カテゴリー: '16-6年生チーム

二年生が今必要な『理不尽に勝つ』ラグビー

とても4月とは思えない暑さに、いつも元気な二年生が一人また一人とリタイアする事態となりました。全4試合を何とか棄権することなく終えることができましたが、生徒のダメージは相当なものがありました。今大会のチーム名は、首を取られても大きなダメージを受けないヒトデ(Sea star)とアパッチに綾かって命名したものの、理不尽としか形容しようのない春の珍事には勝てませんでした。それでも、三試合目まで僅差ながら全勝できたことは生徒の自信に繋がったと思います。

先週の宿題として、早朝から集った生徒達一人一人に今日やりたいことを皆の前で発表して貰いました。桜の木陰に座った生徒達の前でタッチフラッグを掲げ、「僕は~したい!」と宣言し、聞いている生徒が「絶対できる!」と返事と拍手をしました。皆ちゃんと考えてきたんだなと思った宣言ばかりでコーチも嬉しくなりました。最も多かった宣言は、「タックルを頑張りたい!」(S1、S10、M19、K20、R27)で、さらに、「低いタックル」(K4、Y5)、「いっぱいタックル」(T2、K12、K16)、「一発で倒すタックル」(S6)、そしてコーチを唸らせる「ノミネートした相手を倒したい!」(S14)と皆ディフェンスの重要性をよく認識しています。一方、アタックでは、「トライしたい」(T2、R15、K20、R24)が最も多く、K8は「とりあえずトライしたい」と新人らしい思いを語ってくれました。トライ以外では、「相手を抜きたい」が多く、「ハンドオフをしたい」(T18)という習得したい高いスキルを語ってくれた生徒もいました。この他、「相手が来たらパスしたい」(A11)、「パスを貰って試合に勝ちたい」(R21)というこれまで練習で行ってきたパスについて含蓄のある宣言は秀逸でした。

第一試合は、港RSとシースター軍団の初対決。アパッチのチームキャプテンY5が代行でトスを行い、じゃんけんで勝ってボールを取り、キックオフ。試合前の練習で教えた決め事を忠実にT18が何度も行い(即座の習得とはまさにこのこと)、S10→S1の連係プレーの重要な役割を果たしてくれました。今日決めたかったハンドオフはラフプレーととられこそしましたが、ちゃんと実行しようとしたことは称賛に値します。同じパターンで新背番号を披露したR24も左隅にトライ。K20も課題のタックルを自陣ゴール前で決め、相手トライを死守しました。前半5-1(MOMは、決めごととタックルに忠実なT18)。後半は、序盤相手にトライを先行されもたつきましたが、K16の連続タックル(今日のやりたいことを実現)とY17の全員抜きトライは「全員を抜いてトライしたい」の宣言通りでした。中盤でこの試合のクリティカル・モーメント(勝敗を分ける様な重要な一瞬)が訪れました。最大差4点を2点差まで詰め寄られる苦しい展開の中、大きな相手がゲインラインを軽々抜けて無人のフィールドを駆け抜けていたところに斜め後方から閃光のようなタックルをH9が決め、奪ったボールを自らトライをする離れ業をやってのけました。これに触発されたかY3も右サイドを駆け抜けた相手に追いつけとばかりに飛び込み右手の先だけで倒し、S25の駄目押しトライに繋げました。結果9-5の勝利(後半MOMは悪い流れを断ち切ったH9)。

第二試合は、今日のメインイベント阿倍野RSとアパッチ軍団の対戦です。前半の中盤までは、パスを意識した5人が小気味よいテンポでヒット、ターン、ポップパスを繰り返し、5点差まで引き離しましたが、終盤は甘いディフェンスを突かれ、7-5で折り返し(MOMは宣言通り低いタックルを連発したK4)。後半は、自力に勝る相手が連続2トライで同点とし、さらに波状攻撃を仕掛けてきます。このピンチを救ったのは体感温度30度を超えたであろうピッチに立っていた5人全員でした。ペナルティからS1のトライで逆転後は、Y5、S14、R15、M19のタックルで確実に反撃の芽を摘んでいきました。R15もかつてない絶不調の状態でゲームキャプテンの意地を見せてくれました。胃の痛くなりそうなシーソーゲームの結果は12-9。(MOMは目標通りの低いタックルを連発したY5)

