6年生 茨木ラグビースクール交流戦

快晴のもと、茨木ラグビースクールさんとの交流戦を迎えることができました。集合時間前から個別に練習に取り組むほど気持ちは前に向かっていましたが、厳しい結果の一日になってしまいました。各個人で見ればいいプレーはたくさんありましたが、メインイベントとして捉えていた茨木ラグビースクールさんとの交流戦での敗戦はかなりのショックでした。たくさんの応援をいただいたのに結果を出せず、生徒たちは本当に悔しかったと思います。コーチ自身もここまで悔しいと思ったことは、自分で試合に出ている時以来です。
ただ、絶対にこのままでは終われません。ここから這い上がって行こう。課題は明確です。問題点を一つづつあらいだしだし、来週からの練習でクリアして行こう。
各プレイヤーへ一言づつ
1 ソウスケ 最もFWらしいプレイヤーだと思う。ポイントへ一番に向かう気持ちを試合中に忘れずに
2 カジン 本当によくがんばっていた。それだけに悔しかったと思うが、一緒に立ち向かおう。
3 ゼン ナイストライです。ゼンが活躍するとみんなが盛り上がります。だから常に活躍してください。
4 アユム いい突進があったが、あの突進をトライに結びつける次のプレーを確実に
5 リク 君に対し、多くのプレーを要求するがそれができる実力を持っています。責任を持ってみんなを引っ張ってください。
6 リョウタ タックルを何度も決めていました。格段にうまくなって行っている。
7 マサタカ もっとできる。気持ちをもっと前面に
8 アユム 大きい相手に怯まず向かって行けていた。
10 ユウスケ もっと積極的に。ディフェンスは安心して見ていれます。
11ケイタ 確実に狙ったところに落とせるキックの精度を高めること。バックスラインのアタック、ディフェンスのラインコントロール、期待していることは多いです。
12 ユキムネ 今回、合宿や讃岐遠征の時のようなリードや積極性が見れなかった。もっと好きにやっていいと思う。
13 リョウタ タックルやモールラック頑張ってました。もっと大きな声で指示、ボールを要求しよう。隣のお父さんに負けない声、期待してます。
14 コウスケ 1対1で絶対に負けない気持ちを強く持つ
15 ケンタロウ 合宿からの好調をキープしています。タックルをした後、受けた後のプレーをもっと素早く。
17 リオイ ディフェンスで前に向かって行けていた。次は攻撃参加でいいとこ見せてくれ。
18 フミヤ 徳島との第二試合いいところが出ていました。低いあたり、タックルを身につけよう。
20 ケイタ 前に出るタックルが今回の試合の課題だったが、そこをもっとこだわって欲しかった。それ以外は100点
22テツヤ グランドが広かったらもっとたくさんトライできたと思う。課題であったタックルが今回確実に脚をかきながらできていた。今回のMVP

茨木RS交流戦 4年生

天候不順などで、なかなかまとまった練習が出来ないままむかえた交流戦。
我々、TRS4年生チームにとって試合は「普段の練習の成果を発表する場」と据えている。
いわば、学校や塾での実力テストのようなもの。試合の内容は普段の実力がそのままそこに晒される。
勝敗の結果がその頑張りに対する評価となるのだ。

本日の相手は四国から徳島RS、寝屋川RS、そして北摂の強敵でライバルの茨木RS。
とはいえみな同じ小学4年生。気持ちでは負けるわけにはいかない。
そういう試合に臨むメンタルの調整もこれからもっと意識していかねばならない。

いまここで今日の試合結果についてコーチからはとやかく言わない。
メンバーそれぞれが内容や評価を既に感じていると思う。
もちろん、いい場面がいくつも見られた。思わず、「上手い!」と感嘆した場面もあった。
君たちの真のポテンシャルを確認できてほっとしてる。

しかし、反省点も最後にそれぞれ語ってくれたように、目の前には君達がクリアしなければいけない大きな壁があると思う。
それを肝に銘じて次の練習に臨んでほしい。

コーチとして今後の課題もいくつか感じ取れた。
モール、ラック、タックル、パス、ランニング、
メンバー個々の得意・不得意も垣間見れた。
我々も練習メニューを練り直し改善してゆく。
だから一緒に頑張っていこうではないか。

最後に、今日言い忘れたこと。
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8月の合宿においては、メンバー個々のスキルやモチベーションの向上が感じられていた。
これはなんのための合宿だったのか今一度思い出してほしい。
単なる林間学校ではなかったはず。
仲間との繋がりをしかと感じたはず。
チームワークで臨む、声を出して頑張ると、みんなで誓ったではないか。
・・是非思い出してほしい。

