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こどもの日に『オシムのトレーニング』をやってみた二年生

国民の祝日に関する法律によれば、今日は、「こどもの人格を重んじ、こどもの幸福をはかるとともに、母に感謝する」日だそうです。生徒をこんな立派に育ててくださったお母様方にコーチからも感謝です。好天のこどもの日という行楽日にも関わらず、今日も21/26人の高い出席率で、北摂大会前の練習ができました。これから、ご家庭の用事や病気などの事由で練習に行きたいけれど行かれないことはあろうかと思いますが、今年一年間、一日も休まず出席した生徒には皆勤賞を用意します。コーチは高校4年間(?)、無遅刻・無欠席でした。何事もできるまでやれば、できるようになります。是非、頑張ってください。

昨日の霧雨でマイルドな状態のグラウンドを2周走った生徒を集め、眼球トレーニングから始めました。顔を動かさず、目玉だけで周囲を見回す練習です。試合で正面の相手を見据えながら、左右に後方から現れる味方の動きを目の端で感じる力を強化します。安全なラグビーのために大切なことは、目を開けて前を見るということ。明日、校長からもお話があるかもしれませんが、ストロングポジションでどれだけ踏ん張っても首を横に向けた途端、相手に軽く押されただけで後ずさりしてしまします。ということは、顔をなるべく前に向けていれば、コンタクト時の衝撃に備えることができ、不要な怪我は予防できるわけです。練習だけを見ていると、トップリーグなどのノールックパスの練習かと思われそうですが、意図は違うところにあります。

まず、両手を伸ばして拡げ、自分の指の爪を小指から親指、左右、目だけで追う練習です。左右交互に親指、人差し指といった具合にバリエーションも自分で考えてやってみてください。これだけでも目(の筋肉)が疲れます。次に、3人一組でエアランパス。生徒は前だけ向いて、左右の生徒から放られた架空のボールを目で感じて受取り、パスをする練習です。慣れたところで、ボールを実際に入れてパスをやってみました。多くの生徒が真横の位置で味方を感じたようでちゃんと顔を向けずにパスをしていました。最後に、3人を10メートル競争させ、いちばん速かった生徒にコーチがパスし、受け取ってすぐに後方の選手のパスのコールでパスする練習をしました。ランパスの問題点は、パスに気をとられ、スタートが遅くなる点です。この点を解消するために、最初はボールなしでダッシュ競争させ(こどもの競争心で勝手にトップスピードになります)、トップスピードで貰えるようにし、遅れた生徒もパスの声を出さざるを得ないという状況に置いたわけです。このダッシュの距離をだんだん短くすると、瞬発力も強化できそうです。

ひと汗かいたところで、全員を集め、先週のカーニバルのレビューを行いました。S14がマインドマップを描いてもって来てくれましたので、マップを全員に披露しました。彼とH9が試合で何故MOMに選ばれたのかも合わせて説明しました。その後、試合の結果をふまえ、今日からの練習で目指すところを説明しました。テーマは「二つのことを同時に考える」。日本人の団体スポーツで最も苦手なことが「考える」ということかもしれません。コーチも含め、そもそも何を考えるのかを教えられた経験が少ない。急に「頭を使え!」「考えろ!」と言われても、困ってしまいます。オシム元監督は、日本に根付かせようとした「考えて走る」サッカーで、以下の二つのことをまず考えるよう説かれたそうです。

①どうすれば味方が有利になれるか?(どうすれば、チームメイトがプレーしやすいか、助かるか)

②どうすれば相手がやりにくいか?(弱点は何か、長所は何か、相手がどんな気持かを想像する)

考えるということの基本はそういうことですが、二年生がすぐにそういった思考法を身につけられるわけではありませんので、まずは、実際に練習で考えて貰いました。

4M四方の四角形の四辺に4人がそれぞれ立ち、四角の中に一人鬼が立ちます。最初は静止した状態でボールを鬼にカットされないようにパスをします。次に、線上を自由に動いてパスをします。これを30秒間行い、何回できたかを競いました。ここまでは考えずにできる練習です。次からは思考が必要です。パスと同時にコールした名前の生徒以外の生徒にパスをし、パスを受けた生徒が名前をコールされた生徒にパスをします。どの生徒も目玉をおでこのあたりに向けて考えを巡らせていました。これが二つのことを同時に考える」ということです。一つは「あいつにボールを届けたい」、そしてもう一つは「そのために近くのフリーの選手にパスをして中継をしてほしい」という思考回路です。この練習の前で、健康診断となりましたので、一時中断。

