カテゴリー: '16-6年生チーム

二年生が立ち止まる時間をつくるだけで本当に大切なことが見えてくる『18分の法則』

二年生のイベントは雨男(コーチ説が専ら)の仕業か雨に祟られ続けでしたが、今朝も雨とは。しかし、二年生の日頃の行いのおかげで試合前に雨がぴたっと止み30年以上続く伝統の交流戦をとどこおりなく終えることができました。二年生チームTYN26は3勝1敗。ディフェンスでうるさいくらい声を出すことを目標に臨み、茨木RSさんとの交流戦2試合とも勝利の成果を上げることができました。保護者の皆様、早朝からグランドの雨水除去作業をいただき大変ありがとうございました。

すべての物体は外部から力を加えられない限り、静止している物体は静止状態を続け、運動している物体は速度が変わらず直線運動を続けるとされる「運動の第一法則(慣性の法則)」は人間にも当てはまるようです。声を出す目標をやると決めても、行動せず静止したままであれば、何の結果も得られません。よしんば行動を起こしたとしても明確な目標を定めないままであれば、注意散漫、なりゆき任せの場当たり的行動に終始してしまい、これまた何の結果も得られず、次回も同じ結果を招く悪循環。

土曜日の日中の天気に明日はやるぞと多くの生徒が思っていたはず。ところが今朝起きて外の天気を見て試合へのモチベーションが大きく下がったことでしょう。今朝試合前に生徒を集めて今日の目標を再確認し(T18もK20もちゃんと「声を出す!」と答えてくれました)、一つだけアドバイスしました。人間は、意識的に行動していないとき、ある出来事が起きるとその出来事に反応した結果を生み出す。今日は雨が降って地面がドロドロでいややなと思いながら試合をすれば、良い結果になる(勝てる)だろうか。【出来事→反応→結果】の順番を【出来事→結果→反応】に変えてみたらどうだろう。今日は声を精一杯出して相手を圧倒したい、だから地面が濡れていようが関係なく声を出そう!相手も条件(天候、グランドコンディション、雨に対するネガティブな気持ち)は同じ。過去(雨が降って地面がドロドロになった出来事)に反応せず、未来(相手を声で圧倒する)に反応すれば、結果はまさに雲泥の差となることは明らか。今日は、コーチのアドバイスが伝わったのかわかりませんが、純白のジャージーを真っ黒にして伝統の一戦の歴史に新たな一ページを刻んでくれました。彼らが刻んだ18分のドラマを以下記しておきます。

第一試合(10:30~10:48): チームT(タックル)vs茨木A

【前半:T2(IC)、S6(GC)、H9(TC)、S14、T18】マイボールでキックオフ。茨木のフラットなディフェンス網は固く、なかなかゲインラインを割れず相手ボールとなり逆に押し戻される苦しい立ちあがり。しかし、今日の二年生は冷静に目標だけを考え大きな声で相手をノミネートし素早いアップディフェンス。栄えあるゲームキャプテンS6の名刺代わりのファーストタックルからターンオーバーしたボールを繋ぎT18がトライ。同じパターンでタックル→ターンオーバー→パス→パス→S6の2連続トライ。5分以降は勢いのある相手の縦攻撃から防衛一方の展開の中、巨漢フォワードに飛びこまれトライ献上。前半終了間際、モールからT18がサイドに抜けだしT2に絶妙なパスでトライ。4-1で後半メンバーに最高のバトンタッチ。

【後半:K4、Y5、S6(GC)、S10、S14】後半も続く相手の縦攻撃を真正面で身体をはって受け止め相手モールからうまくボールを奪ったK4がモールサイドを駆け抜けトライ。しかし、力強い縦攻撃からの横展開に振り切られ右隅に2本目のトライ献上。この時、GCのS6はカバーディフェンスで最後まであきらめずタックルに入っていました(MOM)。この気持ちが次のキックオフからの積極的な攻撃に繋がり、ラックを連取。S6は練習通り、タックルで倒された後、縦長の限界まで身体と腕を伸ばしてボールをキープ、T18の完璧なブリッジ)しパスが通り、最後は起き上がって戦列復帰したS6のトライ。S10も自陣ゴール前からあわやトライかと思わせる独走もありました。6-2でノーサイド。