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三年生の真の賢者が『「経験知」を伝える技術』

心配された週末の雨も杞憂に終わり、逆に熱中症を懸念しないといけないほど厳しい残暑の中、伝統の定期戦が開催されました。夏合宿からわずか2回のチーム練習で北摂のライバル茨木RSさんにどこまでチームとして対抗できるか、ぶっつけ本番の気持ちで今朝を迎えました。少年球技場に到着するなり、チームフィロソファーのゲームキャプテンから挨拶と同時に受け取ったメモには鉛筆でこう大書してありました。

せんりゃく

つねにこえをだす。                                             グラウンドを広く使う。                                            ポケットでみんなでトライをとる。                                     一点もやらない。

この「せんりゃく」の下にチームのスターティングオーダーとサブスティチュートの選手名が記載されており、これを読んでコーチの不安はすっかり解消されました。

コーチの今大会の関心事は、三年生32人の大組織の「知識ギャップ」をいかに埋めるか、埋めるとすれば誰がその役割を示すのかをということ。知識ギャップとは、ある人が知っていることと、ある課題をうまくやり遂げるために知っているべきことの間のギャップのこと。夏合宿で新しい知識をフレッシュな脳内にたくさん詰め込んだ生徒たちではありますが、自分の頭の中ではすでに知っていると認識されているプレーでも、いざ状況の異なる試合の中で知識の引き出しから最適な解を取り出せるとは限りません。そのギャップを埋めるのは何かと考えたとき、偶然や運に期待しても始まりません。チームフィロソファーの名前の通り、「賢者の知恵」こそがギャップを埋めるのではないか。三年生の真の賢者は今日どう行動するのか。この一週間コーチのロートル化(すでに死語か)した脳内を跳梁していた仮説めいたものがあながち的外れではないと感じることになる6試合となりました。

第一試合:寝屋川RS×チームセイバー(Y3、Y5、H7、H13、R21、M23、R24、E28、H29、K31、H32)1-6負

試合前大の字になって目を閉じ、頬にそよ吹く風を感じた生徒たちでしたが、ゾーンに入った様子は未だ感じられないままキックオフ。3分間の膠着状態を破ったのは淀川の対岸チーム。先行されながらも、4分、合宿以降成長著しいチームキャプテンM23の中央突破トライ、さらにはY3の追いタックル(前半Man of the Match)、Y5のゲインラインを超える豪快なランと何度も相手の前進を阻止するタックル(後半MOM)、「やられたらやり返す、それが俺の流儀、倍返しだ!」と言わんばかりのハッスルプレーもここまで。試合後、他のチームが分析した通り、「ディフェンスが前に出ていなかった」、「声が出ていなかった」試合でした。それでも、大きな収穫は、初出場のH32が「次も出さしてください」と真剣な表情で志願したこと。モールの中でもみくちゃにされながらもボールに食らいついた闘志はこれからの成長に繋がるに違いありません。

第二試合:徳島RS×チームマッスル(K4、K8、H9、S10、K12、S14、R15、K16、K20、J22、T30)15-0勝

R15の突進からラック→J22のトライという勝利の方程式からスタートしたゲームは1分毎のトライラッシュ。相手スクラムから後方にこぼれたボールをH9が奪いトライ、R15はラック、モールサイドをうまくついて連続トライ。ここまでは経験知の豊富な生徒の活躍でした。ここからがこれまでと違う展開となりました。試合前の練習で激しい当たりを見せアピールするK8を急遽先発メンバーに起用。気合い十分なK8がオープンに走りこんで力づくのトライ。R15、S10のトライの後、またもK8のトライ(MOM)で前半終了。後半はK4の3トライ(相手ボールを横取りする技も伝授の難しい経験知の成せる業、MOM)、J22の2トライ、S14、R15のトライとベテランズの技の競演となりました。イメージキャプテン初選出のT30はフル出場ができず悔しそうでしたがが、先輩たちの流れるようなプレーを間近で見られたことは良い経験となったことでしょう。

第三試合:茨木A×チームフィロソファー(S1、T2、S6、Y17、T18、M19、S25、R26、K27)5-0勝

この試合の前に六年生の定期戦を砂被りの中央席で観戦した生徒たちのゲーム評は辛辣。「ディフェンスが前に出るのが遅かった」、「相手をノミネートしてない」。。。コーチも「タックルした後、T18のようにすぐに起き上ってボールに絡んでなかったね」とかぶせる悪乗り様。そこまで言うのなら見せて貰いましょう、三年生の定期戦。さすがにライバルのディフェンス網は固く、ゲームキャプテンT18のトライまで4分近く消費。その1分後には小さな巨人M19がジャイアンツの優勝を祝う(?)トライ。相手ボールのラックをオーバーして奪い自らトライする離れ技を披露(MOM)し後半へ。後半は「一点もやらない」せんりゃくを率先垂範するゲームキャプテンのワンマンショーが初っ端から開幕。前に出るハードタックル、敢えてタックルを脇腹に受けながら確実にフィニッシャーS6へオフロードパス、タックルからすぐさま起き上りオーバーしボールまで奪ってトライできるこの子はほんとに三年生?(MOM)

