カテゴリー: '16-6年生チーム

三年生の『繁栄』

天然芝の雑草取りをスクール全体で行ったあと、三年生28人(4名欠席)が前日の驟雨で少しウェットな地面の感触を素足で感じながら練習しました。忌引明けのH7が戻ってきました。もうグラウンドに付き添ってくれるお祖父ちゃんはいなくなってしまったけど、彼の練習に取り組む姿勢に力強さが増したように感じました。蒸し暑い中、2週間のブランクを感じさせないよい動きをしていました。

先週体験で参加したHarutakaくんがスクール入会を決断してくれましたので、今日から32人目の仲間です。全員で歓迎の拍手をしました。コーチは、彼が最後の仲間とは思っておらず、これからも仲間がどんどん増えてほしいと思っています。仲間が増えればどんな相手にも勝てる選りすぐりのAチームが組成できるからでしょうか。否。その答えを考えるうえで、表題の世界的なベストセラー本(マット・リドレー著)が自らの意を強くしました。大阪にある一スクールの三年生32人と10万年を生き抜いた唯一の人類である現生人類を同一視するのはいささか乱暴ですが、現生人類より脳が大きかったといわれるネアンデルタール人を選りすぐりのAチームを中心としたクラス、現生人類を三年生の目指すべき未来の姿と仮定しましょう。他の地域との交換を行わず自給自足の生活を通したネアンデルタール人は亡び、他の地域と積極的に交換し、アイデアを共有した現生人類は文明の繁栄を続けることができた。つまり、異質なものが混合することによって、初めて新しいものが生み出され、文明が加速度的に発展・伝播したというわけです。ラグビーのクラスも同じように、いくら生徒個々人が優秀でも、個性に満ち溢れたメンバーどうしでアイデアや情報の交換がなされなければ、チームとしての成長はないと考えます。仲間が増えれば増えるほど多種多様なアイデアが共有され、チームが活性化する。それがコーチの答えです。

今日は世界的なサッカーの名門クラブFCバルセロナ(バルサ)のジュニアが行っているラダートレーニングからスタートです。三年生の定番メニューよりもさらに難しいステップワークが要求されるトレーニングでしたが、バルサと同じというだけで、サッカーも好きなH9などは、先頭に立って取り組んでいました。

一汗かいた後は、格闘家(K31パパ)をお招きして、コンタクトへのアプローチで欠かすことのできない身体の基本的な使い方について実技指導をいただきました。今日の基礎トレは、「あひる歩き」と「ワニ」。大きくまっすぐに出す「踏み込み足」と、それについてくる「送り足」の感覚をつかむ練習です。あひるのように中腰になって前進、カニ歩き、後進を行ったあと、ワニになりきって右ひじにくっつくくらいまで右脚を前に出し前進しました。レスリングでやり慣れているH29はいとも簡単にあひる歩きができていました。ワニはS10がもっともワニっぽい動きで先生に「百点!」と褒められました。なかなかうまくできず投げ出しそうになっていたT30も、H19が不器用ながら一歩一歩前進してゴールした姿を見て思うところがあったのか、急に一生懸命になって頑張っていました。

格闘家からのご指導のあとは、先週からスタートしたタックルの練習を行いました。まず、歩きながら前に立っている相手を持ち上げる練習です。しかし、なかなか思うように持ち上がらないため、「送り足」を意識する練習(相手の股くぐり)を行いました。次に亀になった生徒の上を横向きに両足ジャンプで10往復。このバリエーションで、空中で前後に反転してもらいました。体操的な動きが得意な生徒もいれば、うまく回転できない生徒もいました。次に、タックルの立ち位置を復習し、コースを意識してホールドするところから始め、最後にタックルをやってみました。こうしてプロセスをふんでいくと、タックルが苦手な生徒も自然にタックルの形になってきました。H29は止まっている相手へのタックルは得意ですが、走られるとタックルポイントがつかめていませんでした。今日の練習で初めて走る相手をタックルで倒すことができました。著しい成長です。

仕上げにラグビー版「ストリートボール」を行おうと説明したところで、時間切れ。熱中症対策で、10分早く終了となりました。一つのゴールを奪い合うバスケットボールでお馴染みのこのゲーム。はたしてラグビーでできるのか。来週にキャリーオーバーです。

ラグビーノートの提出数がさらに増えています。「タックルに自信をもつ」という目標を一言書いてきたS1もいれば、図で作戦を示したK20(作戦名は「おびき寄せ作戦」とか)や、ラグビーや練習に関する素朴な疑問(「なぜ声を出すんですか」など)をたくさん書いてきたK31など、どれ一つ同じスタイルがないのが彼らの個性なんだなと感じ入りました。

「もし文化が他者から慣習を学習することだけで成り立っていたら、たちまち成長が止まってしまう。文化が累積的になるには、アイデアがであってつがう必要があった。「アイデアの融合」とは陳腐な表現だが、それには思いがけないほど多産な含意がある。創造とは組み換えである。」(『繁栄 明日を切り拓くための人類10万年史』)


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三年生の『繁栄』” への2件のコメント

  1. コーチの皆様、保護者の皆様、暑い中ありがとうございます。みんなに遅れること何ヶ月(何年かも)我が子もラグビーノートを出す気になってきたようです。これも、大所帯となった3年生にいて、いろいろな仲間からいろいろな刺激を与えてもらったからだと思います。コーチの皆様は大変だと思いますが、よろしくお願いいたします。

    • H9父さん、
      言われてみればノート出てなかったですね。バルサジュニアのラダー、ミニハードル練習も効いたかもしれませんね。
      感じたこと、気づいたことを一行だけでもノートにつける習慣を始めて変化して欲しいものです。