カテゴリー: '16-6年生チーム

二年生、「さあ、才能に目覚めよう」

暖かな秋晴れの下、久方ぶりの広いグランドに二年生22人(4名欠席、S14の皆勤記録が途絶えました)が集まりました。今日も一時間以上前にS6がいちばん乗り。続いて登校のS10、H13、K16、R21が揃って黒ビブスを装着し、黒チームの面子がガラリと変わりました。メンバーが流動的になってきてよい傾向です。

今日は使用できるボールが限られていて、保護者の方に他のグランドから急遽取り寄せていただいたようです。ボールのない中でエアタッチラグビーも考えましたが、他競技を知るということでテニスボールを使った手打ちソフトボールに挑戦しました。野球を見たことはある生徒たちですが、やってみるとバッターボックスの立ち方、アウトの取り方など意外と構えやルールを知りません。後で聞いたら、昔のように学校や空き地でやらないんですね。全員集まって11人対11人のサッカーのようになり、ピッチャーマウンドの周りに立錐の余地もないほど群がっていました。それでもヒットが出たのはなぜ?バッターではA11が空振り一回転して大仰にこけて、コーチから「それは(Mr.ジャイアンツ)長島や!」と笑われていました。皆初めての経験だったようで楽しかったようです。

全体練習開始後、生徒たちを集め、先ほどのソフトボールでは皆それぞれ得意、不得意なプレーがあったようですが、自分の得意なことについて聞いてみました。キック、パスといった技術面の回答が多く出たので、「では、スポーツから離れて一日ずっと続けられることは何?それも強みじゃないかな」と違う質問をしてみました。「(テレビ)ゲームなら一日中でもやれる!」と自慢げに話す生徒が多かった中で、「息をする」、「心臓を鳴らす」という珍回答もありましたが、「本なら読める」(S10)、「絵を描く」(K20)というコーチ好みの回答もやはり出ました。今日帰ったら自分が一日続けられることについて考えてみるように宿題を出しましたが、覚えているかな。

スポーツで最大人数といわれる集団競技ラグビーとは単純明快で、プレーヤーの性格や能力は一人ひとり異なるという事実を踏まえて、その違いを活かすことにつきると思います。著名な投資家ウォーレン・バフェットは大学生を前に「私はきみたちとなんら変わりません。もしなんらかの違いがあるとすれば、私は毎日朝から晩までこの世でいちばん好きなことをしている。だだそれだけのことではないでしょうか」と、どんな投資家よりも辛抱強い男と評される人物らしからぬ拍子抜けた話をしたそうです。その辛抱強さという自らの強みを活かす道を切り拓いたことが今の名声に繋がったのは間違いない事実です。ラグビーでも生徒一人ひとりの強みを活かした適材適所の配置がチーム全体の大きな成長のキーファクターとなりそうです。まず、二年生には誰でも一人ひとりに強みがあることに気づかせることが先決ですね。

無意識に繰り返される思考、感情、行動パターンのことを才能と呼ぶそうですが、この定義に従えば、先ほど二年生が発言した一日中無意識に続けられることも才能と言ってもよさそうです。才能、知識、技術。この3つが組み合わさって初めて強みが生まれる。表題タイトルの本では、その強みの例として34の強みを紹介していますが、その中で二年生にあてはまりそうなものを以下列挙します。

◇目標意識:自分の行き先が明確でないと生活はたちまち苛立たしいものになる   ◇回復思考:ものを修理したり、(レゴなどで)何かを組み立てたりするのが大好き   ◇学習欲:学校でいちばん優秀というわけではないが、教わったことはなんでもスポンジのように吸収する   ◇活発性:「いつ始めようか?」と動き出したくてうずうずしている   ◇共感性:チームで何かを決めなくてはいけないとき、いつも「わかった。でも、あいつはどう思う?」と全体の雰囲気を感じ取ることができる   ◇競争性:勝てる勝負しかしない。もし負けたりしたら、腸が煮えくり返る性質   ◇規律性:几帳面でもきれい好きでもないが、決めたことが完璧に完了されることを求める   ◇収集心:知りたがり屋。遊戯王カードなど形あるものだけでなく、さまざまな情報に好奇心を覚える   ◇慎重さ:用心深く、油断しない。自分のこともあまり話さない。自分自身で考えることを好む。(コーチもこのタイプか)

