カテゴリー: '16-6年生チーム

四年生が『「ラットレース」から抜け出す方法』

今日の四年生は32人も参加しており、来週の大阪市体育協会会長杯交流試合に向けた意気込み感じさせてくれました。四年生にとって初めてのカップ戦です。どこまで通用するかを力試しできる貴重な大会になります。A1チームの組み合わせは、一回戦を突破できれば、北摂のライバル同士の勝者(高槻RSさんか箕面RSさん)と対戦でき、さらに勝ち進めば、東大阪RSさんや阿倍野RSさんといった強豪がひしめくトーナメントを勝ち抜いたチームとの優勝決定戦となります。A2チームは、交野RSさん、OTJさんとの初顔合わせ。全員出場で全勝といきたいところです。

ただし、四年生にいつも言っていることは、「未来を読まない」「今を全力で生きる」ということ。今為すべきことをやらずして明るい未来は訪れません。今日の練習は、生徒それぞれが「今」に集中した、やる気の伝わってくる内容でした。

グリッドで1時間ほどパス、コンタクトの練習を行ったところで、メンバー発表を行いました。グリッドでのロングパス練習で驚かされたのはR24の急成長ぶり。左右自在に10メートルのスパイラルパスが投げられるようになっていました。1週間でこの伸びですから、6年生になれば20メートルパスも夢ではなさそうです。自主練の成果ですね。

A1:S1、T2、S6、H9(イメージキャプテン=IC)、Y17、T18(ゲームキャプテン=GC)、M19(チームキャプテン=TC)、J22、S25、R26

A2:前半→K4(TC)、Y5、A11(IC)、H13、R15(GC)、K20、R21、R24、K31、H32、K33、D34

後半→Y3、K8(GC)、S10(TC)、K12、S14、M23、K27、E28、H29、T30(IC)、K35

四年間Aチームという言い方はして来ませんでした。金太郎飴軍団は誰を出しても同じように力を発揮できることを理想に掲げ、全員ラグビーを貫いて来ましたが、今回は初のチャンピオンシップであること、2チームしかエントリーできず全員出場が難しいこと、A1チームに選ばれなかったことを否定的に捉えず、チームに自分は何ができるのかを考える切っ掛けにして欲しかったことから、A1については、出席コーチ全員で慎重に10人限定で選出させていただきました。

選ばれたメンバーが10人同じ顔触れになることはないでしょう。その意味では一期一会の出会いがこれから続きます。四年生の中で競争原理を働かせるような愚かな考えは毛頭ありません。生徒にも選ばれなかった口惜しさをバネに次頑張れとは言いません。選ばれなくても同じ学年の仲間として応援する、仲間の成功を祈るという気持ちを持ち、自らのレベルアップを図るよう指導を繰り返したいと思います。

表題の本は、今から50年ほど前にアラン・ワッツという哲学者によって書かれ、今でも読み継がれている「自己とは何か?」について書かれた本です。著者は、自己とは「皮膚に封じ込められた孤立したエゴ」であるという感覚は幻想だ、あるいは、生存とは囲いの中で演じる、「ラットレース(回し車の檻の中でクルクル回っているネズミの様子)」みたいなものだという見方は茶番だと言い切ります。

私たちはこの世界に「生まれ落ちた」のではない。私たちは、樹から木の葉が萌え出るように、その”世界”から生まれたのだ。大洋が「波打つ」ように、宇宙は「生起する」。どんな個人も、自然界全体のひとつの表現、全宇宙のユニークなふるまいだ。(中略)理屈ではそれが真実だとわかっている人ですら、それを感じることはなく、皮膚に封じ込められた孤立した「エゴ」として、自らを意識しつづける。この幻想がまっ先にもたらすものは、「外側」の世界はほとんど敵だとする態度である。(アラン・ワッツ)

コーチも競争社会、競争戦略などというフレーズを用い、人生は他者との競争でできているという幻想にどっぷり浸かっている大人ではありますが、次代を担う生徒たちには、そんな幻想から抜け出して、外側の世界と共鳴し合って、ユニークな存在として生を謳歌して欲しいと願っています。

来週の大会は、勝敗云々よりも、それぞれのチーム内で自分の役目を考え、果たそうとする生徒たちの動き一つ一つをよく見たいと思います。

 

 

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1 thoughts on “四年生が『「ラットレース」から抜け出す方法』

  1. コーチの皆さん、いつもご指導ありがとうございます。

    前回の練習は所用で立ち会えなかったこともあり、いつにも増してFukushimaさんのblogの更新を楽しみにしておりました。

    一期一会という僕の大好きな言葉を見つけられて、とても嬉しく思っております。

    さて、息子S25には、来週の試合に向けて、以下のメッセージを送っておきました。

    ・A1チームの試合中、自分がグラウンドでプレーしているときは、ラン、パス、タックルを頑張ること。そして、大きな声を出すこと。

    ・A1チームの試合中、自分がグラウンドでプレーしていないときは、一生懸命に応援すること。

    ・A2チームが試合をしているときは、もっと大きな声で、もっと一生懸命に、A2チームを応援すること。

    どこまでできるか分かりませんが、「分かった」と約束をしてくれました。

    来週の試合が楽しみです。