健康診断を終えて4人一組で帰って来ましたので、まず4人に練習方法を伝えてやって貰いました。慣れたところで、次の4人一組がやってきましたので、やり方のわかった生徒に説明をして貰いました。最初S1に説明して貰ったところ、完璧な説明でしたのでびっくりしました。子供の才能というものはどこに潜んでいるのかわかりません。こういう風に、生徒間で伝言ゲームを行い、全員が戻ってきたところで、中継パス競争を始めました。次に、円ならどうかということで、7人一組で円周での中継パス競争をやってみました。これも慣れたところで、パスしたらパスした相手のところに移動するバリエーションも付加しました。この練習で、コールされた人は早くコールしてパスしないと、詰まってしまいますので、コールされてボールが来るまでに次に誰に放るかを考える必要に迫られます。二年生ではこれがすらすらとできるようになれば卒業です。

最後に実戦で二つのことを同時に考えることをやって貰いました。5対5でスクラムからスタートし、ハーフ役が突っ込ませたい仲間の名前を呼び、まずスタンドオフにパス。スタンドオフはコールされた生徒にパスし、その生徒が突進してタックルされたという想定で寝て、マイボールキープ。いちばん近くにいた生徒2人がブリッジ役とハーフ役となり、ハーフが同じ要領で突っ込ませたい仲間の名前を呼びプレーを継続しました。二年生には未だ無理かと思っていましたが、すぐにコツをつかんでいたのには驚きでした。

この実戦練習をミニゲームでできるかどうかを最後の10分で、2試合やってみました。少し硬さはありましたが、自分の役目を忘れずにタックルが起きた後の処理ができていました。以上の練習(眼球トレは別)は、オシムさんがサッカー日本代表にさせていたメニューをラグビー風にモディファイしたものです。日本代表であろうが、二年生であろうがスポーツで考えると言うことは実はシンプルということかもしれません。この他にもオシム流コーチングのノウハウはありますので、二年生に応用できるものは今後も取り入れてみたいと思います。

オシム監督時代に有名になった「水を運ぶ選手」という言い回しがあります。もともとは旧ユーゴスラビアの慣用句で、大きな鎌で草刈りなど農作業をする人と、そこに冷たい飲み水を運ぶ人を対比させる表現だそうです。オシムさんは、エースプレーヤーもそれを助けるプレーヤー(「水を運ぶ」選手)もどちらも大事だと強調されていたそうです。戦い方のスタイルが安定してくると、選手同士でバランスがとれるようになる。エース級の選手も「水を運び」、そこによい意味でわがままな選手が加わると、大きな力を発揮する武器になりうる。そのような、さまざまな個性の融合したチームをオシムさんは目指していたそうです。

明日は、北摂大会での3チームのメンバー・キャプテン発表です。前回のキャプテン以外から新たなキャプテンを指名します。昨日のエースが今度はどんな水を運ぶ選手となるのかも含めて、チーム全員の役割に応じた行動をじっくり観察させていただきます。


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こどもの日に『オシムのトレーニング』をやってみた二年生” への2件のコメント

  1. 5対5の練習は私も驚かされました。指名は置いておいて、ブリッジ役とハーフ役への反応は学生でもなかなか反応ができないのが実状で。。。
    本当に末恐ろしい2年生軍団ですね!(^^)!

    皆勤賞、すでに夏の家族旅行の予定が入っており達成できません。
    親の都合?で絶たれてしまうのが申し訳なく。。。

  2. R15父さん、
    コーチがいちばんびっくりです。一般的には即座の習得は小学校四年生くらいから顕著になるものですが、既に始まっていますね。幼年のタックルマンはもっと凄いようですが。。。お兄ちゃんも負けていられないでしょう。(昨日、練習中に「弟とタックルどっちがうまいと思う?」とこっそり耳打ちしてきました)