カテゴリー: '16-6年生チーム

三年生が『成功する練習の法則』

サマータイムの導入で9時からの練習開始となった今日は七夕。織姫と牽牛が一年に一度巡り逢うと言われる日の練習はめったにないことでもあり、今日のテーマは「密着」。先週から始めたタックルの基本動作の練習で、相手に密着することをキーワードに集中して取り組みました。(6人欠席)

練習に入る前に今日も新たな体験の生徒が参加してくれたので、同じ小学校の同級生R24に他己紹介をして貰いました。未だ「他己」と聞くと「蛸」を思い浮かべてしまう三年生たちです。手足をくねくねし始めました。体験の生徒は、スイミングと空手(数人の生徒も空手キッズです)をやっているそうで身体はがっちりしています。いきなり二年生との試合でデビューしました。試合をやって何が何だかわからなくなったのか、「少し迷っている」との感想を吐露。そんなこと迷わず32人目の仲間なってほしいものです。31人目のKくんはラグビーノートを2週連続で提出があり、ノートに大きな字で「ラグビーがだいすきです」と書いていました。初めて袖を通した赤白縞ジャージーもとても似合っていました。彼も二年生との試合に出場してまたラグビーの魅力に引き込まれたようです。

まず、ラダーとミニハードルの競争で5色のビブスから好きな色をゲット。この練習はどうしても足元を見てしまうため、コーチが途中でボールを生徒にパスしてリターンすることも加え前を見ながら足を早く動かせるように工夫しました。

タックルの基本動作の練習の前に、初めての試みとしてタブレット端末で関東ラグビー協会の「タックルコーチング&指導者巡回講習DVD」の冒頭部分を生徒に観て貰いました。同じスクールのコーチにこのサイトhttp://youtu.be/SfG/gwIMJxUを教えていただきました。ミニラグビーでも取り入れて問題ない安全重視の内容で、先週の「うさぎと亀」トレーニングの3番目のメニュー(相手をタックルの姿勢で持ち上げる)と同じものがあります。生徒には、模範トレーニングの残像が残っているうちに早速相手を持ち上げる練習を始めて貰いました。

この練習のポイントは、①相手と密着する、②コンタクト後も足を止めずに進み続ける、③首、肩、胸を相手にしっかりとつけ密着面積を大きくする、③首を曲げないように注意の3点です。生徒は持ち上げた映像が印象的だったようで、近づいて両足を揃えて「よっこらしょ」と持ち上げるのが偉いと勘違いしている生徒がたくさんでしたが、徐々に送り足が出るようになったところで、「立ち位置と接近」の映像を観て貰いました。

これまでコーチは、ディフェンスライン上の立ち方として、ターゲット(対面)の正面に対峙する(正確には自分の外側の肩とターゲットの内側の肩とを合わせる)ように立ち、指を差してしっかりノミネートするよう指導してきました。このDVDでは、さらに内側に立って内側のスペースを狭くしているところがミソです。コーチが小学生の頃、流行っていた「王シフト」(巨人軍の王選手に対戦チームがフィールドの右側に6人を配置した極端な守備。狙いは、右方向の打球が多い王のヒットを減らすことはもちろん、それ以上にがら空きのレフト方向を王に印象付けてレフトへの流し打ちを誘うことにあった)のようにカットインしてくれば飛んで火にいる夏の虫、それ以上にがら空きの外側にカットアウトしてくれれば、正面よりタックルに入りやすく、安全な点です。協会はポイントを以下のように説明しています。

①ボールキャリアーの正面に立たない。片側のスペースを埋め、相手の攻撃オプションを限定する、②初心者は、強いヒットより、相手と密着することを優先する、③カットインに対しては、当てる肩を変えて逆ヘッドを防止、④体重はかかとではなく爪先に乗せ、次の動作に備える、⑤コースを変えるときは、横歩きにならないよう注意、⑥ステップを切ってコースを変えるが、足をクロスさせない。

ラダートレーニングで足の回転速度がダントツに速いT18は爪先走りですが、相手との間合いを詰める動作で活きていたわけです。今日も大きい上級生にバシバシタックルを決めていました。

最後にチームを二つに分けて、四年生と二年生との練習試合を行いました。どちらも下級生が勝利するという下剋上。二年生に初の黒星で、悔しいと思った三年生には、どうしたら勝てるか、何をしたらチームにとってマイナスかを考える良い機会となりました。上級生に勝ったその他の仲間は、初めて四年生との試合に出た生徒も何人かいて、R20のように果敢にスペースへ走りこみ、相手を引き付けてよいパスができた(ノートにも、味方が余ったときはパスした方がよいと気づいたと書いていた通りのプレーでした)ように、よい経験になりました。今日のテーマ「密着」については、四年生に1点しか与えないドケチディフェンスでインサイドに立って相手の攻めるオプションを半減させた効果が早くも出たようです。一方、二年生には大盤振る舞いの殿様ラグビーで、首が逃げる疑似タックルが原因だったようです。その中にあって織姫K16が逃げる牽牛をことごとく背面タックルで仕留めていたのは七夕効果か。五年生と勝負した後の3つ年の差ラグビーだったこともあったのかもしれません。織姫恐るべしです。

今日の試合で浮彫りになった三年生のスキル格差を縮小し、あらゆるスキルレベルの仲間をすばやく、確実に上達させられるかどうかがコーチング成功の尺度とするならば、全米で話題のカリスマ教師ダグ・レモフが最近著した表題の本にちりばめられた含蓄のある練習ルールが参考になるでしょう。

今日の練習はそれら42のルールのほんの一部を参考に行ってみました。たとえば、、、、

ルール1:つねに「習得の確認」をする。確実に成功できない場合には、参加者が成功しはじめるまで一時的に単純化し、そこから複雑な要素を足していく。

ルール2:80%の価値をもたらす20%の練習を特定し、20%のスキルを練習し続ける。

ルール10:テクニックやスキルを教えるときには、分離したスキルを参加者が習得するまで練習する。

ルール11:優れた成果をもたらすスキルやテクニックには名前をつける。

ルール18:学習者に実践してほしいやり方で完全な手本を示す。

ルール22:練習の出発点で手本を映したビデオを活用する。

こういったルールに基づいた練習を工夫することで、意識的に判断するまえにスキルが自動的(無意識)にできるようになる。そうすれば、創造性が解き放たれるといいます。重大な局面で、そういうときに必要なスキルを見きわめて自動化(無意識の領域)が行われ、処理能力を創造的な思考に振り向けることができるという考え方です。「九九」など機械的作業の学習を基礎とする日本の教育が実は創造性を生む土壌にあるというのは彼らアメリカ人も認めています。

機械的宿題がまだ終わっていない生徒たちも今宵は創造的な未来を夢見て、とてつもない願いを短冊に込めているでしょうか。


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