第二試合(11:10~11:28): チームN(忍耐)vs徳島

【前半:Y3(GC)、A11(IC)、K12、M23、R24(TC)】開始1分、A11がモールからサイドを抜けて突進。腰高なれど大股でガツガツと暴れながら先制トライ。今日のA11はこれで終わりません。キックオフで受けたボールを両手で抱え、奔馬の如くトライライン一直線で2本目のトライ!どうした?いよいよ眠れる獅子開眼か(MOM)。最高の立ちあがりでしたが、ここからは忍耐のラグビーが続きます。そんな中、用事続きで休みが多かったK12がゴール目前で大きな相手を追いタックルで仕留めゴール死守(TYN26特別賞受賞。試合終了後、頬を伝う黒い涙の線が印象的でした)。その後、快速ウィングに連続トライ献上で2-5で折り返し。

【後半:Y3(GC)、K8、K12、K20、R21】後半は劣勢の中、誰がタックルで気を吐くかに注目です。まずR21がタックルを見せます。タックルが出るとアタックに勢いがつき何度もゲインラインを割ろうとする力強いプレーが出ていました(あとは味方を鼓舞する声を出そう)。初めての厳しい合宿を乗り越えたK8もボールを持って前進していました。ハーフタイムでK20にはトライを何本も取っている黄色のシューズの生徒をスピードが乗る前に止めるよう指示。その指示通り、何度も愚直にタックルを敢行していました(TYN26特別賞受賞おめでとう)。結果は2-7でしたが、選手それぞれ自信に繋がるゲームとなりました。

第三試合(11:50~12:08): チームY(勇気)vs茨木B

【前半:H13、R15、K16(TC)、J22(GC)、S25(IC)】チームTが魅せた声を出すラグビーができるか期待が膨らむ中、相手キックオフ。R15が早速、水ならぬ「泥を得た鰻」ステップでするすると左ライン際を快走し先制トライ。3分にも相手モールからボールを奪取し自陣から右隅へ2本目の独走トライ。トライだけではありません、守りでも声を出し、低いタックルでピンチの芽を確実に摘み取っていました(MOM)。ICに任命されたS25も左タッチ際で力強い走りを披露。惜しくもタッチに押し出されトライならず。J22も黙っていません。自陣ゴール前でトライを未然に防ぐタックルでこぼれたボールを繋いで最後はJ22が自分でトライ。二年生でタックル後、すぐ立ちあがりアタックに加わるとはおそるべしリーサルウェポン。3-0で後半に襷を譲りました。

【後半:S1、H7、H13→R15、J22(GC)、R27】「後半も出たい!」とめずらしく大声でアピールしたH13を続投。この采配が吉と出て、H13が相手ゴール前のマイボールラインアウトから威勢よく飛びこんでトライ、ゲームを決めました(MOM)。H7も今日は町内運動会(代表選手)が中止となり、駆け付け参戦してくれました。トライこそなりませんでしたがよくボールを持って突進していました。最後はS1がトライ。来年の交流戦はさらに拮抗したゲームになりそうな余韻を残しノーサイド(5-2)。茨木RSさんも他の北摂スクールさんと同じく素晴らしいチームでこれからも近隣で切磋琢磨させていただけることに感謝申し上げます。

第四試合(12:50~13:08): チームT(タックル)vs徳島

【前半:T2(IC)、S6(GC)、H9(TC)、 S14、T18】川西市RSさんの不参加で試合数が6試合から4試合になり、チームTに最後の試合を託しました。他のチームのお手本となるラグビーをやるように指示した通り、声を出し、練習通りのブレイクダウン(S14の忠実なダウンボールやブリッジ、チームメイトによく通る声はお手本です)で数知れないターンオーバーから得点を重ねる申し分ないゲーム展開となりました。ただし、ふとした油断の隙をつかれゲインラインを割られたシーンでT18が全速力でカバーディフェンスに入りゴール目前、激しい追いタックルでピンチを凌ぎました。朝の体操で各TCが大声で「1,2,3,4!」と言って他の生徒も「5,6,7,8!」と大声で呼応していましたが、このチームのTCとして今朝も早く目が覚めたH9は、ソニービルウィリアムスに感化された(?)T18、S6のトライに続いて4連続トライの大活躍(MOM)。6-1で折り返し。