今日の練習では、コーチが手に持ったビブスの色を見て団体行動することから始めました。横に3M感覚でゾーンを描き、最初の3Mのゾーンを0番、3~6Mを1番、6~9Mを2番、9~12Mを3番と呼ぶことに決め、コーチが決めた色別動作(緑:ダッシュ、黄:スタージャンプ、黒:うつ伏せ)を5人の同色ビブス集団で息を合わせて行う練習です。コーチがゾーンの番号をコールし、生徒が均等に横へ広がり、コーチの指示で行動開始。これはスムーズにできました。次に各集団毎で相談し、サインを決めます。コーチが黄を出せばダッシュ、黒ならスタージャンプという具合です。一分の円陣作戦タイム後やってみました、できたでしょうか。サインを知らないコーチがランダムで上げるビブスに自信を持って反応できていない生徒がかなりいました。間違っても何食わぬ顔で行動するようにアドバイスしたら、かなりできるようになってきました。

この他、二人一組で5M先の左手にいるコーチからパスを受け10M先の二番目のコーチ(右手に停止)にパスし、後続の生徒がそのボールを貰い、15M先の3番目のコーチにパスする練習を行いました。二年生には複雑かとは思いましたが、彼らは最初からうまい具合に連動していました。パスの精度も春から増しています。NZ式ハンズアップもよくできていました。次に、狭いゾーン(5M)のパスから広いゾーン(7~8M)へ攻めるイメージ(反対側では逆にワイドからナローに)でやってみました。これも難なくやってのけるところが流石二年生。すばらしい。それならば、いじわるコーチは考えました。3人でできるか。それも最初ボールをコーチから貰った生徒はパスしてすぐにうつ伏せ、次の生徒はパスしたらスタージャンプをするというインポシブルなミッション付き。なんとこれも数回やっただけでノッコンせずに難なくクリアしました。いじわるコーチも参った(*_*)。

最後に新しい黒ビブス軍団とその他の色でミニゲームを行いました。今回黒が初めての黒星。群雄割拠の時代到来のようです。十人十色の強みを持った生徒たちが誰とチームを組成しても同じように連動できるチームが強いチーム。強いから勝つのではなく、勝つことで強くなっていくチームを目指したいものです。

来週はグランド確保できずお休みです。来週の週末はゆっくり家族といっしょに自分の強みを考えてみるのも良いかもしれません。

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2 thoughts on “二年生、「さあ、才能に目覚めよう」

  1. 今回は残念ながら学校行事で皆勤賞をあきらめざるを得ませんでした。

    黒ビブスメンバーが入れ替わってのミニゲーム、観たかった!生徒一人一人がどのように今日の試合について感じることがあったか、次回以降の練習でどう出てくるか楽しみです。

    息子には、11/23の試合まで、練習が何回あるかカレンダーで数えさせ、ほんの数回しかないこと、それも雨で中止になれば少なくなってしまうこことを教えました。
    だからこれからの練習はより一生懸命やろうと。
    でもすぐ忘れてしまうんですよねぇ、次回練習では、いつものようにぼーっと上の空の瞬間が多々あるかも知れませんが・・。

    今日学校行事が終わってから、夕方親父と少し練習しましたが、
    ドロップキックとスクリューパスはうまくなりたいらしく熱心にやってましたが、
    近い距離でのパスは「取りやすいように放る」のではなく「放り投げて」ましたので注意しました。
    取る側が取りやすいように優しく投げろと。

    でもあまりやかましく欠点の矯正を言うよりは、強味を褒めて伸ばしてあげるほうがいいのでしょうね。
    いつかFコーチもいつか触れておられましたが、確かに宿沢弘朗氏は著書『テストマッチ』で、
    長所を伸ばせば短所はある程度消える、という意味のことを書いてましたね。
    (手元にその著書がないので字句の正確を期し難いのですが)

    ともあれ、次回練習は、S14は元気で参加する予定です!
    親父も元気に(?)、DVD鑑賞会に出席予定です。

  2. S14父さん、
    昨晩は観賞会お疲れ様でした。
    試合では自陣インゴール側で背番号を遠く眺めておりブレイクダウンのやりとりが見えていませんでしたが、鮮明なDVD映像で息子さんたちが身を挺していかにボールを生かしていたかがよく分かりました。「テストマッチ」の宿澤さんも書かれていたと思いますが、まさに戦略は細部に宿るとはこのことかと思いました。
    仲間を思いやるパスなどのプレーはコーチからアドバイスさせていただきますので、父さんは伸ばしたいと思っているスキルのトレーニングに付き合ってあげてください。