カテゴリー: '16-6年生チーム

四年生との壁を感じたときに『腐ったバナナを捨てる法』

歯のぬけたような先週の寂しさから一転29人の参加生徒に能勢RSの生徒も1名参加して総勢30人のマンモスクラスに早変わり。休んでいた生徒は病気が治ってなにより。能勢の三年生は一人だけで普段は上下の学年と一緒になって練習していることでしょう。それがいきなりコーチの話そっちのけでワイワイ楽しそうに思い思いのことをしている集団に放り込まれて、圧倒されている様子でした。

まずはリレー競争からアイスブレーキング。テロ、雪不足も乗り越えてなんとか閉幕できた健常者のソチ五輪に生徒たちも魅了されたようで、生徒たちにはあまり見慣れない2種目に挑戦して貰いました。ちょうど3で割れる人数でしたの3人一組で10チームを作ることができました。「3人一組なのは?」と尋ねようとした瞬間に「パシュート!」とT18が御名答。すばらしい。では始めましょう。

三年生に与えられたコート全面を使った楕円のトラックを作り、4か所に別れた4組が笛の合図で1周走をタイムで競うリレーです。ルールは楕円の円周上4か所を過ぎたところで必ず違う人が先頭に立たないと失格です。ルール破りが出ないように、先頭ランナーが関所を過ぎたところで後続にボールをパスすることにしました。チームパシュートは一人が速くても、チームとして個々の負担を減らし、先頭を交代するときの減速も回避できないと勝てないチームスポーツ。ここにスポーツとしての醍醐味があるわけで、生徒達がどんな工夫をするかが楽しみでした。案の定、パスが悪くてボールを落とすチームがいましたが、総じて、減速することなく順番を入れ替えていたようです。これってランパスだなと見ていて思いました。やらされる意識でやるランパスと三人で工夫しながらベストを尽くすパシュート。1番を取ろうと目を輝かせる生徒達には1周走が物足りなかったようなので、きつい2周走にしても生き生きと走っていたのには驚きました。H32もK16にリードされながら完走!よくがんばりました。

お次はパラレル大回転。3M毎にコーンをジグザグに置いて、その外側を蛇行してタイムを競うゲームです。スタート地点から3M前方のコーンに3人が立ち、スタート地点の3人がそれぞれの先頭者をヨーイドンで追いかけます。先頭者は後ろからのプレッシャーでいやがおうにも必死になります。ここからはラグビーのディフェンス練習として、ジグザグ走をしながらタックルポイントずらしてくるアタッカーの内側に平行して立ち、内に切って来ないようディフェンスする方法に挑戦して貰いました。セブンスの試合でよくありますが、ディフェンダーが後ろに下がりながら、アタッカーのコースを狭めていく守り方です。これもコツを覚えてうまくできた生徒が沢山いました。

先週から始めたチームディフェンスの基本。ただ前に出るだけがディフェンスではないセブンスの守り方も徐々に始めたいので、知らない間に身につく練習を心がけたいものです。先週のチームディフェンスは印象深かったようで、ラグビーノートをつけてきた生徒の多くが、「ファイアー」と「ウォーター」の意味と図を描いていました。R15のノートも沢山の文字がていねいに書いてあっていい感じでした。Y3、S10、K20の図解表現力にいつも感心させられ、S1とE28の練習に向かう心構えのワンフレーズにいつも新鮮な気持ちになります。E28はちょっと悲しい「事故」があったようですが、過去は自分の住むところでないときっぱりとあきらめ、ビー玉を大事にしよう。

二人の生徒が四年生の試合でとても楽しめたけど、タックルするのがこわいという心の裡を正直に書いていました。相手が自分より大きいと余計に不安がよぎるものです。タックルに行って痛い目に遭うのではないかと。彼らのノートにはそれぞれ1本のバナナを、そしてその横にごみ箱を描きました。腐ったバナナをごみ箱にぽいっと捨ててしまおうという意味です。

「わたしたちは一人ひとり、一房のバナナを持っている。そのなかの腐ったバナナとは、人生において進展が望めない部分をあらわす。もはや発展する可能性がない、あるい行き詰ってしまっている部分だ。・・・腐ったバナナに執着しているかぎり、人生でいちばん望むものを得ることはできない。」と米国の事業戦略専門コンサルタントは表題の本の中で自信の壮絶な出生の過去を引き合いに出し、不必要な恐れをつくりださない生き方を勧めています。自分の恐れていることの大半は実際に起きる可能性が限りなく低い。たいていの場合は、自分で何かをつくって、それを恐れているだけだと言います。であれば、そんな腐ったバナナは今すぐごみ箱に捨ててしまおう、と生徒には書いたのですが、恐いものはどうしても恐いのも心理。ではどうやって恐れと上手に付き合うか、著者は、強い情熱で恐れを消し、自信を持てるまで思いっきりやってみることが肝心なようです。

先月も遠い高校から大阪に戻って三年生にラグビーを教えてくれたOGもスクール時代、自分より大きい男にタックル行くのは恐いと言っていました。でも小学校六年生の頃ぼんやりと日本代表になると決め、その未来像に向け自分の今できることをやり通すことで自信に繋げたのではとコーチ目線で分析しています。その夢も6年を待たず現実のものとした彼女には、一昨日の週末、世界最強チーム豪州と2度対戦するという得難い経験を通じて、どこまでも高い「世界の壁」を越えるという新たな目標ができたようです。

「すばらしい未来は、わたしたちが見ている現実のなかには存在していない。思考力と想像力をすべて、いま生きている人生のもっと先に集中させて、自分の未来を鮮明にイメージしてみよう。すると未来像は現実と地続きとなる。そこに至るまでに壁があるなら、旺盛な想像力を使っていくらでも克服できる。信じる力をうまく使おう。いまは自分の枠のなかでにっちもさっちも行かないという思い込みから脱却すれば、無限の可能性に満ちた人生に一歩近づく。・・・自分の思い込みと行動を変えようと意志を固めれば、その瞬間、壁は大きな音とともに崩壊し、腐ったバナナは消えるだろう。」(ダニエル・T・ドルービン)

ノートに「ぼくが(サッカーでなくラグビーの)日本代表になった時の試合を見に来てください」と書いた生徒もいます。そんな生徒が次々とあらわれてくれたら、コーチは彼らの腐ったバナナに気づかせて、捨てるよう促すコーチングに磨きをかけたいものです。

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2 thoughts on “四年生との壁を感じたときに『腐ったバナナを捨てる法』

  1. 御息女の代表選出、本当におめでとうございます!(^o^)
    R15も先日サインをいただいておいて良かったです(*^^*)

    なかなか書かないR15のラグビーノート。。。
    内容はまずまず良かったと思いますが、今回は書いたきっかけがちょっとよろしくありませんでした。でも、ちゃんと練習内容を覚えてたり、自分なりに考えてたりするんやなぁと成長を感じたのは嬉しかったです。あとはもっと自発的に書いてくれるようになったらいいのになぁと;^_^)

    そろそろ3年生の一年も終わり。
    一年を振り返れというのはなかなか難しいと思いますが、4年生に向けてこの一年で身に付けたことを一つでも多く持ち越してもらいたいですね(^_^)

    • R15父さん、
      今日はドロドロのグラウンドだったようで洗濯大変ですね。私も某所で親子ラグビー対決し泥んこでした。
      ラグビーノートは本人が書きたくなったら書いて提出してくれたらそれで結構です。先週は相当時間をかけて書いたあとが感じられました。娘は小六からノートをつけ始めましたので、早いほど成長に繋がると思います。彼、彼女らのこれからの飛躍的成長が楽しみです。