カテゴリー: '16-6年生チーム

裸足になった一年生

金曜日から続いた雨と日曜日午後の雨の間隙をついた晴れ間のラッキーな練習となりました。おまけに天然芝のグランドは青々とした緑色の絨毯で敷き詰められており、コーチはすかさず裸足練習を決めました。北摂大会以来ずっと会えなかった一年生に漸く再会できたことも嬉しかった。皆今日の芝での練習を楽しみにしていたようです。

練習前に出欠(21名出席、2名欠席)の確認後、北摂大会のレビューを行いました。3チームの各キャプテンに試合の感想、キャプテンと指名された日から試合までの一週間の気持を尋ねました。どのキャプテンもキャプテンになってみてよかった、一週間が待ち遠しかった、次もキャプテンをやってみたいという思いを持っていました。次回の大会では、それまでの練習で頑張った生徒を選びたいと伝えました。次は自分と皆思ったかもしれません。皆黙ってコーチの話を聞いていました。そして、北摂大会で最も印象に残ったプレーヤー(マンオブザマッチ受賞者)のT18がいったい1.5試合に何本タックルを成功させたかを皆に尋ねました。答えは20本でしたが、皆の想像をはるかに超えた記録でした。しかし、仲間は皆、なぜ彼がマンオブザマッチに選ばれたかわかっていました。それだけインパクトを与えたビッグプレーだったわけです。本人は照れていましたが。

生徒に裸足になるように指示すると、最初に脱いだ生徒たちは必ず走り回り、「冷たい」とか「くすぐったい」とか反応を示します。この感触を掴むことが大事なんだと思います。人間が自然にかえる瞬間ですね。Human beings are part of nature!

まず、2人ずつ3組の鬼が手を繋いだ状態で他の生徒を捕まえさせ、全員が捕まってひとつの線になるまで続けます。ひとつの線になったところで円を作らせ、その場に座らせました。座ったところで、自分の胸に手を当てて鼓動を確認します。次に、前の人の背中に耳を当て人の鼓動を確認してもらいました。これで朝の目覚めの悪い生徒も落ち着いてきました。次に、立って円を作り、中に残した4人が円の外に逃げないようにブロックをするゲームを順番に行いました。うまく脱出する生徒もいれば、行く手を塞がれ立ち往生の生徒もいました。

【納豆ねばねば】全体を2組に分け、一組には直径2Mの円の中で仲間と手をつないだりして剥がされないように指示しました。もう一組には、このねばねば納豆を円の外に引きずり出すよう指示しました。必死になって耐える生徒や、数人に力づくで強制排除される生徒など見ていると腹をかかえて笑ってしまいます。これは芝のグランドではお勧めです。

【とかげのしっぽ】4人がジャージを腰のあたりを掴み一列でとかげのしっぽのようになります。鬼の一人が4人と向き合って、このトカゲの最後尾にタッチできたら勝ちというゲーム。意外と難しいゲームで、フェイントを使ったり大外に回り込んだり工夫が必要です。1年生はまだ手の力が弱く、簡単に手を離してしまいますので、遠心力で放り投げられる様も笑えます。

【ハンカチ落とし】ハンカチの代わりにボールで行います。大きな円をいかに膨らまずに弧を描いて走れるようになるかがポイント。日本人の弱い弧の走りの感覚を1年生から自然に体得させます。すべりやすい芝ですが、誰も転ばず上手に身体を傾斜させて走っていました。

【外周リレー】ハンカチ落としと同じ円の周りを一人1周・2周走でリレーを行いました。これも同じ目的です。

次は4人一組のユニット練習。

【手渡しパス競争】4人が小さな円になり、手渡しパスを行います。1周できたら座り、一番を決めるゲーム。チームワークの意味を感じて貰います。

【ボールキック運び競争】4人が手を繋いで小さな円になり、中にあるボールをやさしく蹴りながら5メートル先のコーンを回って帰ってくる競争。これもチームワークがないとできません。中にはケンカ状態の組もありました。

