カテゴリー: '16-6年生チーム

二年生に向けて目指す「攻守にアクションするラグビー」

春の訪れを感じさせる暖かな日曜日の朝、一年生(24人出席!)はいつも以上に練習前から元気でした。いつも早くグランドに来ている生徒よりもM19が先に現れ、早起きできたことを一生懸命主張してくれました。来週は一年生最後の練習試合。先週、メンバー・キャプテンを発表すると言ったこともあり、皆自己アピールに一生懸命でした。11時にオーダーを発表し、それぞれのチームに分かれて勝ち残りのミニゲームを行いました。優勝チームは第一試合前半戦を、準優勝チームは第二試合の前半戦をそれぞれ飾ります。優勝・準優勝に惜しくも敗れたチームも今日の敵は明日の友です。きっと後半もガッツあふれる試合を披露してくれると期待しています。

第一試合前半:T2、S6、H9、S10(C)、R15、T18

第一試合後半:T8、A11、K12、K16、R21、J22(C)、M23

第二試合前半:K4、Y5、S14、Y17、M19(C/早起きは三文の得)、S25

第二試合後半:S1、Y3、H7、H13、K20(C/初)、R27

練習前に生徒を集め、2つの質問をしました。一つは「攻撃しているときに大事なことは何か?」、もう一つは「守っているときに大事なことは何か?」です。最初の問いに、たくさんの生徒の手が挙がりました。「アメフトや」(R15)と禅問答のような回答から始まり、「パスをする」(T18)とか「前に出る」(H9)といった答えがポンポンと返ってきました。最後に「ボールを取られずにトライする」(H13)という答えに行きついたところで二つ目の質問に移りました。前回の質問で光より早いものは「気持ち」と答えてくれたA11が真っ先に手を挙げて「気持ち」と答えたところで他の生徒も白熱してきました。「タックル!」という回答が多数を占めていましたので、「タックルは何のためにする?」という質問に切り替え、ここはS10に正解を答えて貰いました。「ボールを捕る」。キャプテンに決定!一年生は、既にラグビーの本質を見抜いてしまいました。凄い生徒達です。

先日、社内セミナーでなでしこジャパンの佐々木監督のご講演を拝聴する機会がありました。「チームワークとコミュニケーション」という固い演題ではありましたが、お話の中心は、何故体格・体力に劣るなでしこがワールドカップで優勝することができたかについてでした。昨年このホームページ(2011.7.18付「一年生のホワイトスペース戦略」)で書きました。ひとたび踏み込んだら、前例のない手ごわい難題が次々と持ち上がる領域=ホワイトスペースを開拓してきた結果が優勝という最高の形で結実したのではないかと。佐々木監督はその難題を長期目標として掲げ取り組んだそうです。それは「なでしこビジョン」であり、「世界のなでしこになる」ために次の3つの目標を定めたそうです。これはまさに前例のないことへの挑戦です。

①サッカーを日本女性のメジャースポーツにする

②なでしこジャパンを世界のトップクラスにする

③世界標準の「個」を育成する

世界標準(デファクト・スタンダード)というと今の欧米のプレイスタイルと思ってしまいますが、そうではなくて、瞬発力、持久力、勤勉性、柔軟性、規律性といった日本人の特長を生かした上で、『攻守にアクションするサッカー』ができる「個」を育成しようという考えです。相手にハイプレッシャーをかけボールを奪う、奪ったボールを意図的にチャンスにつなぐ攻守一体のイメージを選手達に伝える、その具体的な取組み課題は次の4つです。

①状況を観ながら考え、動きながらプレーする:常に状況を観ながら、考えながら、動きながら、数的優位を作りながらプレーする必要性を認識する

②ゴール前の攻防:サッカーの本質は、「ゴールを失わずにボールを奪う。ボールを失わずにゴールを奪う。」ということ。ゴールを失わないためには、相手プレーヤーの選択肢を限定したプレーを身につけていくこと。ゴールを奪うために、選択肢を持ったプレーを身につけていくこと。さらに、プレーの原則をベースにしたサッカー観を日常のトレーニングで身につけていく

③守備の基本:なでしこジャパンはワールドカップからオリンピックまでの1年で、「ボールを奪う」こと、特にアプローチのタイミングを早くしてグループで相手を囲みボールを奪うことができた。重要なのは、コンパクトに仲間と連携・連動すること

④コミュニケーション:「サッカーをどう戦うのか」ということについて、プレーヤー同士がお互いに要求しあい、理解しあうようになることが大切。コミュニケーションの技術だけでなく、サッカーを分析する目も身につけなくてはならない。すなわち、子どもたちにイニシアチブを持たせ、その上で賢くサッカーをすることを要求していく

