カテゴリー: '16-6年生チーム

四年生に向かって『成長から成熟へ』

今年の初蹴りは天然芝のグラウンド。霜が降りて真っ白な芝の周りでメンテナンス作業を行い練習開始。今日は、昨日激戦の末逆転勝利したパナソニックの三宅、山田両選手にお疲れのところ参加いただきました。三年生は29人(うち4名はマラソン大会で途中参加)とまずまずの出席率で新年スタート。

生徒には今日から四年生の意識で練習を行うことを伝えました。つまり、9歳くらいまでの「プレ・ゴールデンエイジ」の時期に行ってきた神経回路もほぼ配線完了となり、運動神経は20歳の大人と変わらなくなる「ゴールデンエイジ」を迎えます。この時期には、それまでできなかった運動が1回でできてしまう「即座の習得」が可能となるため、神経系の運動を高度にしたものとテクニックを習得する練習を合わせて行うと効果が高いと言われています。人生に1回しか訪れない貴重な時間を大事にすることがとても重要なのです。それなのに、コーチの言うことを聞かずに仲間と話していたり戯れあったりしては勿体ない。と説明している端から久しぶりに会った仲間と談笑する生徒が多くて困りました。

全体練習では、最初に3つのラダーを使い、全員を2チームに分けて反復横跳びを同じリズムで行えるかトライしました。一つのチームはよいリズムでしたが、もう一つは先頭のリーダーが悪かったのか、ばらばらでした。

次に『神曲』のダンテよろしく天国と地獄を彷徨って(コーチの笛で3回ターン&ダッシュして)好きなビブスをゲットする競争からスタート。4色のビブスでチームを分けて、エンドボール総当たり戦を行いました。「ポートボールと一緒や!」とすぐにひらめいたT18のアメフトばりのロングパスは何度もコンプリート。黒ビブス軍団の勘の鋭さは群を抜いていました。このゲームのキーファクターは、ボールを持っていない生徒がスペースに走りこんでボールを要求するかです。

温もったところで、コート2面でコーン裏返し競争を行いました。ここで山田選手に黄色ビブスに入っていただきました。コーン裏返し時には必ず俯せでダウン(あるいはスライディング)して起きながらコーンをひっくり返すこととしました。次に、広いグリッドでセブンボール。コーンをボールに見立てて、3つのコーンを早く陣地に集めたチームが勝ち。7枚ではあっという間に勝負がついたので6枚でやってみました。それでもかなり早いタイミングで3枚揃えるチームが出ました。このゲームでもダウンを入れてみました。これからも自然にリロード(倒れてもすぐに立ち上がってプレーすること)できるようになる練習を取り入れます。

ここで山田選手にアーリーキャッチ→パスの基本動作をやっていただきました。パスを受けボールをリリースするまでの時間は一瞬。山田選手からは「ボールを早く取りにいかずに流れたまま取るとボールを戻す動作が入りパスが遅くなる」とアドバイスいただきました。生徒たちはこれまで見たことのないスピード感に圧倒されながらも、「俺にやらせて!」病があっという間に蔓延し、パスを貰う列は長蛇となりました。流石はゴールデンエイジ。1回で真似たパスができた生徒が何人かいました。やはりトップレベルの選手のスキルを実体験することはコーチのどんな指導より効果的です。ここで山田選手と記念撮影をパシャリ。

次に豊中RSのOG(オリンピックMPA:メダル・ポテンシャル・アスリート)から、1対1の接近した状態で相手を抜き去るスキルトレーニング2種類を伝授してもらいました。1つ目のハンドオフで抜くポイントは、両脚を同時に踏み込んで相手を迷わせたところで(いつもJ22が試合でやっているあのプレー)真横に大きく踏み出し、相手がタックルに入ろうとするタイミングに相手と真っ直ぐ向き合い、ハンドオフする腕で相手の推進力を吸収し、その力を遠心力に変えて抜き去ります。もう一つは、その形態がEXILEの有名なダンスに似ていることから「エグザイルやんか」と言った生徒がいましたので、これから「エグザイル」と呼ぶことにします。このスキルは他ではおそらくやっていないので三年生で大事に使いたいと思います。R26がこのスキルも数回でできるようになったのには驚きました。彼は、山田選手のパスの真似を真っ先に手を挙げてやっていましたが、ものすごくラグビーが好きになって積極的な行動が出てきました。

三年生はこれまでたくさんの貴重な経験の中で、成長のステップを着実に踏んで来ました。生徒たちは大量の情報を次から次へと吸収して大きく育った成長期からいよいよ脱成長の「成熟時代」を迎えようとしています。半世紀以上広告業界に身を置き、日本の経済成長とその後の経済停滞を見てこられたコラムニストの天野祐吉氏は、経済が成長すればするほど生活の満足度が低下している日本や米国に今必要なのは、成長から成熟社会への脱却だと表題の近著で述べています。脱成長のエッセンスは一言、「減らす」だと。三年生もこれからは「勢い(フロー)」だけのラグビーではなく、これまでの「蓄え(ストック)」を大事にしてシンプルなわかりやすいラグビーを追求して行きたい。同氏は今後の日本に必要なコンセプトは「シェア(分かち合い)とダイバーシティ(多様性)」だと言います。32人の個性を最大限伸ばしながら、強い部分も弱い部分も分かち合える強いチームをオーガナイズしたいものです。

LINEで送る

2 thoughts on “四年生に向かって『成長から成熟へ』

  1. 改めまして、あけましておめでとうございます!
    本年もよろしくお願いいたします!
    新年会もお疲れさまでした(^_^)

    新年初練習に遅れて参加して申し訳ございませんでした(>_<)
    いい結果をご報告できるのならまだしも、順位も不明なほど何とも情けない結果で( ̄∇ ̄)
    今年はオヤジも走る量を増やそうと思いますので、付き合わせてみたいと思います(#^_^#)

    さて練習内容ですが、「エグザイル」って練習前にお二人でやられてたやつですか?
    経験によって自然に出てくるプレーなのかなと思ってましたが、スキル練習として取り入れるんですね!
    R15のみならず、次男にも教えてみたいと思います(*^^*)
    R26とは最近一緒にいることが多いのですが、彼の運動センスには驚かされています!何かアドバイスできることがあればなぁと思っていますので、スクール外練習でR15を含め何か伝えることがあれば伝授していきたいと思います(^_^)

    • R15父さん、
      マラソン大会からグラウンドにやって来たときの顔が放心状態でしたので、目標に届かなかったのかなと思いましたが、上級生相手に善戦したようですね。次回に向け自主トレーニングのサポートをしてあげてください。R26も一緒に。
      こちらも最先端のスキルをOGから仕入れておきたいところですが、明日からジャパンの合宿、自衛隊特訓、米国遠征とまた離れ離れとなります。まずはエグザイルでつないでおきます。