カテゴリー: '16-6年生チーム

三年生とコーチと『11/22/63』

前日土曜日以上に暖かな日差しに肌を焦がした日曜日の練習は、28人の生徒が集まりました。昨日のビー玉効果か、ラグビーノート提出が12人に増えました。昨日のウォーミングアップで行ったスポーツ鬼ごっこを図に描いていた生徒が沢山いました。中には、この鬼ごっこの必勝作戦を詳細に書いていた生徒もいて、1人では何もできない、チームプレーの大切さに気づき始めたようです。土曜日休んでいた生徒のためにビー玉をワインボトルに入れる意味を説明しました。ノート提出数に相当するビー玉12個を「魚」に食べさせると、生徒全員が「イーチ、ニー、サーン、、、ジュウニ―」と声を合わせてカウントしてくれました。今日はチームに迷惑をかけたりする生徒もなく、最後のミニゲームのチームプレーを生徒の自己申告で3個追加しました。この調子だと年内にお腹一杯になりそうな勢いです。Y17が自分のビー玉を大量に持ってきてくれた他、R15とT30もそれぞれ1個づつ寄付してくれました。

ラグビーノートで印象的だったのは、Y3。土曜日にコーチが話をした「信頼」という難しい言葉の意味を調べて、「信じて頼りにすること」と丁寧な字で書いていました。高槻戦には参加できないようで残念ですが、来年はきっと「裸の」自分を仲間に曝け出してチームに貢献してくれることでしょう。

前日に続いて、ポイント(スクラム、モール、ラックなどの地点)からハーフ役がパスするボールをハンズアップの体勢でキャッチし前進、隣のプレーヤーにパスする練習をおさらいしました。流れてパスを受けると何故よくないのかについても実際にやってみて理解を深めました。流れたままでキャッチすることは難しいこと、対面のプレッシャーを側面から受け踏ん張れないまま後ろ向きに倒され、ターンオーバーされやすくなることがわかったようです。

次に対面を1人つけ、タックルを受ける練習を行いました。ボールをキャッチしてただ真っ直ぐ走るのではなく、小刻みなステップでタックルポイントをずらしヒットし、対面のタックラーを一緒に連れて前進することで相手の裏に入り込むことができます。回数を重ねるうちに、皆上手に前進、ダウンボールができるようになりました。

この練習の最後に、11/22/63という実戦的なアタックディフェンスを行いました。まず、1対1でファイトしタックルで倒されたら、後方の2人がオーバー、ピックアップし、前方で待ち構える2人のディフェンス網を突破しようとします。このとき最初にファイトし合った2人が加勢し、前進を確実にしたところで、新たな3人がサイドから現れトライを阻止しようとします。この時点で6対3となって数的優位のもと、チームとしての意識があれば簡単にトライかができるのですが、逆に押し戻されるチームもありました。

この練習名、50年前の11月22日に起きた米国の悲劇を表す数字と同じで、縁起はよくないですが、悲劇の大統領の娘キャロライン・ケネディ駐日米大使就任を祝って命名しました。同名の長編小説はコーチの好きな作家スティーブン・キングが2年前に40年の歳月をかけ完成を見ました。現代から50年ほど前にタイムトラベルし、暗殺を阻止しようとする主人公の奇想天外な行動と古き善き時代を克明に描き切った大作です。

「あの時あんなことをしなければ」という思いは、誰にでもあると思います。タイムトラベルができたら、過去に戻ってやり直したいと考えたくなるものです。しかし大事なことは、過去を書き換えることではなく、過去に学び、同じ過ちを二度と繰り返さないことにつきると思います。例え失敗しても、希望を失わず、傷つくことを怖れず果敢に挑戦する姿勢を子どもたちだけでなく、コーチも持ち続けたいものです。

35年前の11月5日、90名のスクール生で産声を上げたわが豊中RS。中学部を新設し最大351名(1987年)まで膨れ上がった往時の勢いはもうないものの、昨今のラグビーブームにあやかって沢山の子どもたちがラグビーを始めてくれたなら言うことはありません。

 

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