カテゴリー: '16-6年生チーム

四年生がつくる『俺のフィロソフィ』

先週のホームグラウンドの芝よりしっかりと根を張っている心のホームグラウンドの芝に繁茂する雑草を取り除く作業を行ってから練習開始(30人参加)。H32は兄弟揃って早朝から三文の徳を得て気持ち良く練習に入れたんじゃないか思います。彼を見ていると、コーチも4人男兄弟の中で育ち、自分の存在感を出すのに毎日必死だったことを思い出します。

全体練習の前、先週の試合に出られなかった生徒に同じ時間どんなアクティビティを経験したのか聞いてみました。野球の試合でキャッチャーだったというT2は引き分けの抽選で負けたと残念がっていました。ラグビーしていれば、全勝だったのにこれまた残念。なでしこH29はレスリングの試合かと思えば、本人は恥ずかしそうにして言いませんでしたが、どうやらチアリーダーの活動だったようです。今日も欠席のK12は合唱団定期演奏だそうで、皆、多士済々の有徳の生徒ばかりで驚きます。そして、もう一人、スーパー小学生Y17は山登りをしたそうです。夏休みのびわ湖一周サイクリングに次いで、今度は日本の頂点、富士山を制覇したと報告がありました。5合目を早朝出発し、山頂到達が午後だったということですから、休みながら、あるいは渋滞していたのか、苦労の跡が偲ばれます。コーチが吉田口馬返し一合目から霊峰を征服したのは失意の27歳だったか。10時間かかった記憶があります。頭痛、歯痛、筋肉痛と大人でも荒行ですが、小学四年生が成し遂げられたのは何故か。

そこで皆に示したのが、京都の小さな会社起業から最近では日本航空の経営において成長発展へと導いた高名な経営者がお考えになられたという方程式。

 人生の結果=考え方×熱意×能力 

この方程式の変数の中でとくに大事なのが「考え方」だと言います。例えば、山を登るのに、どの山に登りたいと思っているかによって、その準備は異なります。富士山のような難易度の高い、危険な高山に登ろうと思えば、相当な準備が必要です。

「私はこういう山に登ろうと思っています。だからこういう装備が必要なのです。つまり。こういう考え方をするのです」(稲盛和夫著『京セラフィロソフィ』)

Y17は最初はお父さんに連れられて小さな冒険からスタートしたことでしょう。それが今や、自分のしっかりした「考え方」で結果を次々と出していく。小学生の「能力」には限界がある中で、高い目標を成し遂げるのに必要なのは「考え方」。公式は足し算ではなくて、掛け算なので、この考え方が悪い(マイナス)方向へ向いてしまうとどこまでも悪い結果になってしまう。そういう怖さがあるだけに、考え方というのは大事だと生徒も先週の一件で痛感したようです。

では、今日から四年生全体でどういう考え方に変えていくべきか。

人のために汗をかく、あるいは、稲盛氏もおっしゃる「仲間のために尽くす」ということ。これが四年生の基本理念(フィロソフィ)として浸透させたい考え方。

偶然にも、練習前にさっと目を通したラグビーノートの中にこの考え方をしていた生徒が現れました。そのノートにはこう書いてありました。

みんなにやってほしいこと

  みかたがタックルしたらすぐオーバーしてほしい

  ラックのミスをもうちょっと少なく

  タックルはもっとハード

  あたりは低く

T18には全員の前で、そのことを伝えてもらいました。自分のできたこと、できなかったこと、次はこうしたいという考え方が皆できるようになっています。これからは、仲間、あるいは試合相手との関連性でラグビーを考えて欲しいと思ったところで、T18には、仲間のために自分は何をできるだろう?と考えることの大事さを教えられました。

稲盛氏の理念(フィロソフィ)に共感し、起業で二勝十敗しながら、斬新な事業で成功を目指す経営者が書いた掲題の近著にも、仲間のため、という動機が「俺のイタリアン」で事業を急速に拡大させる起爆剤になっていると書かれています。

彼らは進んで仲間を助けに行こうとする。自分の評価を上げようとか、上に認められたいとか、そういう動機じゃないんですね。(中略)シェフはもともと一匹狼の存在です。昔「包丁一本さらしに巻いて」という歌がありましたっけね。そういう才能がある彼らだから、「利他」という言葉に出会って、自分に足りなかったものに、あっという間に気付くことができたのだと思います。(語り手ブックオフ創業者、俺の株式会社代表取締役社長坂本孝氏、『俺のフィロソフィ』)

練習では、アジリティ・ポールに新しくアジリティ・リングも登場して、さらに難易度の増す練習になってきました。それでも、ラグビーうまい下手関係なく、皆楽しそうに新たなドリルに取り組んでいます。印象的だったのは、K35のパス。2本のアジリティ・ポールが立っている所を越えてすぐに左のサポーターにパスを投げる練習で、絶妙なパスがポンポン飛び出していました。走り方も少しづつスピード感が出てきており、仲間に貢献できる選手になるのはそう遠くないと感じました。そんな彼は、夏休み自由研究のテーマを「ラグビーの研究・調査」として学校に提出したと、製本された研究綴りを持ってきてくれました。表紙をめくると、「きっかけ」というタイトルで、ラグビーを習い始めたが、分からないことがたくさんあるので、歴史から調べようと思った。と、紀貫之が「男もすなる日記といふものを、女もしてみむとてするなり」と書き出した『土佐日記」を彷彿とする書きぶり。1823年英国のパブリックスクールラグビー校での「事件」から調査が開始される大作を拝借し、今読みはじめています。

ひとりひとり大きく成長しているんだなと感じさせられた連休の中日の朝でした。

 


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