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四年生になる前から『熱く生きる』習慣を

雪不足のソチに分けてあげたいくらいの記録的な大雪となった関東ではトップリーグの試合が延期されるという英国発祥のスポーツとは思えない事態になりましたが、ここ大阪は暖かな日差しが戻り、雑草取りを行いさっぱりした天然芝の上で三年生26人(色々な事情で6人欠席)は気持ちよくラグビーを楽しみました。先週、ビー玉入り魚のボトルを渡したK8が病欠のため、わざわざお父さんが持ってきてくださいました。今日はラグビーノート14冊の提出があり、さらにS6からビー玉20個の寄贈があったことから16個魚に補充しました。

ラグビーノートには、先週の体力測定で好記録だったことが嬉しかったようで自分の順位がどうなのか気になっている生徒が多かったようです。コーチ的には、順位より自身がどれだけ伸びたのかを知ることで得意科目と不得意科目を把握した上で強みを伸ばし、弱みを補強して欲しいだけなのですが。体力測定後の四年生との試合に初めて出場したR24は、ボールに触れなかったけどチームとして勝利したことで自信に繋がったようです。彼のノートに「やる気」という文字があったので、練習前に生徒を集めてメンタルタフネス理論について簡単に図で説明しました。

この理論は、米国を代表するスポーツ心理学者の一人ジム・レーヤー博士が唱えているものですが、この理論は、人類の長い歴史を遡り、天敵である獣からの攻撃を逃れて生き延びることができた祖先から受け継いだDNAに、プレッシャーがかかったときに良質の仕事ができるようにする秘密が隠されているという考え方です。アスリートのパフォーマンスのレベルを決定するのは、フィジカルとメンタルの総和だといいます。このメンタル面を支えるものをメンタルエネルギー(心のガソリン)と称して、このエネルギーをいかにして補充するかが最も重要だとしています。一方で、プレッシャーのかかった感覚をよい兆候だと捉えて味方にすることも大事だといいます。エネルギーの高低が縦軸、プレッシャーの大小が横軸の図です。この図を生徒に見せて、4つの象限がどんなアスリート像なのか考えて貰いました。エネルギーという言葉は彼らには理解しづらいので「やる気」に置き換えました。やる気があるほど上に、プレッシャーをポジティブに捉え、快適な状態になるほど右に位置する心理領域を表します。生徒にどの象限でラグビーをやりたいかを問うたところ、全員第一象限(意欲的かつ挑戦的で闘争心に満ちたハイ・ポジティブの状態)でプレーしたいと手が挙がり、コーチもほっとしました。第一象限はどんなアスリートか聞いたところ、S14はさっと手を挙げ「世界一!」と答えてくれました。「その通り!」。彼の言う通り、チャンピオンの心理状態と言われています。飲み込みの早い生徒たちです。

昨日のスノボーで8位入賞した17歳角野選手もきっとやる気満々で気持ちよく滑ってたに違いないねと説明をしたからか、今日はハイポジティブな心理状態の生徒が多かったようです。ふざけている生徒を注意したり、自分から率先して行動したりとやればできるじゃないの三年生!

やる気まんまんの生徒に今日は、追いタックルとステップの基本を行いました。追いタックルは3メートル先に俯せている生徒に後方から追いかけてタックルする練習です。逃げる方はタックルされないように早く起き上ることが求められます。多くの生徒がプレッシャーの中、タックルを受けずに生き延びたようです。

ステップ練習は、古典的ラグビー教本に必ず記載されているサイドステップ(右方向に行きたいときに、左足で左方向に踏み込む)でもクロスステップ(右方向に行きたいときに、右足で踏み込み、左足を交差させて右方向に走り出す)でもないチェンジオブペースの動きの基本から始めました。この動きは、左右どちらかに出たいということありきではなく、タックラーがタックルポイントに入るタイミングを意図的にずらしながら、タックルに来なければ、そのまま走り抜け、タックルに来たら90度以上の角度で反対側に切り返す安心安全なプレーです。タックラーと正面に対峙した状態から左右いずれかの方向に外側の足から踏み込み、次の内側の足を前に出したところで戻し、その足で踏み込み推進力に換え抜き去る動きですが、言うは易し、行うは難し。根気強くコツをつかむまで何度か繰り返すうちにR26ができるようになり、徐々に他の生徒もできるようになりました。なんとやる気に満ちたH32もそれらしいステップワークになっていたのには驚きました。1対1で相手を抜き去るもっとも大事なポイントは、タックルポイントを一定にせず走り続けること。タックルポイントはへその向いている方向に位置するので、相手にポイントを推測させないように弧を描いて走ることが効果的と言われます。そして、このチェンジオブペースでディフェンスを支配下においてしまうこと。これが四年生に以降目指すランニングスタイルです。