ルーツを同じくするフットボールの宗派ラグビーとて同じこと。なでしこジャパンが掲げたこれら4つの取組み課題はラグビーにも通底するところがあります。

ラグビーの本質を自分たちの議論の中で見つけた一年生です。「攻守にアクションするラグビー」がきっとできると信じています。そんな攻守の「切り替え力」を生徒一人一人が身につけたら素晴らしいチームに進化することでしょう。

今日の練習は「攻守にアクション」をテーマに、「警察と泥棒」・「カバディ」から始まり、1対1、2対1をたっぷり練習しました。今年大学準優勝の天理大監督も2対1を徹底的に行い、対面との接点ギリギリのところで真横にトップスピードで走ってくる2人目にパスすることを一貫して志向して来られたそうです。

練習の最後に一年生は気合いたっぷりのミニゲームでボールの大事さをかみしめているようでした。初キャプテンに選ばれたK20が泣きそうになるのを堪えタックルや密集でボールを取ろうとする姿にこちらも目頭が熱くなる思いでした。自分こそ真のキャプテンと思っていながら今回選ばれなかったY5も涙を流すほどに一生懸命タックルしていました。この一年でどの子もこんなに成長したんですね。

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5 thoughts on “二年生に向けて目指す「攻守にアクションするラグビー」

  1. おつかれさまです。
    「今日の練習の頑張りでキャプテンが決まるみたいよ」という父の言葉に、早々と家を(勝手に)飛び出し練習に向かったR15(笑)

    私としては、プレイを頑張っても人の話をちゃんと聞かない子はキャプテンに選ばれないだろう・・・と思っているのですが、本人は自覚がないようで。(そこもまた、まだまだ幼くて・・・)
    残念ながらキャプテンにはなれませんでしたが、鼻息の荒さは、伝わってきました。とても、練習試合を楽しみにしているようです☆
    ボールのキャッチやノックオンなど、「雑」なプレーが多く私も目覆ってしまうことがありますが、応援したいと思います。

  2. R15母さん、
    いつもありがとうございます。
    息子さんは日曜日の朝、会うなり「今日キャプテン発表するん?」と挨拶もそこそこに聞いてきました。「アメフト」発言で落選という訳ではないですが、伸び盛りの彼にはキャプテンのプレッシャーなく、今回はプレーに専念して欲しいと思いました。
    仲間が皆認めるキャプテンが現れたときが固定の時期でしょう。それまでは、全員にキャプテンを経験して欲しいと思っています。ただし、無作為にというわけではなく、キャプテン指名のタイミングはよく見極めたいものです。

  3. 書き込むつもりで作業を止めていたらR15母に先を越されてしまいましたが投稿します(笑)
    しかも先ほど投稿したものがアップされなかったので再投稿します。ダブったらすみません。

    父「久々にキャプテンしたい??」
    R15「うん、したい」
    父「練習で頑張ったらキャプテンになれるかも知れんで」
    R15「頑張る!」
    父「プレーだけちゃうで。話聞いたりとかもやで。」
    R15「分かった!」

    先週のFukushimaコーチの投稿にもあったので、頑張れば可能性があるように煽ってみました。
    その結果?が訳のわからん発言。。。「アメフトや」
    その場の空気は大丈夫でした??
    ま、内容はともかく積極性は評価しておきましょう(*^_^*)
    R15の自然体でいってもらえるように、これからはあまり煽らないようにします。

    遠目からなのでハッキリは分かりませんでしたが、キャプテン指名を期待していたのか発表のあと、ちょっと残念そうな顔をしていたように見えました。
    その分、ミニゲームで奮起??
    煽った責任も感じたので一応なんとなく慰めておきました(^^ゞ

    久々の対外試合、頑張ってもらいましょう!(^_^)b

  4. いつもお世話になっております。
    泣いてましたね~(笑)
    連習終わりすぐに私の所へ来ては、
    「コーチはどこへ・・・」とグランドウロウロ
    なにやらお話したいことがあったらしく、
    探している間に気持ちが落ち着いたのか、
    兄に見られまいと思ったのか
    泣いてしもた・・・また頑張るわ。と
    気持ち飲み込んでおりました。
    彼なりに思いがあったのでしょう。
    ゆっくりゆっくりですが成長見届けて
    いければと思っております。

  5. R15父さん、
    微笑ましい親子の会話ありがとうございます。やはり煽ってましたか。
    「アメフト」発言でラグビーとアメフトの違いは何かについて生徒達と一緒に考えて貰いましたので、実は含蓄のある発言だったといえます。真っ先に手を挙げて答える積極性も出てきました。
    明後日の試合で攻守ともにダントツの戦果を挙げて欲しいですね。

    Y5母さん、
    そうでしたか、探してましたか。きっとY5に吊るし上げられると思い、こっそりお先に失礼しました。
    面倒見がよく、仲間思いのやさしいアニキ的な存在で、自分がチームを引っ張っていこうという気持ちがキャプテンをやるようになって出てきました。
    明後日の試合ではきっと、小さなキャプテンM19を支えてくれると思います。