第三試合大工戦は、K4、S6、R15、T18(所用で早引け)を欠く状況をみて非常事態宣言を発令。全員ラグビーでこの理不尽な戦局を乗り越えるしかありません。前半は、S1の先制トライに次いでT2もスクラムから右に出てトライ。大きな相手を正面タックルで倒すビッグプレーもありました。H9も自陣ラインアウトから華麗なステップで3点目のトライ。K12もタックルで頑張りました。5-3で後半に望みを託します(MOMは「トライとタックルをいっぱいしたい!」と宣言した通りの活躍でT2)。後半は、序盤に猛反撃の相手に3連続トライ献上で1点差まで詰め寄られました。ここで新人R27を投入。初心者とは思えないボール捌きとランを披露。この試合のクリティカル・モーメントは、こういう難局で戦闘意欲を全面に出す男S14の迫力満点の突進で生まれたトライでした。結果は9-7。(MOMはこのガッツあるプレーでピンチを救ったS14)

第四試合箕面戦はさらに3人リタイア宣言の他、立っているのもつらそうな面々の中から、オーダーを決めなければならない苦境に。それでももう一人の新人K8が「出たい!」と手を挙げてくれました。わからないながらも数分のデビュー戦でボールを持って前進しようとしていました。ゲームキャプテンT2とイメージキャプテンH9のトライ、S14のタックルもありましたが、今大会初の劣勢で折り返し。後半傷口が広がる中、あきらめないY17とJ22のトライで北摂のライバル箕面RSに一矢を報いました。結果は4-12。(MOMは最後まであきらめなかったY17)次回の北摂大会では2試合再戦が待っていますので、春の結着をつけさせていただきたいものです。

平尾元日本代表監督は近著『理不尽に勝つ』(PHP研究所)で不確実な時代だからこそ希望を見出せるのだと締めくくっています。

・・・ラグビーボールは、もともと牛の膀胱でつくられていた。それで完全な球体にはならなかった。でも、今はつくろうと思えば丸いボールをつくることができる。にもかかわらず、依然、楕円形のままだ。

それはなぜかといえば―手の内でコントロールしやすいという理由はあるだろうが、それ以上に「楕円のほうがおもしろいから」だと思う。

「何が起こるかわからない」

そういう不確実性が、よりゲームをエキサイティングに、おもしろくしてくれるのだ。

もっといえば、ラグビーボールが楕円形なのは、世の中というものはもともと不確実なものであるから、割り切れないものであるから、その現実を受け入れるとともに、そのなかにおもしろみと希望を見出し、困難な状況を克服することの大切さと、そのすばらしさを教えるためではないのか。そのための力を養うためではないのだろうか・・・・そう、理不尽を理不尽だと思わない人間が、やっぱりいちばん強いのだ。


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二年生が今必要な『理不尽に勝つ』ラグビー” への2件のコメント

  1. コーチの皆様、保護者の皆様
    本当に理不尽な暑さの中、お疲れさまでした!
    暑さに馴染んでいない時期での急な暑さはキツすぎましたね(>_<)

    GCを任命されながらもご迷惑とご心配をおかけいたしましたが、その日のうちにR15もすっかり復活を果たしました。
    何だったんだろうと思うぐらい。。。

    出番の少なかったR15でしたが、数少ないプレーの中でもトライを取ったことよりもオヤジ的にはトライを生むorトライにつながるプレーに感心しました。てか、そんなプレーの方がうれしいんです(*^-^*)
    (本人はトライを目標にしてたみたいですが。。。)

    R15は早くも次戦でのリベンジを誓っております。
    早く暑さに慣れるのと当日暑くならないことを祈ります。
    (私は合宿で暑さに慣れておきます。)

  2. R15父さん、
    暑い試合中に鼻水を垂らし、しんどそうでしたから心配していました。回復が早くて良かったです。
    ワンポイントリリーフのようになりましたが、GCとして締った試合を演出していたのは流石です。
    次の北摂大会は6試合(1人2試合出場)ありますから、それまでに親父だけでなく愛児も暑さに慣らせてくださいね。