カテゴリー: '16-6年生チーム

一年生にとっての『銀の匙』

今日は肌寒いながらも眩い陽ざしと青空の下、箕面RSさんとの合同練習を行うことが出来ました。箕面RSさんには大変申し訳なかったのですが、トップリーグのパナソニック対NTTドコモの試合でワイルドナイツのエスコートキッズ役が重なってしまい、19人は一時間だけの合同練習となってしまいました。しかしながら、残った7人は何回も練習試合を経験でき、大変有意義な企画となりました。箕面RSさんには厚く御礼申し上げます。

わが一年生は25人出席(R21はおニューのスパイクで久々の登場!)という初の全員参加で、箕面さんの一年生(15人)をお迎え出来ました。総勢40人という想定外の「大教室」となりましたが、最初の一時間は事前に準備していた以下のメニューを無事行うことができました。アイスブレーキングの練習(?)ですっかり打ち解けた両校の一年生がこれから試合会場で出会ったら、物おじせず元気よく挨拶して欲しいと思います。

1.しっぽ取り鬼ごっこ:40人全員が雑巾をパンツの後ろに挟んで試合コートの半分を動きまわり、1分以内に他人の雑巾を最も多く取ったら勝ち。最高3枚をゲットした生徒が5人いました。40人が無秩序に走り回る光景は活気に溢れ壮観でした。

2.白菜はがし:芯となった1人を9人が座って取り囲んだチームを10人が外側をむいて芯を早く取りだしたら勝ち。これも寒さをふっとばす楽しいゲームできゃあきゃあ言って興奮していました。

3.じゃんけんラグビー:15人(5:4:3:2:1)がボーリングピン状に並び、相手の25人とじゃんけんをして勝ち進み、2分の制限時間内で何人が頂点を目指せるかを競いました。15組が一斉にじゃんけんをしている姿はどれも真剣で迫力がありました。ゴールにあと1勝というところで討ち死にし底辺からやり直さなければならない選手の悔しがる表情が何とも印象的でした。

ここでコーチが「6人手をつないで座る!」とコールして6人組を組成させ、ボールアップアンドアンダーとライトアンドレフトの競争を行いました。箕面さんと息の合ったチームがぶっちぎりの優勝をしました。

4.ラダー、ミニハードル、コーンを使ったラン:ラダーではスパイダーマンの練習、ミニハードルはその上を走って越えて行く練習、コーンはジグザグ走やシャトルランの練習と、40人が同時にメニューをこなしました。ラダーなどの練習は箕面さんもなさってらっしゃるそうで、違和感なく全員が楽しくこなしていました。

すっかり身体も温まったところで、ミニゲームを行いました。まず、エスコートキッズ中心のメンバー編成で前後半行いました。前半は両者固いディフェンスで譲らず2対2のイーブン、後半はラバーマン兼ライン際のマジシャンR15の活躍などで点差を拡げ勝利しました。ここで、残念ながら19人は花園へ。

帰宅後テレビでエスコートしているところを観ましたが、一年生ながらちゃんと役目を果たし、今年からブルーのワイルドナイツを勝利に導きました。H9を先頭にバツベイと緊張して手を繋いでいたK20やT18のスキンヘッドと孤高のウィンガーYの暴発頭のコントラストが最高でした。我が一年生は、ドコモカップ優勝スクールの6年生(ドコモのエスコートキッズ)に負けず立派に写真撮影までこなしました。彼らは箕面さんとの初めての交流とトップリーグの選手と手をつないだ夢のような思い出を一日で経験できて幸せです。

伝説の灘校国語教師はご存じの方も多いと思いますが、3年間国語の授業を一冊の本『銀の匙』だけで行っていたそうです。豊中RSと同じように6年間同じ教師が持ち上がりで生徒を育てるという方針で、6年周期の奇跡の教室を経験できた人が後々日本を動かす人物になっています。この名物先生の重視したのが「追体験」。国語の授業中に生徒全員に金太郎飴頬張らせながら、小説の中で主人公が飴をなめる件を朗読したそうです。今日のエスコートキッズ達も彼らが目指す(大阪、日本、世界の)トップの選手と手をつなぎ、試合を応援するという追体験ができました。貴重な経験をした生徒達は今日家に帰って、きっとマインドマップに「気づき」を書き込んだことでしょう(H9にはお絵描き帳を返し忘れましたので、違う紙に描いてください)。この感受性こそが、これからのラグビーに関する気づきの力に繋がり、興味を起こして学んでいく姿勢の基礎になっていくと思います。この先生は、敢えて捨てる、敢えて徹する、敢えて遠回りすることで生徒の観察力、判断力、推理力、総合力が将来ものをいう時が来ると信じていたようです。パナソニックのチームの中にも「アンストラクチャー(型どおりではない局面といった意味)」という言葉で、ラグビーを深く学び、様々なスキルを身につけ、自分たちの持ち味、強みを活かすことの大切さを浸透させようとしているようです。トップリーグでさえ謙虚にラグビーを学んでいるんですね。一年生もマインドマップでラグビーさらには自分の生き方を深く学び始めている生徒が出てきました。今日は4人の生徒からコーチの脳裏に残像が残るマップを見させてもらいました。3枚もびっしり描いていた生徒もいます。ラグビーとは全く関係ないようなことばかりで保護者の方々には「もっとラグ ビーを教えて欲しい」とご批判を受けそうですが、生徒に何かを気付いて貰うのがコーチの役目と思っています。しばらくご辛抱ください。

『銀の匙』の巻末の解説で和辻哲郎がこう締めくくっています。

「・・・大人は通例子供の時代のことを記憶しているつもりでいるが、実は子供として子供の立場で感じたことを忘れ去っているのである。大人が子供をしかる時などには、しばしば彼がいかに子供の心に対して無理解であるかを暴露している。」

子供たちにしか見つけることのできない「銀の匙」(子供にとって意味のある宝物)を探すきっかけ作りをこれからも続けていきたいものです。

(週末のメンバー・キャプテンは近日中に発表します。4チーム編成で9試合戦う予定です)

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2 thoughts on “一年生にとっての『銀の匙』

  1.  昨日はフル参加できず失礼いたしました。 おかげさまで貴重な経験をさせていただきました。

     参加賞?のボール(入場の時持っていたやつです)に選手の背番号(&サイン)が入っているのですが、たまたまFBの田邉選手をエスコートしたので自分の番号と同じ。。。 だからか分かりませんが大事にしとります(笑)

     しかし、この経験を活かしたマインドマップへの落とし込み・・・、できるのでしょうか?? 父がマインドマップをあまり理解していないのも影響が大きいですね。 反省。。。
    (以前に一回だけ書きました。今度持参させます。まだ持って行ってないですよね??)
     我が家ではラグビーしか?教えられません(笑)ので、ぜひぜひ他のこともたくさん教えていただければと思います!

     それでは、みんなの年内最終戦の活躍を願いながらのDVD鑑賞会で会いましょう!(笑)

     

  2. R15父さん、
    同じ背番号なんて偶然なのか、はたまた必然なのか。明後日は大阪ベイブルース、土曜のハプニング(?)の話など色々肴がありそうです。