【後半:K4、Y5、S6(GC)、S10、S14】後半交替したメンバーも猛攻の手を緩めることがありません。K4の3トライ(チェンジオブペースで陥れたトライはトップリーガーか)の他、S10、Y5もトライまでよく走りきりました。13-3でノーサイド。徳島RSさんも長い伝統を感じさせるチームプレーで、来年の再会が楽しみです。未明から遠路はるばる遠征いただきありがとうございました。

一年生から数多くの試合を重ねてきましたが、今日初めて1人も怪我やスタミナ切れで交替しない試合が4試合全てでできました。茨木RSの校長先生が開会式でおっしゃった思い切りのよいプレーが全員できたことが大きかったと思います。そんなプレーができたのも声を出すと全員が決めて、憂鬱な雨に反応することなく、立ち止まって冷静に考え行動に移した結果でしょう。チームYとチームNは1試合わずか18分の持ち時間に目標を明確に定め行動を起こすことができました。出来事に反応するだけの習慣では望ましい結果を生まないことがわかった一日でした。時には雨にも感謝しないといけません。

解散前のMOM発表で、もう一つのTYN26特別賞をある生徒に用意していました。先月の練習で骨折しながら練習と今日の試合で外から大きな声で応援してくれた小さなエースM19君です。2週間後の復帰できる日が今から待ちどおしい限りです。

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2 thoughts on “二年生が立ち止まる時間をつくるだけで本当に大切なことが見えてくる『18分の法則』

  1. コーチの皆様、父兄の皆様、足下の悪い中お疲れ様でした!
    R15父は別の試合のため、最終試合ぐらい間に合うかというスケジュールのはずでしたが、早めの解散となったため結局全く顔を出せず送迎だけに終わってしまいました。水抜きも手伝えず申し訳ございませんでした(>_<)

    家に帰り早速母ビデオでR15の試合をチェック!
    今回の課題である「声を出す」についてはビデオではチェックできませんでしたが、コーチのコメントに「守りでも声を出し・・・」とありますし、MOMも頂けたので合格といったところでしょうか(^_^;)
    父からは、①ラック(下)のボールへの働きかけ、②ルーズボールへの反応、の2つを課題として与えてました。
    ビデオを観る限り、以前に比べると反応が良くなっているように思いました(*^_^*)
    実は昨日AMのスイミングで先週の練習時に先生に「絶対合格できない」と言われたテスト(背泳)に合格。テスト前にアドバイスしたことは「意識すること」。キックが弱かったようなので、足を動かすことを意識してしっかり動かすようにと。テストは私は見れなかったのですが、母曰く「全く別人のようだった」と。
    で、PMに今日の試合に向けて家の前で上記課題のミニレッスン。スイミングと同じく「意識すること」の話をし、「目の前のボールを取ろうとする意識を持てば自然と反応が速くなる、意識しなければ取れるものも取れない=相手に取られてしまう」と。
    あとは反復練習。
    いつもミニレッスンの時には正直あまり目が輝いていないのですが、スイミングでの合格によりテンションが上がっていたのか、自信になったのか分かりませんが、非常に積極的に取り組んでました(^_^;)
    なにはともあれ、ゲームで少しでも活きたのなら良かったなと(*^_^*)
    これからも嫌々にならないように少しずつ何かしていきたいと思います!

    母ビデオはR15の出ていない試合はありませんでしたので、成長著しいTYN26たちの全試合が観れていません。鑑賞会を楽しみにしたいと思います(^_^)/

  2. R15父さん、
    「意識すること」はNZでも、ラグビースキルを上達させるための基本的な考え方だそうです。そんなミニレッスンの成果が早速試合に出ましたね。水泳では水を得た魚だったようで、やはり父親力はどんなコーチングにも勝ります。お父さんも大活躍の息子二人を肴に酒量が増しそうですが、飲み過ぎないよう胃識してください。