次にラダーを組み合わせたディフェンスつきのパス練習を行いました。ラダー2本を並列させ、アタック側2人はこのラダーで腿上げ走を行い、ラダーが終わったところでパスをします。一方、これらラダーから5Mほど前方に段差をつけたラダーを2本用意し、こちらも面対照のようにディフェンダーが腿上げをして、外側のディフェンダーがボール保持者にプレッシャーをかけます。もう一人のディフェンダーは、内側から外に回り込んで二人目のアタッカーにプレッシャーをかける練習です。飽きやすいラダー練習にゲーム性を加味することで、生徒はワクワクした気持ちで4つのポジション挑戦していました。この練習はタックルに入るとき、アタックでディフェンダーに近づくときの小刻みなステップの動きに効果的です。

今日は先週ゲームができなかった生徒のために、相撲で勝敗を決め新チームを編成しました。相撲は大阪部屋、名古屋部屋、南丘部屋に別れて行いました。大阪場所の行司はY5。即興で「東~、○●山~」と四股名を命名し爆笑を誘っていました。ゲームは三つ巴でどれも接戦の白熱した試合だったようです。

天皇の心臓手術で有名になった心臓血管外科医の天野篤教授は、表題の近著の中で、天童と呼ばれた小学校時代、落ちこぼれの高校時代や一匹狼の外科医として歩んでこられた生き様を垣間見せてくれるだけでなく、戦いというフィールドであればどんな世界でも共通の心構え、志が必要なことを気づかせてくれます。ユーミンの『ノーサイド』が好きというところにラグビーとの接点(もうひとつの接点は、出身高校が今大会で花園に出場した進学校の浦和高校)を感じますが、教授がサインを求められたときに記す言葉があるそうです。

「明日のために今日の1日を大切に」―今日1日を大切にすれば、明日は必ず来る―という自分に言い聞かせるための「心の言葉」にもなっているそうです。ひとつの結果でダメージを受けても、やるべきことを続けている限り、乗り越えたときにはよい結果がついてくると教授は信じていると。

教授室にはこんな言葉の書を額に入れ飾っているそうです。上回生となる四年生を迎える生徒たちにこんな思いで夢を自分で作って欲しいと思います。

「この道を行けば どうなるものか 危ぶむなかれ。危ぶめば道はなし 踏み出せば その一足が道となり その一足が道となる 迷わず行けよ 行けばわかるさ」(アントニオ猪木)

 


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四年生になる前から『熱く生きる』習慣を” への2件のコメント

  1. いつもご指導ありがとうございますm(__)m

    さて、今回は途中まで「8中倉庫設置チーム」の一員でしたので、「大相撲南丘場所」から見学させていただきました。

    さて、久しぶりに「燃える闘魂」アントニオ猪木さんの「道」を目にしたせいでしょうか、Fukushimaコーチのblogを読みまして、早速、僕自身もチェンジオブペースに挑戦してみました。

    なるほど「言うは易し、行うは難し」そのとおりで、正直、できているのかいないのか、自分では全く判断がつきません(T_T)

    ちなみにS25にコツを聞いたところ、S25自身もよく分かっていませんでした…(*_*)
    (S25曰く、苦手とのこと)

    親子で何やっとんねんという感じですが、ラグビー本やwebなどで、親子ともども復習しておきます(^^)d

    猪木さんには負けますが、「熱い」気持ちは持ち続けないと!(と、密かに心に誓った次第です)

  2. S25父さん、
    先週は倉庫設置作業お疲れ様でした。
    『道』は有名なんですね。心臓外科医とプロレスラーは繋がりが悪いのですが、その道の求道者は同じ境地にあるんでしょう。
    やけどしそうに熱い親子で三年生必須科目を克服してください。ラグビーの教本にはないと思いますが、陸上のトレーニング本にはあります。今週もおさらいします。