カテゴリー: '16-6年生チーム

三年生の『今いるメンバーで「大金星」を挙げるチームの法則』

今シーズンはうまい具合に週末が雨にならず練習が継続できています。今日も曇り空とお湿り程度の小雨に恵まれ、熱中症にならず楽しい練習ができました。31人目の仲間(K31)が入校してくれた記念日に30人全員(R26は怪我のため見学)が出席し歓迎の拍手をしました。誰か「サーティワンアイスや」と茶化していましたが、恥ずかしがらずとてもハキハキと自己紹介ができるナイスガイです。格闘家のお父上には、ヤマハ発動機ジュビロやジャパンが採り入れ成果を挙げている格闘技の基本動作(アヒル歩き、踏み込み、懐に入る動きなど)のワンポイントレッスンを近いうちにお願いしたいと思います。

今シーズンだけで5人の仲間が加わった新三年生に今求められるのは、仲良し「グループ」から成長し、「チーム」を目指すこと。見た目はほぼ同じだけれど少し角張っていたりして凸凹のある金太郎飴たちを今見えている性格や強みなどで仮にざっくり並べてみて、そこから凸凹を組み合わせ、六年生の最後になって初めて全体像が浮かび上がってくるジグソーパズルのようなチームにしたいというのがコーチの夢です。ピースがひとつでも欠けたら絵にならないように、三年生の一人も放置しないという強い気持でこれからもコーチングして行きます。

絵で思い出しました。K20の絵日記の腕前が急速に上がっています。先週、泥水のところで行ったタックル練習の光景を鮮やかなブルーで描きあげていました。泥水という悪状況に関係なくタックルをしないといけない、というコメントとおろしたてのニュースパイク(Y5もプーマの黒っぽいニュースパイクを買って貰い自慢げな様子だったが、足が痛いと見学)に彼のラグビーへの気持の高まりを感じました。絵画の世界にこんな教え方があるといいます。

「親指を描きたいなら、親指を描こうとしてはいけません。親指のまわりの空間を描きなさい」

彼の絵には既に「空間」を感じさせるものがあります。昨日のAKBコーチ送別会で冗談交じりに話題となった五年生との練習試合が翌日現実化し、その試合にK20も出たい表情を浮かべていました。今回は突然でもあり、高槻戦のメンバーを中心に組成しましたが、次回は心の準備をしてチャレンジして欲しいものです。そうして新たな「空間」をイメージできるようになれば、また大きく成長することでしょう。

五年生の試合は当初3本の予定が、お互い白熱し4本に延長。五年生には全く歯が立たないのではないか・・・というコーチの弱気な予想に対し、三年生はブレイクダウンで互角以上、膝下への果敢な正面タックルもT18を中心に何度も成功、バックス3人によるディフェンスラインの速い出足(小学生には無理と言われるシャローディフェンスができている!試合後五年生のラガールに聞いたら、「三年生がすぐ寄ってきた」そうです)、ゴールコーナーポストへのバッキングアップ、相手モールのままボールを出させずマイボール化(お兄ちゃんと試合したくなって途中から出たいと進言したラガールK16が最も大きい相手を止めました)などなど、完全に予想を翻すハッスルプレーを披露してくれました。その結果、フェイズを重ねた末にショートサイドを数人を振りほどいてトライラインを越えたR15のワントライは今日の貴重な戦果となりました。その後、K4と味方同士のバッティングで二人とも両穴から滝のような鼻血を流していましたが、泣きもせず名誉の負傷然として態度に彼らのさらなる成長を感じました。強い相手に怯まず挑む姿勢は、K4だけでなくS6からも発せられ、激しいタックルで相手をなぎ倒していました。

これまで自分から出たいと言うことのなかった生徒も仲間のハッスルプレーに触発されたか、A11、R21、S25さらには、なでしこレスラーH29までも「出たい!(大阪弁で)」を連呼。さすがにラグビー初心者のH29は出しませんでしたが、心の油田に小さな火が灯った瞬間でした。途中出場したA11には一仕事終わって交替するたびに「五年生はどうだった?」と聞けば、「もう何回聞くねん!」とうんざりの様子、しつこく聞いてごめん。でも、彼も急成長しているんです。それが嬉しくてたまりませんでした。R21もワンポイントリリーフでボールを持ち大きな相手にタックルされながらもボールを手放すことなくラックになったところで後方にボールをうまく繋いでいました。彼も伸びています。今日は熱があって出られなかった知将S10も出たかったことでしょう。今日出場機会のなかった16人(隣でMKTコーチが紅白戦を見てくれていました)とともに次回の活躍を期待します。

五年生との試合で途中となってしまいましたが、今日の練習は前回同様、チームビルディング養成講座です。新聞紙を折りたたんで、4人のグループがどこまで狭い面積で乗ることができるか(今日は5cm四方くらいの狭い新聞紙に乗ったグループが出ました)を競うゲーム、新聞紙の真ん中に穴を開け、その間を4人がくぐり抜ける(個人が勝手に新聞を頭からかぶるのかと思っていたら、残り3人が新聞の端を持って協力してかぶせていたのには驚きました)ゲームからスタート。次に新聞紙を破って小さい玉を各自2つ作り、4人が片手にそれらを握ってグーを出し、4人の合計を当てるゲーム、小さな海外のコインを3人が渡す振りをして、誰が持っているかを顔の変化を見て当てるゲームに生徒は夢中になっていました。(いったい何のスクールか?)