【上下・左右手渡しパス競争】4人で後ろの生徒にパスをして1周できたら座る競争。相手を見ずにイメージでパスをすることを習得させます。

休憩の後、

【7ボール】いつもならボール7つで行いますが、今回は取りやすいコーン7つで行いました。アジリティ(俊敏性)重視のトレーニングですが、もうひとつ意味があり、見ている仲間がどこに2枚コーンが集まっているかを指示するチームワーク力が問われます。走る人がポケモンになって指示に従うわけです。組によっては、「僕ポケモン」ではなく、「のけもん」になってサラリーマン川柳よろしく孤軍奮闘の戦士もいました。

【ふん転がし】自然に帰ったついでにふんころがしも体験しました。ボールを横、縦で股をしっかり割った四股の状態でボールを見ずに前を見ながら転がす練習です。小さい時から楕円球の特性を身体で感じて貰います。

【体幹トレーニング】まず、膝をついて直立した状態で後ろからコーチが押します。次にあごを引かせた状態(チン・イン)で構えさせ、前に倒れにくい感触を掴んで貰いました。次に、右ひざをついた状態で左脚を後方に伸ばし、右腕を前方の伸ばし固定する練習です。これが安定している生徒は未だいませんでした。最後に肘とつま先だけでうつぶせた身体を支える練習をどれだけ長くできるかを競いました。1分以上できる生徒がたくさんいてびっくりしました。

最後に、2組に分かれて、ピラミッド競争。3M毎にボールをダウンボール・ピックアップを繰り返し前に進めてピラミッドのように積み重ね、これを壊していく(戻す)練習を行いました。

折角おニューのスパイクだったのに、最後まで人間になれず(妖怪人間ベムか)裸足で通してしまいました。

最後に集めてコーチは皆に問いました「皆に足りないものは何だと思う?」R15はすかさず「勇気!」 「う~ん。それも足らんな、他には?」。と、S14「チームワーク!」。「そうや、チームワークが足らん」。世の中のことをよくわかっている一年生でした。コーチは実は生徒なのかも知れません。

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2 thoughts on “裸足になった一年生

  1. 皆芝生の上で楽しそうに練習してましたね。
    色々な練習メニューが体験でき、
    子供たちは楽しみながらも一生懸命に取り組んでいました。

    あの裸足で楽しそうに走り廻っている姿を見ただけでも、
    ラグビースクールに入ってよかったと思います。

    *ウチの息子は「ボール落とし」が気に入ったようです。
    午後は雨で外遊びができなかったため、
    家の中で幼年の妹と、
    延々30分「ボール落とし」をやっておりました。
    付き合ったオトーサンは汗だくになりました。

    いつか別のオトーサンも書き込まれてましたが、
    目標が明確になったことにより、
    程度の差こそあれ、
    子供たち一人一人に「向上心」が芽生えてきたように見えます。
    (S14は数日後にコーチのお話をスッカリ忘れてたりしますが)

    9月までは試合はないだろうと言ってたせいか、
    7/24に試合が組まれていることを伝えると、
    「よっしゃー!」と喜んでおりました。
    今度はマンオブザマッチにトライしてみたいそうです。そのために自分に足りないものは何か考えてみろと言ったら、
    「チームワーク」と同じことを答えておりました。
    (父に似てピントがずれた奴です)

    試合まで、
    自分個人に足りないものを彼なりに考えて試合に臨んでくれればと願っています。
    当日天気に恵まれればいいですね!

  2. 1か月見ない間に子供たちはまた成長していました。14番は上の空の瞬間がときにはありますが、きっと頭の中では自分なりにラグビーのことを考えているんだろうなと思います。「チームワーク」という正解を答えられたのも、目的意識が芽生えている証拠です。次の試合での活躍が楽しみです。
    身体には負荷がかかっているけど頭は脳内モルヒネどくどくの練習を次も考えておきます。