二年生で培いたい『イノベーションのDNA』

立春が過ぎ陽気が戻ってきました。一年生は早い時間から集ってラダーやキックに余念がありません。キックでは一年生のグランドの半分の距離(15M)を蹴る生徒が現れました。六年生になれば30M超のキッカーが出ますが、一年生にしてもう半分の所まで来ました。

明るい日差しの中で生徒(23人出席)を集め、先週二年生との練習試合のレビューを行いました。先鋒のキャプテンがインフルエンザで休みでしたので、中堅・大将チームのキャプテンに感想を聞きました。大将の初キャプテンS25は試合で「すごく緊張した」と話してくれました。タックルでマンオブザマッチを獲得した生徒Y5、T18には皆で称賛の拍手をしました。ここで、いつもの一分間プレゼンをK16から披露してもらいました。K16は大人になったら「ワンちゃんの病院の先生になりたい」とのことです。ラグビーでは「六年生まで続けてうまくなりたい」そうです。マップも綺麗に描けていました。すばらしい!来週はLongest KickerのS14にお願いします。

さあ、練習開始です。まず最初に国旗探しゲーム。頭のウォーミングアップです。4チームに分かれて各チームでキャプテンをじゃんけんで決め、キャプテンが1分間である国の国旗の説明をします。それを聞いた生徒達が20M先に置いてある各国の国旗の紙を探して持って帰るゲームです。正解は、オーストラリア、アルゼンチン、フランス、アイルランドですが、コーチはわざと似ている国旗(イギリス、NZ、フィジー、タイ、インドなど)も置いておきました。結果は、どのチームも正しい国旗を持ち帰って来ていましたが、アイルランドのチームだけインドの国旗も持って帰ってきました。うけ狙いだったかもしれませんが、ひっかけ問題にまんまと嵌まってくれました。コーチも以前アイリッシュバーを探していたらインドレストランだったという国旗に纏わる勘違いを思い出し苦笑い。

この頭の体操で大事なことは、説明の仕方です。大枠→中枠→小枠の順番に説明ができるようになることを狙っています。一年生ですから、色や星の数から説明していたようです。まずはどんな形なのか、その中には何が描かれているのか、その絵は具体的にどうかという具合に説明しないと、いきなり星が5つと言われても、中国国旗をイメージする人もいるでしょう。これからプレゼンするときも、将来の夢→その理由→そのために今どうするといった順番を意識して欲しいと思います。実は大人でも難しいですが。

柔らか頭になったところで、今度は身体のウォームアップ。まず「案山子」。コート半分を4分割し、それぞれのミニコートで5~6人が鬼ごっこをしました。鬼は一人で4~5人をタッチします。タッチされた生徒は両手を拡げて静止のまま立ちます。その他の人はこのかかしの脇の下をくぐれば動くことができます。30秒間で何人のかかしができるかを競うゲームですが、最高3人でほとんどがゼロでした。これからは股間を抜けるようにします。次に、スネーク。5人が縦一列になりボールを持った先頭が蛇行したら後ろはヘビのようについて行き、パスを繋いでいきます。先頭はすぐ最後尾につくように戻らないといけません。最初は狭いコートで、最後は4面全部で行いました。ヘビと言うよりは辰が威勢よく天空を飛翔しているようにうまくできました。うまくできたご褒美に、4チームでドッジボールをしました。春から比べボールの投げ方が格段に上手になっていました。早いボールをキャッチできる生徒も出てきました。

水休憩の後、7人がコンタクトバッグを横一列に持ってディフェンダーが一斉にバッグにタックルをする練習を行いました。人数が多いですので、こういう練習は壮観な眺めです。飲み込みの早い生徒達はすぐにコツをつかみます。一番遠くでタックルした生徒はすぐにバッキングアップし大きなタックルマシンにタックルを敢行しました。試合でよくある追いタックルのシーンです。皆上手にマシンを倒していました。

最後に4チームに分かれてミニゲームを行いました。先週の試合で勝つことの喜びがわかってきたのか、どのチームも勝とうと必死でした。インゴールする前に必ずパスを入れるというルールでも確りパスができていて、美しいチームワークのトライも散見されました。普段気持ちが表情に出ていなかった生徒も鬼の形相で頑張っていたようです。今月末の東淀川との試合が楽しみです。

一年生が圧倒的に強いチームとなるためにこれから必要なことは、失敗を恐れず、新しいことに挑戦し、創造性あふれるプレーヤー(ミニラグビー界のイノベータ)に育っていくことです。そのためのスキルとしてパスやタックルを磨く以上に、「関連づけの思考」をどんどん培って行きたいと思っています。一見ラグビーとは関係のないような練習でもどこかで繋がることが必ずあると信じて変な練習も入れて行きます。ラグビーで新しいことと言っても空を飛んだりできるわけはなく、過去覚えたフレームをどう繋げて新しいプレーを編み出すかです。そのために普段の練習で「質問する力」、「観察する力」、「仲間と協力する力」、「勇気を持って実験する力」をどんどん培っていきたいと思っています。生まれ持ってのDNAより育ちのDNAで勝負です。