未だ仲良しグループの域を出ない三年生をこれから六年生の卒業試合までにチームとして仕上げて行くうえで参考になるのは、人気漫画『ジャイアントキンリング(ジャイキリ)』。プロサッカーチームが、主人公である監督の異色な指導で「真のチーム」に成長していく姿を描いた作品ではありますが、ラグビーにも次の点が通じるところがあります。表題の本(仲山進也楽天大学学長著)が『ジャイキリ』を題材に企業経営に悩むチームリーダーに一つのヒントを与えてくれます。

◎カリスマ的リーダーやエースがいなくても、

◎今いるメンバーで、

◎まわりの期待値を超える成果を生み出す(=ジャイアントキリングを起こせる)チームをつくる

この話を三年生になぞらえれば、成長期にある個性の強い仲間が、ぶつかり合い、喧嘩する混乱期にあたるでしょうか。そのストーミング(嵐)の時期を乗り越えて、規範期(ビジョン、メンバーの役割が明確になっていく時期)を迎え、そして最終ステージとして一つの生命体のように機能するトランスフォーミングの季節を迎えたとき、彼らの卒業がやってくるのかもしれません。

「チームってのは、個の力が集まって初めて形になる。個の力を伸ばすてっとり早い方法・・・・・そいつはズバリ、チームがゲームに勝つことだよ。じゃあ、どう勝つか。自分の働きでチームを勝たせる・・・・・全員がその感覚を持って戦えれば、おのずと勝利は近付いてくる・・・・・そして、チームに貢献できるそういうプレーこそが、本当に評価に値するプレーなんだ。そいうう奴らの働きを、俺はちゃんと見てる。何も、試合に出てる選手だけの話じゃない。スタメンを外れたベンチの選手もそう・・・・・ベンチ外になった選手も、コーチングスタッフも、フロントの人間達もそうだ。全員がその都度・・・・・チームのために、何ができるか考えて動く・・・・・それこそが、チーム一丸となって戦うってことだ(『ジャイキリ』監督・達海猛語録)

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5 thoughts on “三年生の『今いるメンバーで「大金星」を挙げるチームの法則』

  1. お疲れ様でした。遠目で見ていたのですが、敵の大きさからして四年生ではないのでは?と思いましたが、やはり五年生でしたか!

    R15も初めはコーチの冗談なのかな?と思ったらしいです。歯が立たなかったのですが、とてもよい経験をさせてもらった的な事を言っておりました→生意気 笑
    みんなでつなげてとれた1トライも自信に繋がったようです。ありがとうございました。今後ともよろしくお願いいたします☆

    • R15母さん、
      あの日はラダーと頭の体操くらいしかやっていないまま五年生との試合になってしまい、何もできずに終わってしまうかなと思ったのですが、キックオフ早々スイッチが入ってました。あの切替え力はすばらしかったです。捕まっても体をうまく捻って確実にマイボールキープできていました。タックル、トライも見事の一語。おやじが観てないほうがいいんでしょうか?

  2. 5年 Mr.Tです。
    自信に繋がっちゃいましたか・・・ん・・・複雑ですね・・・

    お返しに 格闘技の基本レッスンのときは、お声掛けください 
    そのときは、自信つけさせてくださいね 笑^^

  3. 先週は、試合が始まったのを見かけてびっくりしました!
    開始後、K16がFコーチの横を陣取って、試合に出たそうに猛アピールしているのを見て、さらにびっくりでした(そんなK16みたことない…笑)
    試合に出たい子は沢山いたにも係らず、兄がいるということで試合に出させて頂き感謝すると共に、週末、ビアガーデンで酔っ払う前に謝罪しておきます^^
    3年生の積極性は本当に素晴らしいですね。引き続き、宜しくお願い致します。

    • K16父さん、
      私もジャンヌの猛アピールにビックリしました。お兄ちゃんにどこまで闘えるかという気持ちが恐怖を超えた瞬間、覚悟の二文字がつぶらな瞳にはっきりと刻印されていました。その気持ちが隣りで様子を窺っていたH29に伝染したほどです。闘うビューティーペアここに誕生ですね。