第四試合:寝屋川RS×チームマッスル 4-0勝

開始早々マイボールスクラムからの一次攻撃でサイドを突いたH9が難なくトライ(前半2本のトライの活躍でMOM)。2分にはR15がトライ。ここから相手チームの反撃が始まり防戦のうちに前半終了。先の台風で洪水に見舞われた淀川河川敷のホームグラウンドの芝に似たこの球技場に馴染んできたのか、後半も相手の勢いは収まりません。ところが、いつの間にかフライハーフのポジションを占拠しているK8がマイボールスクラムから出たボールを受け取るや中央突破のダイビングトライ。南半球のラグビーを見ているようでした。今頃お父さん、10回目の再生ボタンに手が伸びているかも。防戦の中、R15がタックルやオーバーでチームを鼓舞(MOM)し、一点もやらない引き締まったゲームとなりました。

第五試合:茨木B×チームセイバー 4-4引き分け

三年生の定期戦第二戦。なんとしても決着をつけたい試合です。その気持ちがプレーに表れたのはH7。相手に1点先制された直後、相手トライラインまで攻め込み最後はH7がボールを大事に抱えながら飛び込んでトライ(MOM)。このプレーでチームにゾーン入りのスイッチが入りました。E28のライン際の力強い突進、Y5のダイブトライ、ゲームキャプテンH13も漸くトライし良いリズムのまま3-1で折り返し。後半もチームキャプテンM23の前に出るタックルで流れを掴んだに見えましたが、さすがに伝統の一戦。立て続けに連続攻撃でトライを奪われ、残り1分でGC痛恨のインゴールノックオンで万事休す。いえいえそうさせなかったのはラストワンプレーでの左隅トライを決め、自らのミスを帳消しにしたM23(MOM)。この残暑の中でもコーチにペタペタ吸い付く癖さえ矯正されれば、すごいプレーヤーになりそうな予感はコーチ陣専らの評。

最終試合:徳島RS×チームフィロソファー 14-0勝

午後休憩なしの4連戦もこの試合が最後。予想以上に狭いピッチでポケット作戦こそ遂行されませんでしたが、みんなでトライを取るラグビーは追及できました。経験知を徐々に増やしつつあるR26の先制トライ(MOM)を口火にラッシュアワーが後半の最後まで続きました。S6の巧みなステップワーク、堅実なサポートプレーでの4トライは圧巻(MOM)。夏合宿からチームをリードし始めたS1もモールの中で何度相手ボールをもぎ取ったことか。S1からトライにつながることの多かった試合でした(MOM)。前日から調子を崩した上に突き指までしたテーピングが痛々しいK12も最後の最後にフライハーフのポジションに立ち、面目を施す中央突破のワンポイントトライはお見事。ここにも一点もやらない気持ちをプレーに出した生徒がいました。それはY17。前のプレーで歯が欠けながらも、自陣ゴール寸前まで独走した相手を指先でパンツを掴んでトライを阻止した捨て身のタックルでMOM特別賞受賞。ゲームキャプテンの思いがチームに伝播した瞬間でした。最後はそのGCが飛び込んでトライしノーサイド。

エキスパートが複雑な状況を瞬時に把握し、賢明な決定を迅速に下すのを目の当たりにしたとき、私たちは経験知の存在を感じ取る。そういう場面を何回か目撃すると、その人を『真の賢者』」とみなし、その人の知能に感心するだけでなく、その人の判断を信頼するようになる。」(表題のタイトルの本)

そういうチームの賢者たちが、チーム内の知識ギャップを埋めるような見本を身をもって見せてくれる。それを見たニューカマーたちが、新しい経験を受け入れられる心理状態になり、脳内にレセプターと呼ばれる受容体をつくるようになる。試合からフィードバックし、意欲的に周到な練習を行おうとする繰り返しによって経験知がチーム内に共有されていくとこの本の作者ドロシー・レナード(ハーバードビジネススクール名誉教授)は述べています。

三年後の定期戦の晴れ舞台がますます楽しみになった三連休最終日となりました。