって参戦してくれました。そんなFor the Teamの気持ちが伝染したかのように開始早々、小さな巨人M19が相手ノックオンのアドバンテージを突いて貴重な追加点を加点。しかし、ここから本領を発揮するのは、生徒が恐さを熟知する相手チーム。狙いすましたインターセプト、一瞬の隙を見逃さないプレー、で1点差まで追い上げます。残り2分を切ったところで先にトライした方が勝つであろう重苦しい空気の中、やはり最後はこの生徒。サッカーと掛け持ちでなかなか練習に参加できないながら、ラグビーノートは欠かさないH9。その名の通り、チームに光明を指すかのように右隅に飛び込んだシーンには鳥肌が立ちました。本人も試合後感動のあまり泣き出すほどのビッグプレーが勝敗を分けました。5-4。

ある意味、負け犬状態だった生徒たちに勇気を与えたのが、A2の生徒達。わがまま勝手し放題の生徒たちが眼前に展開している魂のぶつかり合いに共感し、大きな声で応援しているではないですか。

この光景で思い出したのは、表題の本。シンクロニシティ(二つ以上の出来事が重要な意味を持って同時に起こること)。この本の筆者は、一見偶然に思えるそうした経験がどうすればチームの中で「集団的に」起こるか、ということを生涯かけて研究したジョセフ・ジャウォースキー氏。氏はNBL(北米バスケットボールリーグ)の元コーチからこんな「一体となる感覚」を引き出しています。

試合はしょっちゅうヒートアップして、体力勝負とか精神力勝負というより、神憑り的な試合になったものだ。その感覚は説明するのはとても難しいし、プレーしているころに話したことは一度もない。ただ、その感覚が生まれると、自分のプレーが新しい段階にレベルアップするのを感じた。めったに生まれるものではなかったが、一度生まれると五分からクォーターの間ずっと、あるいはそれ以上続いた。その感覚は、自分や他の選手だけではなく、相手チームの選手や審判までをも包み込んだ。その特別なレベルになると、ふしぎなことがいろいろ起きた。試合は白熱して激しく競い合っているのに、なぜか負けてたまるかという気持ちにならなかった。それ自体、ふしぎなことだ。全力を尽くし、声を限りに叫び、みんなと走っているのに、苦しさもまるで感じなかった。試合は展開が速く、どのフェイクもカットもパスも実にみごとなものなのに、どんなプレーも俺を驚かせることはできなかった。なんだかスローモーションでプレーしているような感じだった。(中略)現役の時、感動したりうれしかったりしたことは何度もあったが、背筋がゾクゾクしたのはそういう特別なレベルにあるときだった。

対戦相手に感謝したくなる素晴らしい一戦を終え、A1、A2ともに決勝戦へと向かいます。先にA2がOTJさんと対戦。大柄の相手にゲームキャプテンR15が奮闘し先制しましたが、次が出ないまま、2トライを献上して無念の惜敗(1-2)。

A2の試合にシンクロするかのようにA1も二度目の対戦となる東大阪RSさんに前半はなすすべものなく6点を献上。さらに負傷者続出で、H6は全治2か月の骨折との診断の報が先ほど入りました。後半はゲームキャプテンも怪我で欠きながらも、必死のディフェンスでトライラインを死守しました。後半の戦いこそ、あと2年で完成させたいチームのあるべき未来だったと思います。一つの巨大な壁を壊し、また新たな壁をこの2年で突き破る目標のようなものがおぼろげながら見えてきました。ノーサイド後、生徒の労をねぎらいつつ、今日だけは封印して久しいマンオブザマッチを生徒に発表しました。その生徒は途中から仲間入りして、今ではチームになくてはならない存在にまで急成長したR26。どんな激しいインパクトにも痛がる様子も見せず、ボールを受けたら果敢にゲインしようとするフィールド上の姿と、今、コーチの眼下に紅潮して汗をかいている本人がシンクロし、彼のどんなプレーが素晴らしかったかを説明しようとしたときに図らずも落涙してしまいました。半世紀生きてこんな経験は初めてでした。

涙をぬぐい、生徒たちには、これから君たちはコーチがいなくても自分たちで未来を切り拓ける、と確信に近い話をしました。どうやらコーチの役目もこのあたりで用済みの時期を迎えたようです。

あなたのところに集まってくる人々は、あなたが一心に取り組むことに関してまさに必要となる人たちだ。そうした人たちがやってくると、いくつもの扉がひらき、流れが生じる。そしてあなたは、人々がおそらくはそれと気づかないまま一致団結した場で、自分が行動しているのがわかるようになる。あなたはもはや単独ではなく、「つながり合う恵み豊かな秩序」を源として行動するようになる。この段階にいたると、あなたの人生には「予測される奇跡」が次から次へと起こるようになる。(ジョセフ・ジャウォースキー『シンクロニシティ』)

 


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未来をつくる四年生の『シンクロニシティ』” への8件のコメント

