カテゴリー: '16-6年生チーム

四年生になる前に考えたい、『生きる』とは何か。

豚汁会決行が決まった途端に吹雪始めた今日はこれまでで最も寒い練習日となりました。うっすらと白みがかったグラウンドで、90分の短い時間にたくさんのメニューをこなし、身体と頭脳をフル回転させた生徒たち31人(惜しい、1人欠席)はお腹をすかせて熱々の豚汁を口の中にかき込みました。昨年10杯以上おかわりをしたと豪語する重量フォワードY5は記録更新ならず。量より質のお年頃か。

昨日悲報が届いた昭和のラストサムライ小野田寛郎元陸軍少尉は、表題の本の中で、30年に及ぶ作戦任務遂行の過酷なサバイバル生活を克明に語っています。孤立無援の中で生き続けてきた30年の体験から、「生きるためには、人間、どう考えておくことが必要か」と、自分なりに納得したことは、自分の目的意識を支えるもの、あるいは信念を持ち続ける頭脳の働きを支えるものは、健康だと。

食べなければ、知恵も能力も、百パーセント使うことはできない。「食べる」これは「生きる」ための根源である。これほど大事なことを日々の生活では忘れている。

小野田さんが帰還された時代は高度経済成長期真っ只中。戦争を知らずに育った世代にとって軍服姿でピンと背筋をのばし敬礼する姿はまさに衝撃でした。その時のテレビ報道は小学生高学年の頃でしたが、今でも鮮明に覚えています。小野田さんと奇しくも同じ日の訃報となった星一徹の声優加藤清三さん。昭和の精神史を支えた偉大なる二人の頑固おやじの冥福を祈らずにはおれません。

今日のメニューのテーマは、そのへんにあるモノを活かし、頭を使って、身体も動かす。うつ伏せにダウンした後、素早くリロードし、大・小タックルマシーンを持ち上げて前に倒し、跨いで越えていく競争や、5人1組で直径3メートルの円周をリレー競争で楽しみながら自然な動きを身体に染み込ませました。遠心力に負けてふらふらする生徒が多い中、R15やR26の内側に上体が傾斜した無駄のない走りは秀逸でした。弧を描く動きはこれから重要になってきますので、全員ができるようになるまで続けます。

円を土俵に見立てて、中腰で手押し相撲も行いました。他競技で忙しく久しぶりの参加となったH29は、180度股割りのできる柔軟性の高いアスリートですが、もう一人のラガールアスリートK16との相撲は最後まで勝負がつかない互角の戦い。二人とも将来が楽しみです。同じ円周に5人が均等に並び、ダイブパスや後転した後パスをするリレーで順位を競いました。

タイヤ6本を使って、タイヤ押し、持ち、転がしリレーもやりました。傍から見ると遊んでいるようにしか見えませんが、これもコーディネーショントレーニング。このトレーニングの肝は、予測不能の状況で、豊富なバリエーションを用意し、生徒自ら主体的に考えて工夫しながら能力を獲得すること。タイヤを浮き輪のように腰に回して走り出したり、見ていて笑ってしまったり、叱り飛ばしたくなりますが、ぐっと堪えて正解を言わないこともコーチングで大事なところです。

タイヤをブレイクダウンのポイントに見立て、3人でボールを左右に繋ぐ練習で仕上げとしました。ここでも3人が必ずダウンしてすぐに起き上る動作を入れました。慣れてくるとちゃんとパスを通すことのできる生徒が沢山いました。

この他、集中力増強トレーニングとして全員に紙を配り、その紙にランダムに書いてある1~9、A~Zの130文字の中から、出題者が言う文字が何個あるかを素早く目を動かして当てるゲームを行いました。だいたい4~5個あるので三年生には時間がかかるかなと思っていましたが、なんとものの数秒で手が挙がる生徒が何人もいたのは驚きました。このゲーム、オランダ空軍が使っているトレーニングだとか。有事となれば、皆優秀なソルジャーになれそうです。

小野田さんは子供たちのキャンプ「自然塾」を開講し、そこで少年少女たちに基本的な次の三つのことを身体で知ってもらいたいと考えたそうです。

一、人間は自然の一部であるということ。本来、人間の力など自然には到底及ぶべくもない小さなものでしかない。ところが集団で生活していると、いつの間にか尊大になって自分の意のままに操れると錯覚してしまう。

二、人間が集団で生活するとき、何がいちばん大切かということ。人間は決して一人では生きていけない。他人の恩恵を受けて生きているわけである。だから人はお互い感謝の気持ちで接しなければならない。

三、どんな小さな目的でもいいから、それをやり遂げるまでは何が何でも頑張るという気力。失敗しても失敗してもあきらめず、もう一度やってみる。そこに工夫というものが生まれてくる。

偶然ではありますが、氏と同じ名前の生徒E28が今日、皆の憧れのビー玉満杯の魚ボトル(先週ボトルを預かってくれたK20は、絵心満載の魚の絵を描いていました)を獲得しました。病み上がりの今日が今年初めての練習でしたが、幸先のよいスタートを切ることができました。今日提出した彼のラグビーノートには、今年の目標としてタックルを決めると大書してありました。今度の魚はH32のお父さんから戴いた大瓶です。さて、何か月でビー玉が一杯になるか。全員がノートを提出するまで続けたいと思います。


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