練習の都合上、「3人向こうへ行って」と指示したことがありました。
ところが4人向こうへ行ってしまい、それに対し「4人いるぞ。3人だぞ、3人」と後ろから言ったところ、何か言われていることは分かるものの、なかなか4人いることに気づきませんでした。このくらいの年頃の子どもは周りを見ていませんよね。
2列に並ぶ、と指示したときに、2対10くらいに並んでしまい、反対へ行けと指示すると今度は10対2になってしまう、というのはよく経験するところです。実はこれはけっこう高度な能力を必要とするように思います。全部で何人くらいいるか、半分で何人くらいか、あっちが少ないとなったら何人かそちらに行こうとするわけですが、一人行った、二人行った、と数え、このへんでやめておこう、というのを全員が認識していないと一回でぴったり半分には分かれられません。
このくらいの能力だと、相手を見て味方を見て、ラインを作るなんていう練習ができるわけがありません。
ということで、周りを見て、自分はどうしたらいいかを考え、素早くうごくという練習を考えました。チームを二つに分け、「3人向こうへ」などと指示し、ぴったり3人が向こうに早く着いた方が勝ちというゲームをしてみています。
「3人向こうへ」の場合は、自分より前の人数を数えて4人目が踏みとどまらなくてはなりません。2人しか行ってなければ3人目が走り出さなくてなりません。前回は5点マッチ3回で、概ね反応できましたが、最後の一人になると決めて動かないで見ていると一番判断が楽ということに気づいた子がいましたので、今回は少し難しくしてみました。
今回は、「3人向こうへ」と言われたら、3人は向こうへ走るが、残りは反対側のゴールに走るというルールにしました。お互いに背中を向けて走ることになるので、格段に難しくなり、白熱したゲームになりました。
面白かったのは、味方に指示を送る子や、最後まで残って人数調整をしようとする子など、いろいろな役割を果たす子が自然発生的に現れたことです。慣れてくるといろいろな戦術ができてくると思いますし、こういう働きを上手に褒めて奨励していけば、チームワークのいい好チームになるのではないでしょうか。
5段階評価で、盛り上り度5、熟達度3くらいでしょうか。もう少し続けてやってみた方がいいように思いました。