カテゴリー: '16-6年生チーム

一年生とモチベーション3.0

今日は午後の涼しくなった時間帯の練習となり、最近全国の学校で多発している熱中症の心配もなく、生徒は2時間たっぷり汗をかきました。十三中の狭いグラウンドの端に22人が集まるとここのグラウンドは一層狭く感じます。1年生チームは現在増殖中で体験の生徒も含め26人になりました。体験の生徒もこの大部屋で早くメンバーとして揉まれて強いラガーマンになってほしいと願っています。

4日後に茨木との定期戦を控えた大事な練習であり、コーチは気合いの入った練習をと考えていましたが、生徒のバイオリズムは少し違ったようです。

練習前にコーチから「準備すること」について紙を用意して説明しました。ご家庭で何やら細かく記載されたA4の用紙がお手許にあろうかと思います。試合前日から試合当日の間に想定されるさまざまな問題を列挙しました。例えば天気予報が雨だとしたら何を準備したらよいかと生徒に聞いたところ、「傘やレインコートを用意する」と答えてくれました。さまざまな問題が発生した時に助けてくれる人や物があることに気付きます。天気予報士から、送り迎えのお父さん・お母さん、交通機関、レフェリー、試合相手、仲間までたくさんの人が支えてくれます。そして、人間には、記述するという知恵もあります。忘れものをしないようチェックリストを作成できますし、日誌で心の準備も整理できます(日誌の活用についてはまたの機会で説明したいと思います)。1年生が合宿を越えたシーズンインの大事な試合に向けて準備不足で何もできずに試合が終わったではコーチとしても辛いものがあります。「幸運は準備と機会が巡り合ったときに訪れる」という名言を古代ローマ帝国の思想家セネカは残しているそうです。このことは逆説的に、「不運とは現実と準備不足が巡り合ったときに訪れる」ということもできるでしょう。準備は幸運の必要条件でありながらも十分条件でないわけで、あとは機が熟すかどうかにかかっています。しかし、わが一年生は春より、こころの準備から入っていますので機は熟していると思います。過去の成功者はスポーツであれビジネスであれ、この準備を常に怠らなかったとはよく言われることです。予測できることを全て想定して試合に臨む姿勢を今から身につけて、将来の大きな夢を実現してほしいものです。この紙をこれから続く試合の前日に確認して、バッグをパンパンにして会場に現れてください。

練習終了後に生徒を集め、恒例のメンバー発表ならびにキャプテンの指名を行いました。今回は3チームをエントリーしましたので、茨木との2試合を行うABチームと大工大スクールと試合するCチームに分けました。キャプテンは夫々、S6、J22Y5に頑張ってチームを引っ張って貰います。組み合わせの都合上、どうしても茨木と試合ができない生徒がいますが、大工大スクールも大阪の強いスクールですから勝利をめざしてほしいと思っています。

茨木と戦うチームもはるばる徳島から遠征される徳島ラグビースクールとの友好を深めて貰いたいものです。生徒には、合宿前から説明している「ゲインライン」を割られないことでトライされる確率を少なくすること、今年で最後となる6年生を応援することを強調しました。

子供は本来、学びたいことをひとりでに定め、自主的に学ぶ性質を持っているそうです。コーチはこれまであたりまえに行われていた上から目線で教師や指揮官のようにふるまう指導法を変える必要があるかもしれません。今回のワールドカップに出場したジャパンはフランスにあと4点までつめよりこそしましたが、その後のNZ戦ではほとんどゲインラインを割れず、NZのベーシックなランニングラグビーに全く歯が立ちませんでした。一方で格下のアイルランドがワラビーズを倒したり、カナダがフランスとシーソーゲームを展開したりと他国の選手とのモチベーションの違いは何なのかを考えさせられました。個々の体格やスキルはほぼ同じレベルになったと思います。主将も堂々とこなれた英語で試合後のインタビューに応じて頼もしさが増しています。でもどこかが違うと思うのは私だけではないと思います。アメとムチを動機づけとしたモチベーション2.0から、生徒自身がラグビーを好きになり、興味を持ち、うまくなりたいと思って能動的に取り組むモチベーション3.0の発想転換が必要な時期に来ているのかもしれません。といいながら、生徒のやる気を引き出している「マンオブザマッチ」は継続します。

4日後の試合の翌日に1年生の親子がたくさん集まってバーベキュー大会を行います。春の長雨の影響で、こういったご家族とのコミュニケーションの場がなかったですので、今から楽しみにしています。

 

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