  1. Fukushimaさん始めコーチの皆さん、日曜日はTRS4年生の長い1日を、熱くご指導いただいたことに感謝いたします。

    今回の大会で最も嬉しかったのは、高槻RSさんとの試合のときに、生徒たちの応援が、今まで見たことのないくらいに一生懸命だったこと。

    それに尽きました。

    本人にはそんなことは言いませんが、息子S25がどうだったとか、どうでもよくなってしまいました(苦笑)。

    あとは、S6君とT18君の怪我からの早期の回復を、祈るばかりです。

    • S25父さん
      日曜日は長時間撮影などお疲れ様でした。
      おっしゃる通り、あの魂のぶつかり合いを目の当たりにすれば誰でも結果なんてどうでもよくなりますね。これまで何百試合を観てきましたが、あの高槻戦は間違いなく人生のベストゲームでした。S25、R26のような成長株がこれからも次々と現れ、巨大なA1チームになりそうです。
      闘将T18も全治1ヶ月と伺いました。一日も早い回復を祈るばかりです。チームの二本柱が一時休戦の中、今こそ、俺、私がやってやる!魂を見せる良い切っ掛けに転じて欲しいものです。

  2. コーチの皆様いつもお世話になります。久しぶりに4年生の試合を見させていただき、夕方の2試合だけ出したが、楽しく見せていただきました。それぞれに成長した姿を見て大変嬉しく思いました。最終戦の東大阪戦ですが、福島コーチのレポートの通り、あと二年で十分に追いつくと、見ていて感じました。豊中4年生のスタイルを持って前進していければ必ず追いつきいい試合を見させてくれると確信しました。今後も彼ら、彼女達の成長を楽しみに観戦させていただきます。よろしくお願いします。

    • H9父さん、
      コーチしながら応援いただきありがとうございました。私も同じ印象です。高槻さんの背中はとてつもなく遠かったですが、新たなターゲットは豊中スタイルを進化させれば決して遠くないでしょう。すでに燃えたぎっている生徒もいるようです。
      H9はほんと持っている男ですね。どちらのフットボールを選択するにしても、あとはもっと自信を持たせてあげてください。

  3. いつもありがとうございます!
    今回は、法事で残念ながら欠席でしたが、読んでいるだけで、もの凄く伝わってくるものがありました。
    高槻戦に勝ったことをK16に伝えると、”すごい!”と喜んでいました^^
    怪我人の1日も早い復帰を待ちつつ、チームが前進していくことを祈っております!

    • K16父さん
      お嬢さんに仲間たちの勇姿を観て欲しかったですよ。是非DVDを観せてあげて下さい。
      次回の大会ではヒロインの活躍に期待しています。

  4. コーチの皆様、いつもご指導いただき本当にありがとうございます。
    福島コーチのコメントをいつも楽しく拝見しており、子供との接し方に役立たせていただいております。

    入校し、約半年が過ぎましたが、本試合はいろいろな意味で非常に感銘を受けました。私はラグビーまったくの未経験者ですが、自分自身が部活動で四苦八苦、しかし、猛烈に燃えて過ごしていたころを思い出していました。常々、“勇気をもって最後まであきらめずにきちんと生きること!”、“何事も自身で考えて進められるようになること!”を基本に置かせ、ラグビーは、初めて彼がやってみたい!(いまだになぜラグビーにしたのかはわかっていませんが。。。。。)ということではじめさせました。

    常に、今日は何をチャレンジするのか?という、大人でも難しい質問をするようにしていますが、競技場に向かう電車の中でK35と以下の会話をしました。

    父:今日はどんなことをチャレンジするんや?

    K35:う~~~ん~~~~。(一駅くらい過ぎて)3つ頑張ろうと考えているよ。1つめ、なぜかはわからないけど今日はすごく緊張しているんだよ。たぶん、今日の試合はみんなも緊張していると思うので、試合前みんなの気持ちをリラックスできるようがんばる!2つめ、試合に出られたら、1回でも多くボールに触れるようにがんばる!!3つめ、相手に点を取られたら、チームの元気がなくなるので、それを盛り上げるよう頑張る!!!

    父:いい目標だと思うよ!がんばりや!!!!

    運動があまり得意でない彼は、もがきながら彼なりに何かを考え行動していると感じており、彼の練習、試合中、試合の合間、仲間を応援する際、を見ていると、確かに自身で何かをつかもうとしている様子がうかがえ、少しずつ変わってきているのが、みられるようになってきました。

    解散後の帰路において

    父:今日はどうやった?

    K35:活躍はできなかったけど、3つの目標は、それぞれ、80点、0点(やっぱりかあ)、100点だった。(彼が一番強く言っていたのは、)ボールに触れない理由がわかった!今まではぶつかるのが怖かったけど、今回はそういう問題ではなく、みんなが動いてから僕が動いているので、触れないんだと思う。なんでかわからんけど、そんなことになっているんだよなあ。。。

    翌日、彼はラグビーノートを開き、ファンダメンタル、スキル、マネージメントというコーチのコメントをみて、ストレッチを毎日はじめだしているようです。何日続くかわかりませんが、今日まで毎日行っているようです。

    自身で考え、1つでも多くの事をつかんでくれること。勇気をもって生きていくこと。を応援しながら、また、日曜日の練習と翌日の試合を経験し、彼なりに前へ進んでくれればと思っています。

    • K35父さん
      初投稿ありがとうございます。
      ラグビーのゲームをご覧になられたことのない方にも何かを伝えられるチームになったことを嬉しく思います。
      息子さんにいちばん大切なことを教えていらっしゃり、彼はこれからしっかりした土台を作って大きなピラミッドを積み上げていくことでしょう。
      私の最後の教え子と言うにはおこがましいですが、彼の成長を遠くから見守りたいと思います。短い間でしたが、楽しい時間を共有できて感謝しています。