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三年生に向け培いたいラグビーの『コートセンス』

三連休初日の今日は出席者17人と二年間で初めて20人を切りました。家族旅行などで楽しんでいてくれれば良いですが、中には風邪や怪我の生徒もいます。明日の参加は難しくても早くよくなって欲しいものです。

今日は芝のグラウンドがある小学校の生徒一名が体験で再び練習に参加してくれました。見よう見まねながらコツをつかんで上手にボールを扱っていました。ガッツもありそうで新しい仲間になって欲しい人材です。

体験の生徒も一緒に楽しめるウォーミングアップとして、5乃至7人が円になって、一人飛ばしパス競争、円周1・2周リレー、大車輪(鬼がボールを置いたチームの中で1番1周走が遅かった生徒が鬼となるゲーム)練習からスタート。次に、5人一列になってボールを上下左右から後方に手渡しパスリレー、4人が後ろを向いた状態で後方の一人がコーチの笛でボールをターンした4人のいずれかにパスしキャッチできれば得点とするゲームを行いました。お馴染みのメニューは皆上手になっており、余裕すら感じさせる動きでした。

今日はラダーとコーンを使って、ボールハンドリングの練習をメインに行いました。今朝も全体練習前から芝全面でタッチラグビーを行った二年生ですが、フリーの位置にいる仲間にパスせずに自分でその仲間の前を横走りで抜けていくプレーが多くありました。生徒には三年生になるまでにパスすることの意義を自分たちで見つけて欲しいと常々思っているのですが、なかなか彼らに気づきが生まれないようです。今日は生徒たちが興味を持ちそうな空(から)シザースとループパスをやって貰いました。最初から上手にできるペアもいましたが、未だ独り持ちに固執している生徒はどちらの練習も意味がわからない様子でした。

バスケットボールの話ではありますが、チームとしてのパフォーマンス向上を主眼に三年生からリスタートするにあたり、米国の有力大学バスケットチームを率いている現役コーチの考え方がとても参考になります。同コーチの提唱する高いレベルのコートセンスを身につけるための必要条件を「6つのC」にまとめており腑に落ちることの多い内容です。スポーツ心理学専攻の博士号を有するコーチだけあって、メンタルゲームを勝ち抜くためのノウハウを惜しげもなく披瀝しており、あまねくボールゲーム指導のバイブルになるかもしれません。

・Coachability(コーチング力を高める):選手に「話を聞きたい」「コーチされたい」と思わせるように努力すること。選手がコーチのためにプレーしたいと思わせる鍵が網羅されていますが、ここでは昨今の体罰問題を考える上で、同じようなミスを繰り返す選手に堪忍袋の緒が切れるという「最も大きな問題」発生時のコーチとしてあるべき対応が参考になります。「コーチが選手に直接、そして強く、気になることを伝えることは正しいことである。しかしまた、不必要に選手を困惑させないように心がけねばならない。(中略)どんな選手も、コーチから公の場で(フィジカルやメンタル面が)弱いというラベリングされること(選手を侮辱するようなニックネームをつけたりすること)はあってはならない。たとえ足りない点があったとしても、ほとんどの選手はそのような汚名を避けるために全力ですべてのことをするだろう。事実、弱いと見なされているという厳しい現実を個人的に選手に伝えることは、非常に有益である。これは、選手にそんなレッテルを変えてやろうと思わせるような、思いやりのある、ポジティブな方法でなされるべきである。」

・Communication(コミュニケーション能力を高める):生徒同士のコミュニケーションのみならずコーチと生徒間のコミュニケーションも重要とのこと。オフェンスとディフェンス時のコミュニケーションでは、ディフェンスのコミュニケーションがチームの成功のために重要としています。「全選手がマークする相手やボールの位置によって自分が何をしているかを伝えるため、『ボール』、『ディナイ(自分のマークがボールを持っていない状況のディフェンス)』、あるいは『ヘルプ』と声に出して言うのである。」

・Cohesion(チームとしてのまとまり):「チームは、バスケットボール以外の場面で親友かどうかにかかわらず、体育館の中では素晴らしいケミストリー(融合)と連帯感を証明できること」が重要と説いています。これを「課題凝集性」と呼ぶそうですが、この課題凝集性のレベルを最もよく反映する側面がパスとディフェンスだと。「ボールをオープン(フリーの状態)なチームメイトに渡そうと本当に望むこと。(中略)パスが成功するときはすべて選手は戻ってくるものが4倍あり、それが次々に伝わっていく。凝集性の高い、パス中心のチームはそうやってうまく機能しているのだ。」今の二年生はまさにパスの凝集性が課題だということがはっきりしました。

・Capacity to Lead(統率力を高める):キャプテンだけではなく、コーチ、各選手のリーダーシップを事細かに説いています。「真のリーダーは、コート内外で適切な行動の手本を示し、それを実行する。」

・Competitiveness(競技力を高める):ボールタフネス(ボールへの執着心)を選手に身につけさせることが勝利の方程式のようです。「競技力の高い選手はボールを持ちたがる。それは自己中心的だからではなく、有利な展開に持っていける力に自信をもっているからだ。これはよいことである。」

・Concentration(集中力を高める):高いモチベーションと常にポジティブな性格が集中力を高める素地になることを説くだけでなく、余裕をもって準備すること、最適な覚醒レベル(所謂、”ゾーン”あるいは”フロー”の状態)を保つことの重要性を強調しています。「興奮もしていたが、リラックスもしていた」と後で言える状態を保つことはコンタクトスポーツのラグビーではもっと重要でしょう。30年前、尊敬する先輩に「ラグビーは”Warm Heart & Cool Head”で戦え」とよく言われたことを今でも思い出します。

さあ、明日は20人以上集まるか。ひとりでも多くの生徒にラグビーの「コートセンス」を少しづつ身につけさせてあげたいものです。


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